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黒色を超越した「世界で最も黒い物質」が誕生、コーティングされたものの凹凸は目視では判別不能に


「黒色」は他の色を圧倒してしまうので扱いが難しくデザインでは使用してはいけない、といわれる色。そんな黒色の中でも「世界で最も黒い物質」が、イングランド南部のファーンボロー空港で開催されるファーンボロー国際航空ショーにて展示され、話題を呼んでいます。

British breakthrough in world’s darkest material launched at Farnborough International
http://www.surreynanosystems.com/news/19/


Blackest is the new black: Scientists have developed a material so dark that you can't see it... - Science - News - The Independent
http://www.independent.co.uk/news/science/blackest-is-the-new-black-scientists-have-developed-a-material-so-dark-that-you-cant-see-it-9602504.html


The Real New Black: Scientists Have Created A Material That Is Blacker Than Black
http://elitedaily.com/news/technology/real-new-black-scientists-material-blacker-black/670034/

「世界で最も黒い物質」は「Vantablack(ヴァンタブラック)」と名付けられており、これの開発に成功したのはイギリスにある世界的なナノテクノロジー開発企業であるSurrey NanoSystems

Vantablackが世界で最も黒い、と言われるのはその圧倒的な可視光吸収率にあります。通常、黒色の可視光吸収率は95~98%程度とのことですが、Vantablackの吸収率は99.965%で、ほとんどの光を吸収してしまいます。

通常の黒色の場合、光の反射で凹凸の有無などが確かめられるので、物質がどんな形をしているのかは目視でも確認可能です。

By sharyn morrow

しかしVantablackはほとんどの光を吸収してしまうので、コーティングされたものは真っ黒過ぎて人間の目ではどのような形をしているのか判別ができなくなり、真っ黒な穴が空いているだけに見えるそうです。以下の画像はアルミホイルの一部にVantablackをコーティングしてしわくちゃにしたものですが、目視では黒色部分のアルミホイルにどんな凹凸があるのかはまったく分かりません。


Surrey NanoSystemsのCTOを務めるBen Jensen氏は、「しわくちゃになった部分を見ても、あなたの目には真っ黒な穴が空いてそこには何もないようにしか見えず、とっても奇妙に思えるでしょう」と語ります。Jensen氏はVantablackの詳細なコストを明らかにはしていないものの、Vantablackを使ったドレスの実現の可能性について問われたところ、「非常に高価になるだろう」と回答しており、さらに「服の特徴はすべて失われ、ただ真っ黒なものになってしまうでしょう」とコメントしています。

もしも本当にVantablackでコーティングされたドレスが登場したならば、ドレスのレース部分や縫い目部分などの普段は目に付く特徴がすべて見えなくなり、ドレス着用者の頭と手足が真っ黒な穴の中から出てきているかのようになる、とのこと。

By Maria

Vantablackは、Surrey NanoSystemsが特許を取得している低温カーボンナノチューブ製造技術が応用されています。なお、カーボンナノチューブというのは人間の髪の毛の1万分の1サイズの、ごくごく小さな物質。Vantablackは高い熱伝導率を誇り、銅の7.5倍の効率で熱を伝え、鋼よりも抗張力が10倍も高いとのこと。これらの特性から、事実上検出できないレベルのガスの粒子離脱を防ぐことが可能になり、イメージセンサーの汚れを除去するのにも役立てることができるそうです。

MEMSなどの内部コンポーネントをコーティングするのにもVantablackはふさわしいとのことで、これにより衝撃を吸収したり、長期間の振動に耐えたりが可能になるとのこと。


なお、Vantablackは天体カメラや望遠鏡、赤外線スキャンシステムなどの光学システムを「次のレベル」に進化させられる、とのことです。

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in メモ, Posted by logu_ii