「物語」はたき火によって生まれたことが明らかに

By Martin Cathrae

人類は40万年前に「火(炎)」をコントロールできるようになったことで、食物を調理して食べるようになりました。火の影響はこうした食生活の変化だけにとどまらず、炎の明かりのもとで行われるコミュニケーションが人類の祖先の文化形成にも影響を与えていたことが、狩猟民族研究によって明らかになりました。

Embers of society: Firelight talk among the Ju/’hoansi Bushmen
http://www.pnas.org/content/111/39/14027


Ancient campfires led to the rise of storytelling | Science/AAAS | News
http://news.sciencemag.org/archaeology/2014/09/ancient-campfires-led-rise-storytelling

ナミビア・ボツワナのジュホアン族に関する研究によると、夜のたき火の明かりには人々の想像力をかきたてる効果があり、また、たき火があることで夜の活動時間が延び、自給自足の生活を営むための時間以外の社会的な営む時間が確保されるため、物語を話しやすくなることがわかりました。

By graham

狩猟民族であるジュホアンの「ブッシュマン」の研究で知られるユタ大学の人類学者Polly Wiessner氏は、1970年代後半にジュホアン民族が夜間に行った会話や談話を174日にわたってノートに書き留めました。その後もWiessner氏は書き取った会話の内容を翻訳するために、2013年まで数回にわたって民族の村を訪れています。

Wiessner氏が米国科学アカデミー紀要に公表した研究報告書によると、ジュホアンのコミュニティにおいて、日中の会話は経済的問題・土地の権利・他人への苦情といった話題が集中していますが、炎の明かりのもとで話される内容のうち81%は物語が占めていたとのこと。火明かりのもとで伝えられた物語は、聴衆に語り手と同じ情緒的な波長を与える効果もあるということです。

By World Scouting

このことからWiessner氏は、人類の祖先のコミュニティにおいても同様に、炎が人々の心を拡張させて社会的関係の充足に貢献したと考えており、想像力を介して精神的理論を引き起こし、コミュニティにおいて協力や信頼関係の形成に重要な役割を果たしていたとのことです。

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in サイエンス, Posted by darkhorse_log