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新・ローソンおでんの秘密を中の人からいろいろ聞き出しながら新旧おでん食べ比べ


コンビニの定番メニューのひとつとして完全に定着しているのが「おでん」、中には1年中おでんを販売している店舗や、「そんなものをおでんにいれるのかよ!」というような具材で攻めてきたり、どこもかしこもおでんにはかなり注力しています。そんな中、ローソンが猛暑のまっただ中である2014年8月12日(火)におでんをリニューアルしました。一体何がそんなに変わったのかを確かめるべく、ローソンおでんの開発チームのひとり、いわばおでんの「中の人」に会ってきました。

おでん|商品・おトク情報|ローソン
http://www.lawson.co.jp/recommend/friedfoods/oden/


GIGAZINE(以下、G):
2014年8月12日(火)からおでんがリニューアルしましたが、これはどのようなおでんに変わったのでしょうか?

商品・物流本部カウンターFF部マーチャンダイザー 江藤美佳さん(以下、江):
今回のおでんリニューアルで1番大きく変更したポイントは、おでんの「つゆ」です。なぜこの基本的な部分を新しくしようとしたのかというと、他の競合チェーンさんなんかもやってると思うんですけど、おでんは70円セールなんかをやるとたくさん売れるんです。でも、セール時以外は売上が伸び悩む傾向があるので、普段からおいしいおでんを売ることができればもっと売上を上げられるのではないかと考えて今回つゆの大幅リニューアルに踏み切ることにしました。今回のおでんつゆは「追い鰹」をウリにしたもので、店舗では「仕上げ鰹」というだしパックを使ってだしを取ります。

G:
中には削り節が入っているのですか?

江:
削り節を砕いたものが入っている感じですね。

これが「仕上げ鰹」。ティーバッグなどでもあるようにパックの形が三角錐型になっており、「この形はだしの広がりが良いんです」と江藤さん。


中身はこんな感じで焼津産のカツオ節が、さまざまな大きさの粉末になって入っています。粉末の種類はカツオ節の粗砕・厚削り・削り節の3種類で、それ以外のさば節などの雑節は一切入っていません。粗砕や厚削りは時間をかけてじっくりカツオだしの旨みを出し、削り節はさっと香りを加えてくれるとのこと。もちろんこれらには保存料や着色料などは一切使用されていません。


江:
通常、コンビニのおでんは仕込み用のおでんつゆをお湯に入れて作るもので、他のコンビニさんや去年まではローソンでもこの形でおでんを作って販売していました。仕込み用のおでんつゆのみでおでんを作る際は、味にコクを出すために畜肉やカツオのエキスを入れるものなんです。

これまで使っていた畜肉やカツオのエキス自体は全然悪いものではないんですが、コンビニのおでん特有のエグみだとか独特のニオイなどをどうにかしたいなと考えて、ローソンの新しいおでんつゆではこれらのエキスは一切使わずに、カツオ本来の旨みを活かしただしパックを使う形にしました。仕込み用のおでんつゆにもカツオだしは入っているのですが、どうしてもだしを入れられる分量に限界が出てくるので、カツオの風味や旨みをより一層プラスしたい、ということでだしパックを使って「店舗でカツオだしをとる」という形になっているわけです。

コンビニのおでんは、通常こういった感じの仕込み用のおでんつゆをお湯に入れて作るそうです。


G:
これまではこの仕込み用のおでんつゆのみでおでんを作っていたんですね。

江:
そうですね。それが今年からは、「だしパックでだしを取る」というひと手間のおかげでより自然な味や香りが出せるかなと。

G:
つゆをリニューアルするとおでんの味自体も大きく変わると思うのですが、「今回のおでんはこういう味にしよう!」という方向性はどうやって決めるものなのですか?

江:
今まさに2014年度のおでんがスタートしたところなので、そろそろ次の2015年度のおでんについて考え出す時期ですね。なので、このくらいの時期からリニューアルまでの1年間はほぼずっと新しいおでんについて考え続ける感じで、いろいろな専門店を回って味を調べてみたり、競合商品を食べ比べしたりしてどういった感じにやっているのかを調べながら考えます。コンビニおでんの競合はたくさんありますが、それらを超えれば良いというものではないと思っていたので、今回は専門店の味を目指しておでんつゆを作りました。

G:
今回はおでんつゆに注力されたとのことですが、つゆは毎年リニューアルしているものなのですか?

