取材

Fate/stay nightは凛ルートをアニメ化&「Heaven’s Feel」映画化&「Fate/Grand Order」今冬開始など「Fate Project最新情報発表会」レポート


「Fate/Zero」を作ったufotableによって「Fate/stay night」が再度アニメ化されることが発表されてから約1年が経った本日・7月27日、「Fate/stay night」やFate関連作品の情報をどこよりも早く発表する「Fate Project 最新情報発表会」が開催され、「Fate/stay night」のルートが「Unlimited Blade Works」、通称・凛ルートであることなど多数の新情報が明かされました。

「Fate/stay night 」TVアニメ公式サイト
http://www.fate-sn.com/


Fate Project 最新情報発表会 生中継 - 2014/07/27 18:00開始 - ニコニコ生放送
http://live.nicovideo.jp/gate/lv185409408


会場となったのは品川インターシティホール


ホール内は言峰教会風の飾り付けで、魔法陣がふわふわとライティングされていたり、令呪が浮かび上がっていたり。5000名以上の中から抽選で選ばれた500名のマスターが会場を埋めました。ちなみにこれは開場直後、人が来る前の状態で、イベント時は2階席まで埋まりました。


この日発表されたのは「3大プロジェクト」。

◆1:Fate/stay night
その1つ目が、新たな「Fate/stay night」で、監督の三浦貴博さん、キャラクターデザインの須藤友徳さん・田畑壽之さん、プロデューサーの近藤光さんが見所などを語りました。ちなみに、進行は言峰神父風の格好をした中田譲治さんと、神父助手としてアニプレックス・高橋祐馬さんが担当。まずは中田さんが祈りを捧げるところからイベントはスタート。

「Fate/stay night」の再アニメ化は2013年7月に明かされたもので、その内容がどうなるのかについては長らく伏せられてきましたが、本日のイベントの中で、ルートが「Unlimited Blade Works」(凛ルート)であることが発表されました。

放送は10月4日(土) 24時からTOKYO MX、とちぎテレビ、群馬テレビ、BS11にて開始。niconicoでは同じ4日の25時から配信がスタートします。ちなみに2クール作品で、2015年4月からシーズン2が放送される放送されることも明かされました。

©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

この発表には衛宮士郎役の杉山紀彰さん、セイバー役の川澄綾子さん、遠坂凛役の植田佳奈さん、アーチャー役の諏訪部順一さん、間桐桜役の下屋則子さんも同席。諏訪部さんはアーチャーを意識したような真っ赤なジャケットを着用し、この新作のキービジュアルをいたく気に入った様子でした。

今回、Fate/stay nightの制作を担当するufotableの近藤光さんに、色々とお話を伺ってみたのがこちら。事前にお話を伺っているので、PVの情報などは明かされていなかったりします。

GIGAZINE(以下、G):
ufotableでは「空の境界」「Fate/Zero」とTYPE-MOON原作の作品のアニメ化を担当していますが、「Fate/stay night」についてはどういう経緯で担当することになったんですか?

近藤プロデューサー(以下、近):
「Fate/Zero」を作った時点では「Fate/stay night」をやることは決まっていなくて、「ZeroはZeroで」とだけ考えていたんです。でも、作っているうちにユーザーから期待の声が高まってきたことを感じていました。ちょうどそのタイミングで、TYPE-MOONの武内崇さんから「Zeroの向こう側としてのstay nightの映像を見たい」ということでPS VITA用ソフト「Fate/stay night [Realta Nua]」のオープニング映像を作って欲しいと依頼を受けました。製作時期がZeroの終盤と重なってしまって、一瞬「無理っ!」と思いましたが、「TYPE-MOON10周年記念でやりたい」とお願いされたら、それはもう「頑張って作ります」と言うしかない(笑)

その10周年のフェスに呼ばれて顔を出してみたら、ものすごい歓声と反応があったんです。実は前から「stay nightを作らないか」という話がなかったわけではないけれど、フェスでの反応を見たりする中で「ここまで求められるのであれば、やろう」と。素直にありがたいと思いました。武内さんと僕とアニプレックスの岩上さんと、3人で集まって話をする機会が度々あるんだけど、その時に気持ちを伝えました。これはスタッフやファンの方含めて、みんなが積み上げてきた結果としてこうなったもので、Zeroの時点では予測していなかったことです。

G:
そうして発表されたufotable版のFate/stay nightですが、第1弾のPVが約3分あって、長めの印象を受けました。PVを作るときは、最初から長いものを作ろうと決めていたのか、それとも作っているうちに長くする必要が出たのでしょうか?

