人間の皮膚にあるニューロンにも脳のような計算処理能力が存在

By Ann Larie Valentine

人間の皮膚に存在しているニューロン(神経細胞)ネットワークには、これまでは脳にしか備わっていないと考えられていた高度な計算処理を行う能力が備わっていること明らかになりました。

Neurons in human skin perform advanced calculations
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2014-09/uu-nih090114.php

研究を行ったのは、スウェーデン・ウメオ大学の研究チームで、研究論文はNature Neuroscienceで発表されています。

Edge-orientation processing in first-order tactile neurons : Nature Neuroscience : Nature Publishing Group
http://www.nature.com/neuro/journal/vaop/ncurrent/full/nn.3804.html


人間の皮膚内に存在している一次ニューロンによる触覚システムに備わっている基本な役目は、皮膚内で細かく枝分かれした神経細胞ネットワークを作ることで皮膚に何かが接触したことを脳に伝達することと考えられてきました。

しかし、ウメオ大学統合医学生物学部(IMB:Department of Integrative Medical Biology)の研究チームが明らかにしたところによると、この枝分かれ構造には、脳に触覚信号を伝達するだけではなく、皮膚に接触した対象物の幾何学データを処理する能力が備わっていることがわかりました。


研究チームに関わるAndrew Pruszynski氏はこの働きについて「研究結果からは我々の体に備わっている一次(触覚)ニューロンには、対象物といつ、どのぐらいの強さで接触したかという情報を伝えるだけでなく、接触した対象物の形状情報を伝える働きがあることがわかりました」と語っています。


研究結果ではまた、個別のニューロンに備わる形状を把握する感度は、皮膚上に構成されているニューロンの高感度域の分布の仕方によって差異があることも明らかにされています。

Pruszynski氏はこの研究の成果について「最も驚くべきことは、指先に備わって物質との接触があった際に機能する末梢ニューロンが大脳皮質に存在しているニューロンと同様の計算処理を行っているということが分かったことです。これは簡単にいえば、私たちが何かに触れた際に、その感覚が脳に届く前の段階でニューロンによってすでに計算処理が行われている、ということになります」と語っています。

By Lotus Carroll

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