江:
毎年少しずつ変更していますね。

マーケティング本部広告販促企画部 八木佑樹さん(以下、八):
地域によって提供している具材が違うので、そこから出るだしの影響でおでんの味は地域によって若干異なります。

ローソンのおでんは全エリアで提供されるレギュラー具材と、地域限定で提供される具材とが分けられており、例えば関東なら「つみれ」「焼とうふ」「三色串」「つぶ貝串」「ちくわぶ」「すじ」が地域限定具材です。



G:
地域ごとの具材とオペレーションでおでんの味がローカライズされるとのことですが、地域ごとに用意される限定具材はどうやって決められるものなのでしょうか?

江:
おでんの具材は地域特性が意外とあって、例えば関東ではちくわぶが有名ですけど近畿の人はちくわぶを全然食べないので、近畿などでは販売していません。さらに分かりやすい部分で言うと、沖縄では他の地域では提供していないようなテビチやソーキといった具材を販売しています。


八:
ローソンでは本部と各エリアの商品部が分かれているので、エリアからの意見とかで地域限定の具材は生まれますね。

G:
なぜこの暑い夏の時期に新しいおでんに変わるのでしょうか?

江:
だいたいどこも8月がおでんのシーズンインなんですよ。

八:
逆におでんはどの時期によく売れると思いますか?

G:
寒くなった瞬間でしょうか?

八:
その通りで寒くなった瞬間にこういうものを食べたくなるらしく、そのピークに向けて今の時期におでんを切り替えます。そして、「今年のおでんってこうなんですよ」と周知しておいて、寒くなったらドカン、と。

江:
リピートしていただけるように、というかね。

八:
逆に寒くなり過ぎてしまうと売れなくなってしまうので、1月・2月はおでんにとっては厳しい時期で、この時期にどうやって売ろうかと頭を悩ませていますね。

ある程度おでんについてのお話を聞いたところで、2014年度のローソンおでんと2013年度のおでんを用意してもらい新旧おでんの食べ比べをしてみました。左側のおでんなべ2つには2014年度バージョンのリニューアルしたおでんが入っており、右端のなべには2013年度のものが入っています。つゆはもちろんのこと、中の具材も一部材料や調理方法が変更されている、とのこと。

◆おでんつゆ
まずは1番の変更ポイントというおでんつゆを比較。2つの見た目にはほとんど変化なしですが、飲んでみると2013年度バージョンのつゆは典型的なコンビニおでんの味であるのに対して、2014年度のものはコンビニとは思えないほどカツオだしが効いたより上品な味わいです。魚の臭みやコンビニおでん特有の味わいがないあっさりしたおでんつゆで、これまでのおでんつゆよりも塩分控えめな点も特徴的。


G:
つゆ以外にリニューアルしたものはあるのでしょうか?

江:
実はつゆ以外に、練り物にもかなりこだわりを持って作り直しているんです。なぜ練り物なのかというと、おでんって実は結構具材から良いだしが出るんですよ。中でも練り物はおいしいだしが出るので、これは見直すべきじゃないかということで、今回はかなりおいしく改良させてもらいました。あと、専門店でも練り物のメニューが多かったり、普通のかまぼこやさんでもおでんが提供されていたりするくらいにおでんの練り物っていうのは人気が高い商品なんです。でも、これまでローソンでは練り物があまり手つかずな状態だったんで、ちょっとどうにかしたいな、というところもありました。

そんなリニューアルした練り物の中でも特におすすめ、とローソンが推すのはさつま揚げとちくわ。以下の写真だと、左の容器に入っているのが2013年度のおでんで、右の容器に入っているのが2014年度のおでん。


◆さつま揚げ
魚肉を使った練り物では魚のすり身が主原料となりますが、新しいさつま揚げでは使用する魚のすり身にかなりこだわっているそう。魚肉を使った練り物ではスケトウダラをメインに使うものが多いのですが、新しいさつま揚げに使うスケトウダラのすり身はランクで言うと上から2番目の上質なものを使っている、とのこと。なお、1番上のランクのすり身は贈答品のかまぼこやおせちなどに使われるものだそうです。

