生き物

オウムは道具の使い方や作り方を仲間から学習できることが判明


インドネシアに生息するシロビタイムジオウムは、木の版をクチバシで折って「杖ツール」を作り出したり、複雑な仕掛けのボックスを解錠したりできるほどの知能を持っています。シロビタイムジオウムの研究を続けた結果、ツールを開発した仲間の作り方を見ることで、同じ技術を覚える学習能力を持つことが確認されました。

Cockatoos can learn from each other how to make and use tools | Science/AAAS | News
http://news.sciencemag.org/plants-animals/2014/09/cockatoos-can-learn-each-other-how-make-and-use-tools

野生のシロビタイムジオウムは道具を作り出して利用することはありませんが、2012年にシロビタイムジオウムの「フィガロ」が網の中のエサを取り出すために、木の板から杖ツールを作り出して利用したことで研究者たちを驚かせました。さらにオーストラリアの研究チームは「フィガロの仲間が道具の作り方を学習するのでは?」という仮説のもと実験を行いました。


まずはオス・メス3羽ずつのグループを2組構成。一方にフィガロのデモンストレーション、もう一方にはテーブルの下に隠したマグネットを使って研究者がフィガロのデモを再現したものを見せました。その後、デモンストレーションで使った杖ツールをナッツの入った網カゴの前に置いてどのように行動するかを観察します。その結果、フィガロのデモンストレーションを見たグループは、オス・メスともにフィガロの動きを真似て杖を使う努力が見られましたが、最終的にうまくナッツを取り出すことができたのは2羽のオスのみ。また、研究者のデモンストレーションを見たグループは1羽も成功できなかったとのこと。

さらに、杖を使えるようになった2羽のオスの前に杖ツールの材料となる木の板を置いて観察したムービーは以下から見ることができます。

Goffin cockatoos: tool-making - YouTube


杖ツール作成能力を持つフィガロが、「キウィ」の前でデモンストレーションを行います。


キウィが入っている鳥かごの前には、先ほどと同じエサが入ったカゴと木の板が置かれています。


フィガロが放たれて、木の板をくわえます。


クチバシでうまく割いていき、1本の杖を作り出しました。


フィガロは網の真ん中に杖を差し込んでナッツを引き寄せます。カゴの中のキウィがその様子を興味津々に眺めているのがわかります。


デモンストレーションを見たキウィを同じ実験セットの前に放ちます。


一目散に木の板を拾い上げて……


キウィは足で木の板を持ちながらクチバシでパキパキと割っていきます。


杖ツールはなんなく完成。


床から杖ツールを差し込んでナッツを引き寄せます。フィガロの行動を完全にコピーしていないことから、より良い方法を開発するための、ある程度の創造性の区別を持ち合わせているということも確認されています。そのため、シロビタイムジオウムはツールの作成方法を見て学ぶことで、自分自身に適した技術を開発できるため、「お互いが教師となって学習し合うことも考えられる」と研究者は話しています。


なお、シロビタイムジオウムの知能の高さがさらにわかる、5つのロックを解錠するムービーは以下から見ることができます。

Cockatoos solve complex puzzles, pick five locks to get food - YouTube

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in サイエンス,   生き物,   動画, Posted by darkhorse_log

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