レビュー

お湯を沸かせば最大3つのデバイスを充電できる10W発電鍋「The PowerPot X」レビュー


キャンプなどの野外で電源がない場所でも、鍋に水を入れて熱源に置けば最大10Wの出力でタブレットや複数のデバイスを充電できる鍋型発電機が「The PowerPot X」です。2013年の末にKickstarterのプロジェクトに出資したところ製品が到着したので、実際に使って性能を試してみました。

The PowerPot X | Power Practical
http://www.powerpractical.com/power-pot-x

このような黒い巾着袋に入って「The PowerPot X」が到着。


フタを開いてみるともう1つ袋が出現。


Kickstarterで「The PowerPot X(2.3リットル)」と「The PowerPot XL(3.8リットル)」に出資したため、2つの製品がマトリョーシカのように重なって入っていたわけでした。


説明書によると、アルミ製の鍋底の中に電熱モジュールが内蔵されており、水を入れて鍋を火にかけた時の温度差で発電する仕組み。熱源はキャンプファイヤー・キャンプ用バーナー・ガスコンロ・薪ストーブなど、熱を持つものならなんでもOKとのこと。


鍋の中には「空だき禁止」の注意書きが入っています。


鍋1つにつき「充電用3つ股ケーブル」と、電流が一目で分かるLEDがついた「接続用ケーブル」が付属。


3つ股ケーブルの端子はMicro-USB、Apple30ピンコネクタ、Mini-USBとなっています。Lightning端子はないのでiPhone 5以降のiOSデバイスは充電できませんが、Android端末やMini-USBで充電するGoProやモバイルバッテリーなど最大3つまでのデバイスを1度に充電可能。


折りたたみ式の鍋の取っ手の真ん中には接続端子がにょきっと出ています。


使用するためには端子の先に接続ケーブルの端子を「+に+」、「-に-」と合わせて差し込みます。


反対側はUSB端子の差込口になっているため、三つ叉ケーブルを接続して準備完了。


◆炭火で使ってみた
ガスコンロなどでも使えるわけですが、キャンプで定番のBBQを想定して、簡易コンロを組んで炭火の熱で充電できるかを試してみます。


鍋に水を入れて……


ケーブルを接続したThe PowerPot Xを網の上に置きます。直に焼けた炭の上に置いてもOK。


1~2分すると、接続用ケーブルのインジケーターが緑色に点灯しました。


バッテリーを空の状態にしたNexus 7に接続したところ、ディスプレイに充電マークが表示されました。


30ピンコネクタで同じくiPodを挿しこんでみると同じく充電を開始。


さらにGoPro HERO 3も問題なく充電できました。


最大出力は10Wなので、スマートフォンやiPodなどであれば複数同時に充電することも可能です。ボコボコにお湯が沸いても充電が止まることはないのが便利なところ。


三つ叉ケーブルをLightningケーブルに変えてみたところ、iPhone 5でも充電することができました。


ただし、かなりの頻度で「このアクセサリは使用できません」と表示されて充電できないこともしばしば。iPodでも表示されることがあったので、一部のiOSデバイスの充電はあまり期待できなさそう……。


さらに「水以外のものでも充電できるのか?」ということで卵を調達。


The PowerPot Xに卵を3つ投入して火にかけてみます。


なんとインジケーターが点灯して充電を開始。800個のジャガイモとリンゴでスマートフォンをワイヤレス充電するというプロジェクトが存在しますが、3つの卵で3つのデバイスを充電する、というのもなかなか見られない光景です。


しばらくしておいしそうな目玉焼きができあがると……


卵が固体化したためか、給電がストップしてしまいました。鍋としては問題ない性能ですが、卵で充電するのは時間が短すぎるため良案ではありません。


以下のようにお肉などを焼きつつ、隣にThe PowerPot Xを置いてお湯でレトルト食品を温めたり、パスタを作ったりと調理も可能でアウトドアでかなり重宝しそうな製品。……なのですが、よく見るとタブレットのバッテリー残量が増えていない様子。


そこで炭火の火力が弱かった可能性があるため、安定した熱源としてガスコンロで再度Nexus 7を充電してみることに。


まずは問題なく充電を開始。


充電開始時のバッテリー残量は30%。


10分後に見てみると、なんと28%に減少していました。


比較のためNexus 5でも確認してみます。充電開始時のバッテリー残量は12%。


5分後に見ると13%に上昇しているため問題ナシ。念のためThe PowerPot XとXLの両方で試してみましたが結果は同じでした。複数のデバイスは充電できていたので、10W近くの出力は出ているようなのですが、タブレットを水と火だけで充電するのはなかなか難しいのかも……。


それでも電源がないアウトドアでは、火にかけておくだけでスマートフォンを充電できるのは心強い味方。アウトドアやキャンプ好きなら1つは持っていても損はない製品となっていました。なお、USBポートが2つになったThe PowerPot X(2.3リットル)製品版は以下のページから219ドル(約2万2000円)で購入可能です。

The PowerPot X | Power Practical
http://www.powerpractical.com/power-pot-x

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in レビュー,   ハードウェア,   , Posted by darkhorse_log

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