他にも2014年度バージョンのさつま揚げには、高級魚のグチやアジの落とし身も使われています。おでんは長くなべに入ったままになることもあるので、煮込んでもブヨブヨの食感にならないように工夫しているそうで、スケトウダラの上質なすり身やグチを使って歯ごたえのある良い弾力のものにしつつ、硬くなりすぎないようにアジの落とし身をいれてちょうど良い食感になるよう調節しているとのこと。

これが噂のさつま揚げ。左が2013年度のもので、右が2014年度のもの。2つを並べるとひと目で新しいものの方が濃い色をしていることに気づくのですが、これは新しいさつま揚げにはより多くの青魚が入っているから。実際に食べみるとアジの落とし身が入っているからか味は少しつみれのような感じ。


食感もよりプリっとしており、食感が変わったのでより食べやすいように厚みが変更されています。


◆鱧入り焼ちくわ
ちくわには鱧(ハモ)が入っており、これの影響でプリっとした食感と上品な味わいに仕上がっています。さらに、自然な魚の味を出すためにアジのすり身やママカリのすり身も入っているそうです。

ちくわの開発にはかなり苦労したようで、1年間で試作品は何十個と作ってもらい、食べ比べを4、5回繰り返してようやく完成したもの、とのこと。青魚を入れすぎると魚の味で生臭いクセのあるものになり、入れないと味が薄くなってしまったりと、食感や味のバランスに気を配って2014年度の「鱧入り焼ちくわ」は完成したそうです。

ちくわはひと口食べると一瞬で違いが分かるくらいに口の中で魚の風味が広がり、コンビニのおでんらしくないカツオだしの効いたおでんつゆと相まって大きな変化を感じられる一品。


◆大根
大根はローソンファームで作っているものを使用しているという点は変わりありませんが、調理方法が少し変更されています。大根を煮込む際に米ぬかを使ってゆでるとエグみが抜けるという方法を実践しており、さらにゆでた後に調味液につけて冷やす時間をこれまでの2倍取っているので、より芯まで味が染み込むようになっているそうです。

左が2013年度の大根で、右は2014年度のもの。新しいつゆが塩分控えめになっているからか少し薄味に感じるかもしれませんが、これまでのコンビニおでんの味とは異なる大根が食べられます。


◆白滝
2014年度バージョンの白滝は細い糸状のこんにゃくを2本つなげて平麺のようにしており、2本の間にできる溝に汁が絡まりやすい構造になっています。実際に食べてみると確かにより汁が絡まってジューシー。


◆卵
卵は前回に引き続きヨード卵・光を使っています。ヨード卵・光といえば赤い殻の卵を想像しがちですが、赤玉だと赤い筋が入ってしまうのでおでんには使えないそうで、ローソンではわざわざ白玉のヨード卵・光を作ってもらっているとのこと。

2013年度のものと2014年度のもの大きな違いは、卵の黄身までより味が染みこむようにつゆに工夫を施している点。


◆「ふわふわ豆腐の鶏だんご」と「とろとろ湯葉だんご」
「ふわふわ豆腐の鶏だんご」と「とろとろ湯葉だんご」は8月26日(火)に発売する新商品。「ふわふわ豆腐の鶏だんご」にはとうふが使われているのでふわふわな食感がグッドでお肉の旨みがおでんのつゆとよく合います。

「とろとろ湯葉だんご」は箸を入れると断面が湯葉の層になっていました。


G:
いろいろとおでんの具材についてお話ししてもらったのですが、最後に江藤さんがローソンおでんの具材の中で1番好きなものをアピールしてもらっても良いですか?

江:
私はつくねが1番好きですね。うちのおでんの具材にあるつくねも今回思い切ってリニューアルしました。今回作ったつくねはおでんというよりはなべに入れる鶏団子なんかをイメージして、ふんわりした食感でショウガとニンニクを隠し味に入れ、和風の味付けにしています。


なお、ローソンおでんが最も売れる地域はダントツで沖縄とのことで、他地域ではおでんを平均3、4個購入していくところ、沖縄では平均5、6個のおでんが売れるそうです。さらにはおでんが人気な店舗ではおでんなべが8つ並べられているところもあるとのことでした。

おでん|商品・おトク情報|ローソン
http://www.lawson.co.jp/recommend/friedfoods/oden/

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in インタビュー,   試食,   広告, Posted by logu_ii

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