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サイエンス

「人間の知能」が生まれた瞬間を知るヒントは世界最古の洞窟壁画にあり


世界最古の洞窟壁画がインドネシアのスラウェシ島で発見されました。発見した科学者によれば壁画は最低でも約4万年前に描かれたものとのことで、この発見は「人間の知能がいつ生まれたのか?」という謎を解くのに重要な役割を担う、とのことです。

BBC News - Cave paintings change ideas about the origin of art
http://www.bbc.com/news/science-environment-29415716


Rock (Art) of Ages: Indonesian Cave Paintings Are 40,000 Years Old | Science | Smithsonian
http://www.smithsonianmag.com/science-nature/rockart-ages-indonesian-cave-paintings-are-40000-years-old-180952970/

インドネシアのスラウェシ島にある田園地帯で、世界最古の洞窟壁画が発見されました。スラウェシ島の壁画が発見されるまで「世界最古の洞窟壁画」として知られていたのはスペイン北部のエル・カスティージョ洞窟にある、約3万7700年前に描かれたものと考えられている壁画。

スラウェシ島の壁画が発見されるまで「世界最古の洞窟壁画」であったエル・カスティージョ洞窟の壁画の様子は以下のムービーで詳細に見ることが可能です。

北スペイン洞窟壁画紀行(1)エル・カスティージョ洞窟 - YouTube


これに対して、エル・カスティージョ洞窟からはほど遠いインドネシアのスラウェシ島で発見された約4万年前の壁画がコレ。


壁画にはくっきりと「人間の手」が描かれており、これは人間の手に有色の塗料を吹きかけて「意図的」に手の形を残した、というもの。「これらの壁画は最低でも3万9900年前のものであり、世界最古の手形です」と、オーストラリア・クイーンズランド州にあるグリフィス大学のMaxime Aubert博士は言及しています。


複数の手形が洞窟内の壁面や天井に所狭しと描かれており、正直少し不気味なくらいです。


壁面に手を置いて手の形がくっきり残るように色が付けられており、このきれいな手形が複数存在することから、偶然手形が残されたわけではなく意図的に壁面に残されたものである、ということがはっきりと分かります。


壁画には人間の手形以外にも「野生の有蹄動物」の姿などもあります。


ロンドン自然史博物館のChris Stringer博士は、「手の横にいるのは豚です。この絵は少なく見積もっても3万5400年前のものであり、手形よりも新しいものかもしれませんが、現在発見されている壁画の中では最も古いもののひとつであることに違いはない」とBBCに語っています。


「芸術」や「抽象的な概念」について考える能力というものは、人間と他の動物とを区別する「知能」に相当するものであると考えられます。この「知能」を駆使して人間は火を使ったり、車輪を作ったり、その他の技術工学を発展させてきました。

これまで世界最古の壁画はスペインのエル・カスティージョ洞窟やフランスの洞窟壁画であったので、人間の「知能」はヨーロッパで起きたと考えられてきました。しかし、インドネシアのスラウェシ島で約4万年前の壁画が発見されたことで、芸術や科学といった人間の知能の産物はヨーロッパから広がっていったもの、という考えは改めざるを得なくなった、と科学者はnatureに語っています。

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in サイエンス,   動画, Posted by logu_ii