取材

「新劇場版 頭文字D Legend1-覚醒-」宮野真守らが完成披露試写会に登壇、アツい作品が完成


8月23日(土)に公開される新劇場版「頭文字D Legend1-覚醒-」の完成披露試写会が本日・8月2日に開催されました。イベントには藤原拓海役の宮野真守さん、高橋啓介役の中村悠一さん、高橋涼介役の小野大輔さん、武内樹役の白石稔さん、池谷浩一郎役の土田大さん、CGクリエイティブプロデューサーの松浦裕暁さんが登壇し、それぞれの役作りや作品への思いなどを語りました。

新劇場版「頭文字D」公式サイト
http://initiald-movie.com/

会場は虎ノ門にあるニッショーホール


ホールまでの階段にはポスターが貼り出されていました。


司会を務めたのはシネマアナリスト・DJの八雲ふみねさん、冒頭に原作者のしげの秀一先生からの「原作を何度読んだ人でも、アニメを何度見た人でも、増幅された感動がガツンと来る」というコメントが紹介されました。


続いて土田さん、中村さん、宮野さん、小野さん、白石さん、松浦さんが登壇。


役を演じるにあたって意識した部分、大切にした部分について、宮野さんは人気・歴史のある作品に参加することになり、原作をガッツリ読み込んで役作りをしたものの、プレッシャーも大きかったと語りました。


……と、マジメなトーンだったのですが「『Legend1-覚醒-』は」という部分でCMのマネをしたことで、中村さんのツッコミを受けることに。拓海を演じるにあたっては、思春期丸出しの感情を、自分が高校生だったときのことを思い出して取り組んだとのこと。


そのツッコミを入れた中村さんは、ちょうどテレビアニメが始まったころに上京していたので、専門学校の寮で深夜にみんなで集まって見ていたそうです。


そこへ今度は小野さんがいい声で「『イニD』見ようぜ……」と中村さん風に割り込み、宮野さんから「小野Dの話は後で聞きますから!」と突っ込まれていました。


中村さんは自動二輪免許の所有者でもともとはクルマにはあまり興味がなかったそうですが、かなり後半に出てくるハチロクのエンジン載せ替えは、自分の好きなロボットアニメの主人公機乗り換えと通じるところがあって、熱くたぎるものが面白く、クルマが好きになったとのこと。啓介を演じるにあたっては、今回の新劇場版の絵はかなり終盤の絵に近いものの、役どころとしてはまだ出たての青臭さを表現できればとこだわったそうです。


「それでは小野シャルDさん、どうぞ」と順番を振られた小野さん、「俺が覚醒するわけじゃないから!」。


今回、キャスト陣はみんな自動車に乗らない人で、小野さんは「かつて持っていたけれどあまりにも乗らないから更新しなかった」とのことですが、乗ってた頃を思い出すような滾る感じがあり、ウズウズしたと作品の持つ熱さを語りました。

白石さんの演じたイツキは拓海の友人で、スーパーテクニックを持つ人々の中でいかに「普通」感を出すかということで、土田さん、勝杏里さんとともに「驚き3人組」を演じることで拓海たちがどれだけ凄いかを一般人目線で伝えようと頑張ったとのこと。宮野さんからは「今日、来るのはどうしてなつき(内田真礼さん)じゃないんだろう、イツキが来ちゃったんだろうと思っています」と突っ込まれてたじたじ。


拓海たちの先輩にあたる池谷を演じた土田大さんは「僕の若い頃はですね、高校生は高校卒業と同時に免許を取るのが鉄板の常識でした。最近はみんな乗らなくなっちゃって、なんかあんまり面白くないな」としみじみ。お兄さんからスターレットを譲り受けて、ガンガンに走り回っていたそうですが「この映画に出てくるような走り方をすると危険です」「交通安全、いい感じで運転して下さい」と笑いを誘っていました。


冒頭部は池谷の語りから入るため、最初が肝心だと意気込んだもののなかなかOKが出ず大変だったそうです。


そして、サンジゲンの松浦さんは作品作りでこだわった点を語りました。企画が持ち込まれたのは2年ぐらい前ですが、松浦さんはちょうどFirst Stageが始まったころに上京していて、アニメの中で初めてCGを見て衝撃を受けたとのこと。新劇場版はFinal Stage制作と同時に発表され、「前作があるので、絵作りも役者さんも音響も新しいものにしたい」ということで作り上げられました。松浦さんがこだわったのは「リアルとフィクション」というところで、ただ単にリアルさを追求するのではなく、しげのさんのタッチも含めての頭文字Dなので、そういう点も表現にこだわったとのこと。


制作にあたってはグッドスマイルレーシングのドライバーに全面的に協力してもらって、リアルなドリフトの挙動を見せてもらったり、サーキットを借りて音を録るなどして、フィクションにいかにリアルを当てはめるのか模索し、総合的に頭文字Dを作り上げたとのこと。

新劇場版「頭文字D」Legend1 -覚醒- 筑波サーキット音声収録ドキュメント① - YouTube


今回、マンガに寄せるということでしげのさん風のタッチを「Dタッチ」、車の後ろから出ているエフェクトを「Dエフェクト」と呼び、これを表現するために頑張ったとのことで、これには会場からも拍手が湧いていました。

