「死の谷」で人知れず移動する「さまよう岩」現象の謎がついに解明される

By Trey Ratcliff

アメリカ・カリフォルニア州のデスバレー国立公園では、100kg以上もある巨大な岩が人知れずずるずると移動するという不可思議な現象が起こっています。これまで岩が動く瞬間を目撃した人はいなかったのですが、2年間かけてこの「さまよう岩」を研究したチームによって、岩が動くメカニズムが解明されました。

PLOS ONE: Sliding Rocks on Racetrack Playa, Death Valley National Park: First Observation of Rocks in Motion
http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0105948

岩が動く瞬間をカメラで捉えた映像や、岩が動く理由を説明しているムービーは以下から見ることができます。

How Rocks Move - YouTube


アメリカで最大規模の国立公園であるデスヴァレー国立公園。Wikipediaによると総面積は1万3158平方キロメートルで、長野県とほぼ同じ規模とのこと。


季節によっては山に白く雪が積もります。


そんなデスバレーの枯れた湖では、岩が独りでに動き出す現象が起きています。どのようにして岩がズルズルと動いているのかは謎に包まれていましたが……


そのメカニズムを解明したのがEnvironmental Management Associates(EMA)のドワイト・キャリーさんたちの研究チームです。


検証のため、まずはさまよう岩が確認される場所に測候所を設立。


次に大小さまざまな15個の岩にGPSユニットを埋め込みます。


ユニットを埋め込んだ岩は元の枯れた湖に戻され、どのように岩が動くのかを追跡できるようになります。


研究チームの1人であるInterwoofのジム・ノリスさんは、設置した岩の観測を2年がかりで担当しました。


2013年12月のとある朝、枯れていた湖に雨水が溜まりました。測候所の観測データによると、この地域は11月後半に1.5インチ(3.81cm)の降水量と、7インチ(約17cm)の降雪が確認されています。


溜まった水の層は、湖全体を覆う薄い氷の層になったとのこと。


日差しが強くなると、全体をシーツのように覆っていた氷が溶けて割れ始めます。


すると、風によって湖全体に流氷が発生。岩の下にある氷が「帆」のような役割を果たして、水と風に乗って岩が滑るように移動していた、というわけです。


これまで目撃されていなかった岩が動く瞬間の撮影に成功。移動速度などはわかっていませんでしたが、岩が動くスピードは非常にゆっくりで、分速15フィート(時速274mほど)とのこと。


急角度で岩が方向転換したような不思議な軌道については、水流の変化によるものだそうです。。


毎年この時期には大量の水が氷になりますが……


湖が枯れると水や氷は蒸発し、岩の軌跡だけが残るため、あたかも岩が自力で動いたように見えていたわけです。降雨・凍結・風・太陽と複数の条件が必要だったため、実際に動いている様子を見た人が居なかったのですが、GPSユニットのおかげでいち早く移動する岩に気付くことができたとのこと。


なお、LA Timesは科学的に証明された「さまよう岩」の現象を、以下のようにわかりやすいイラストにしています。

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in サイエンス,  メモ, Posted by darkhorse_log