サイエンス

「ストーンヘンジ」の謎を解くこれまで知られていなかった手がかりを新技術で地下から発見

By Howard Ignatius

イングランド南部のソールズベリ近郊にある古代の環状列石遺跡「ストーンヘンジ」は、紀元前2500年から紀元前2000年の間に立てられたものと考えられています。このストーンヘンジ周辺を、複数の機器を駆使して地下まで詳細に調査したところ、謎を解くための新しい手がかりがどっさり発見されました。

BBC News - Stonehenge secrets revealed by underground map
http://www.bbc.com/news/science-environment-29126854


ストーンヘンジとその周辺を調査するというプロジェクトを主導しているのはバーミンガム大学のVincent Gaffney教授。これまで周辺の地中まで調査したことはほとんどなかった、というストーンヘンジですが、バーミンガム大学の調査では異なるタイプの装置を組み合わせて地中約3メートルを、これまでに類を見ないレベルの精度で調査しました。調査の初期段階で、ストーンヘンジは伝統的な儀式か何かに使われたものというだけでなく、その周りに17個もの遺跡が存在することが判明しました。調査ではストーンヘンジ周辺の12平方キロメートルものエリアを調査したそうで、収集した膨大なデータは今後詳細に分析し、ストーンヘンジ周辺で発見された遺跡群がなぜ作られたものなのかを徐々に解明していく、とのことです。

ストーンヘンジ周辺の地中を調査した際に使われた機器。


デコボコな地表から地中内を詳細に調べるために、磁力計・地中レーダー(GPR)・3Dレーザースキャン装置という3つの装置を組み合わせ地中を調査しています。レスター大学の研究員であるNishad Karim氏は、同じような装置を使って16世紀のチューダー王朝の墓碑内を調査しており、「GPRやその他の技術を使った調査は、地面に手を付けずに地中を調査できる」とこれらの装置を使った調査の優位性を説明しています。

ストーンヘンジ周辺の地中地図はこんな感じ。


調査で見つかった地下遺跡のひとつは、33メートルという長い木材を使って約6000年前に建てられたもので、儀式や埋葬に使われたものであると推測されています。大きさは約300平方メートルで、形は台形で3つの支柱で屋根を支えていた、とのことです。


また、ストーンヘンジの周辺地下にある17の遺跡はどれも古代の儀式に関わるもので、作られた年代はストーンヘンジの作成年代と同じであると推測されています。

ストーンヘンジの北にある「Cursus」という遺跡は、巨大な円状の溝が存在し、これがローマのレーストラックを思い起こさせる、としてラテン語で競馬を意味する「Cursus」という名前が付けられたそうです。「Cursus」は東西方向に伸びる谷で、これの位置はストーンヘンジと密接に関わっているのではないか、と考えられています。

他にも、「Durrington Walls」があったと思われる位置の地下には巨大な石や材木、支柱などが埋まっているそうで、これらは遺跡の規模や用途を再考するのに重要なデータとなっているようです。


これらの調査結果は、ストーンヘンジにまつわる歴史や進化の過程をより複雑なものにしますが、今後調査で得たデータを分析していくことでさまざまな新事実が明らかになっていくと考えられており、分析によりストーンヘンジ周辺がいつの時代からどのように発展していったのか、といったことまで詳細に判明するだろうとBBCは記述しています。

なお、プロジェクトを主導したGaffney教授や、歴史的建築物の保護を目的とするボランティア団体のナショナル・トラストに所属するNick Snashall博士は、「21世紀の技術により、ストーンヘンジに関する我々の見識は大きく変えられた」と語っています。

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in サイエンス, Posted by logu_ii