「(小野)Dエフェクト?」ということで、小野さんの背後に謎のエフェクトを作り出すキャスト陣。


キャストのお気に入りのシーンは、宮野さんと白石さんが拓海と文太の会話シーン。中村さんはシーンではないもののバックファイアのSEが小気味いいところで入ってくることに感動したというところと、なつきが原作よりもエロいという点。

小野さんは、今回は自らが演じる涼介のセリフがそれほど多くなかったものの、その中の「ダウンヒルスペシャリストこそ最速の走り屋だ」から音楽がグッと流れてバトルが盛り上がっていく流れが印象に残っているとのこと。土田さんは普段バイクに乗っていて愛車には愛情を込めると思い通りに動いてくれたりすることから、池谷の「ごめんな、シルビア」に気持ちを傾けることができたと語りました。


松浦さんは制作にあたり、2014年に改めて頭文字Dを作るということでキーになるビジュアルやカットを作りたいと思っていたとのこと。しかし、どうしてもクルマをメインに据えるアニメはカメラは地上にあるのがセオリーなのでアングルが似てしまうため、今回、ハチロクの後からカメラが追走し、拓海がドリフトする前にブレーキを踏むとカメラは勢いのままハチロクの中に飛び込み、さらに拓海がシフトチェンジしてドリフトに入るとハチロクが加速するのでカメラは外に抜けていくという、これまでには見たことがないようなカットを作ったそうです。


そしてみんな揃ってのフォトセッション。左右にはDガールズの春奈めぐみさんと荒井つかささん。


最後にメッセージ。

宮野:
みなさん、今日は来ていただいて本当にありがとうございました。僕らが熱い思いを込めて作った作品をもうすぐみなさんに届けることができると思うと、嬉しい思いでいっぱいです。人気のある作品、歴史のある作品なので、僕ら自身がまっすぐ向かい合い、でも新劇場版というタイトルがついている以上、「僕らにしかできないものを」とこだわって作り上げたつもりです。みなさんに楽しんでいただければ、嬉しく思います。

中村:
この作品、基本的にはレース、クルマを使ってバトルをしていく作品ではあるのですが、ドラマの要素も強く、僕自身原作を読ませていただいて、茂木とどうなるんだろうとか、「茂木、オイ!」とか……茂木の話ばっかりになっちゃうんですけど(笑)

小野:
この人(白石さん)も唇すごい厚いよ?エロい?

中村:
ぷるんってしてるかもしれないけど、なんで邪魔するの?(笑)


小野:
弟の話だからついつい……。

中村:
イツキの話はいいから。

宮野:
なつきの話を。

中村:
本当に人間関係のドラマも深いところまであり、バトルにしてもマシンとマシンだけれど人と人との駆け引きが根底にありますので、見ていただいて、クルマに乗っていない人、興味がない人にも楽しんでいただける作品になっているし、そこから車やレースに興味を持ってくることもあるかなと思うので、まだ見ていないという人を連れて劇場に足を運んでいただければ幸いだなと思います。

小野:
「頭文字D」という作品に持っていた印象はクールでスタイリッシュで格好いいというイメージだったんですが、新劇場版に声を吹き込んでいく、新しく作っていく中で思ったのは「いや、クールじゃない……熱い!ものすごく熱い作品だ」と実感しました。それはきっと好きっていう熱量です。車が好き、レースが好き、だからこそ、これだけの熱量が出せる。もしかすると、こういう部分は、年を経るにつれて忘れてしまう感情かもしれないけど、新しいことをしようとする熱量がこの作品には込められていると思います。だから、僕らも「好き」という熱量をメラメラと燃やして、これから新劇場版に命を吹き込んでいきたいと思うので、みなさんからも熱い応援をぜひよろしくお願いします。

白石:
このあいだ池袋に遊びに出たところ、ゲームセンターのあるところに新劇場版のポスターがドンと貼ってあり、本当に始まるんだなと思ってみていました。新劇場版ということで、新しいものを作るのは自分自身すごくプレッシャーを感じていましたが、絵を見て、そこからの愛情や情熱を感じて、それに負けないように僕らも情熱を持って作らせていただきました。映像表現もさることながら、物語としても、車が好きじゃない人でも見て面白いと思える熱い映画になっていると思います。ぜひ1度と言わず2度3度と見ていただければと思います。これからも応援のほど、よろしくお願いします。

土田:
ほとんど言われちゃったんで何も言うことはないですが(笑)、僕も昔からいろいろとアニメ映画を見てきて記憶に残る作品がありますが、この作品が皆様の中でそういう作品になれるように、これからもすばらしいみんなと作っていきたいと思います。応援、よろしくお願いします。

松浦:
頭文字Dという作品を作らせてもらっていることに感謝していますし、音を録らせてもらったり、スタッフが頑張って作品を作って、ここにいらっしゃる役者さんにすばらしい演技をつけていただいて、本当にこの作品に関わっていることが嬉しいですし、誇りに思っていますここにいるみなさんがこの映像を見て少しでも「いい」と思ってくれたら、TwitterとかFacebookとか、あるいは街頭インタビューの陰にこっそり入ったりして(笑)、みなさんの力で盛り上げていただけたらすごく嬉しいです。公開はこれからで、さらに続いてきますが、よろしくお願いします。

新劇場版 頭文字D Legend1-覚醒-」は8月23日公開です。

© しげの秀一/講談社・2014新劇場版「頭文字D」製作委員会

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in 取材,   映画,   マンガ,   アニメ, Posted by logc_nt

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