「ロボットが脚を破損しても残りの脚で歩く方法を自ら編み出す技術」が開発中


ロボットの技術は著しい速度で発展を続けており、数年以内には家庭の雑用などを手伝ってくれるホームロボットが誕生すると言われています。ロボットは故障してしまうと決められたプログラムで動作しているため動けなくなってしまいますが、足を失った動物が残った足で歩く方法を覚える洞察力を応用した、ロボットが「破損した脚で歩く方法を即座に学習する技術」が開発されています。

Robot With Broken Leg Learns To Walk Again In 2 Minutes — The Physics arXiv Blog — Medium
https://medium.com/the-physics-arxiv-blog/robot-with-broken-leg-learns-to-walk-again-in-2-minutes-40b8f24bd26

脚を持つロボットは各脚および各関節を曲げる角度・速度・加速度を瞬時に計算して、接地面にかかる力量などをアクチュエータで計測した上で歩行を可能にしています。それぞれに設定されたパラメータは広大かつ複雑であるため、ロボットが脚に損傷を受けた際の問題は非常に深刻です。そこでソルボンヌ大学のアントワーヌ・カリー氏ら研究チームは、脚を負傷したロボットがわずか数十秒で再び歩くための技術を開発。ロボットが破損した脚および動作可能な脚のパラメータを変更して、脚が破損したままでも歩行できる足取りを試みて、最適な歩行パターンを数十秒~2分以内に学習して編み出すという技術を開発しました。


研究チームは「Hexapod」と呼ばれる6脚類の昆虫を模したロボットで実験を実施。Hexapodは6本の脚に18のモーター、およびオンボードコンピュータ、深度カメラを搭載しています。ロボットには1万3000通りの異なる歩行パターンが組み込まれており、脚に損傷が生じた場合に残った脚でできるだけ速く歩けるパターンを編み出します。


なお、Hexapodが実際に壊れた脚で歩行を試みて、最終的にまっすぐ歩き始める実験ムービーは以下から確認することができます。

Supplementary Video S1 for "Robots that can adapt like natural animals" - YouTube


これが実験に使われたHexapod。


全ての脚が正常であればまっすぐ歩くことができます。


1本の脚が少し損傷した状態で歩かせてみると、くるりと180度旋回してしまいました。


そこでHexapodはインプットされている複数のパターンを試みて……


24秒後には完全にまっすぐではないものの、5本の脚で歩くパターンを編み出しました。


別の部位がポッキリ折れた状態でも……


27秒後にはまっすぐに進むことが可能になりました。


また、これらの歩行パターンのシミュレーションムービーは以下から見ることができます。

Supplementary video S2 for "Robots that can adapt like natural animals" - YouTube


まずは6脚全てが正常な歩行パターン。


1脚の出力が10%減少した状態では以下のように少しジグザグになりながらも、残りの脚を駆使して歩行しています。


2脚以上を破損した状態のパターンもそれぞれ記録されています。


全ての脚に異常がある場合では……


なんとひっくり返って「肘」に当たる部分を駆使して進むというパターンまでありました。これらのアルゴリズムは足を失った動物が知的な試行錯誤を繰り返す様子を応用したものとのこと。


工業用のロボットなどはその場から動かないため大きな問題ではありませんが、ホームロボットが実現される時代には重要な役割を果たす技術となりそうです。

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in ハードウェア,  サイエンス,  動画, Posted by darkhorse_log