近:
PVは本編を見てもらうためだったり、興味を持ったりに制作するものが前提です。それをクリアしつつ、「Fate/stay night」に至る僕らのプロセスも入れ込みたかった。裏テーマです。見ている人には直接関係はないものの、Zero→Realta Nua→stay nightと映像を繋げることで、アニメ化が決まるまでの経緯が映像になっています。

27日のイベントで公開されるPVは第1弾・第2弾とはまったくの別物で、見てもらうと「ああ、こうして、こっちのルートになるのか」というのがわかるようになっています。

G:
たまに本編には出てこない絵を使った「嘘PV」「嘘予告編」みたいなものがありますが、今回のPVはどうなのでしょうか?

近:
基本的にPV用の絵を描いたりすることはなく、本編中に出てくるカットを使っています。

G:
マチ★アソビなどで「すでに作業にかかっている」ということ、「全話劇場版並のクオリティ」ということが語られている本作ですが、放送時の素材は完全版なのでしょうか。放送されたものとBlu-rayで収録された映像を見比べると修正が入っているという作品もありますが……。

近:
それはなんともいえないですね……というのは、僕たちはやはり作り手の性として、納品直前まで少しでもクオリティを上げようとしてしまうから(笑)。それこそ、放送局の人やメーカーのプロデューサーが「バッチリOKですよ」と言ってくれていても、ここをもう少し良くしたい、こっちも良くしたいと思ってしまうので。

G:
それは見て分かるレベルのものですか?

近:
パッと見ただけでは気付かないところばかりかもしれません(笑)

Q:
今回、「Fate/stay night」を作っていく中で、事前の予想よりも困難だった点は何ですか?また、うまくいった点はありますか?

近:
「Fate/stay night」をアニメ化するということで、「今の時代のstay night」を作る、この時代にstay nightを作る意味とは何なのか。これはスタート時に相当、考えに考えましたね。スタッフたちはどんどんと経験を積み重ねていて、たとえば「空の境界」の時に入った人が作画監督になっていたりして、よりよい環境が作れていっているんじゃないかと思います。また、スタッフもFate/Zeroから引き続いて作品に関わっていくことで、どんどんとFateという作品への理解度が上がっていっています。そこは、うまくできているところなのではないかと思います。

G:
ちなみに、一番苦労した、苦労しているスタッフはどなたですか?

近:
みんな苦労しているし、頑張ってますよ。これは本当にそう思います。いい作品に近づいていってると思います。
ぜひ放送を楽しみにして下さい。

◆2:All AROUND Fate
プロジェクト2つめは「All AROUND Fate」。

かつて作家の成田良悟さんがエイプリルフールのネタとして公開した、「偽の」聖杯戦争にまつわる物語「Fate/strange fake」は、その完成度から公式スピンオフとして加筆されてTYPE-MOONエースVol.2に収録されましたが、今年の冬に電撃文庫からノベルが刊行され、森井しづきさんによる描き下ろしコミカライズも同時始動することに。

©TYPE-MOON

また、現在放送中の「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!」は9月26日にBD・DVD第1巻が発売。原作コミックも9月26日に第5巻が発売されることになっており、さらに2015年4月25日発売予定の第6巻にはオリジナルアニメ ブルーレイディスク付き限定版があります。

©2014 ひろやまひろし・TYPE-MOON/KADOKAWA 角川書店刊/「プリズマ☆イリヤ ツヴァイ!」製作委員会

「Fate/stay night」の後日譚であり、事実上の続編にあたる「Fate/hollow ataraxia」はPS Vita版が11月27日に発売されます。この中には完全新作の対戦型タワーディフェンスゲーム「カプセルさーばんと」が収録されています。

©TYPE-MOON / KADOKAWA

そして、作家・東出祐一郎によって書かれたスピンオフ小説「Fate/Apocrypha」は最終刊の第5巻が今冬発売予定。「Fate/stay night」の60年以上前に行われた第三次聖杯戦争が史実通りに行われなかった並行世界では、物語はどういった結末を迎えるのか。

©TYPE-MOON

◆3:Fate/Grand Order
最後に発表されたプロジェクトが「Fate/Grand Order」です。かつて、Fateには「Fate Online Project」という諸般の事情でなくなってしまったプロジェクトがあったのですが、Fate/Grand Orderはそのプロジェクトがリブートしたもの。中身はTYPE-MOON作品として過去最大規模のスマートフォン向けRPGで「新たな『Fate』RPG」だとのこと。

©TYPE-MOON / FGO PROJECT

対応OS・ハードはiOS6以降(iPhone5以降・iPad 第三世代以降・iPad mini Retina以降・iPod touch 第五世代以降)とAndroid2.3以降の推奨端末(※メモリ1GB以上の端末、タブレット端末対応)。開発はDELiGHTWORKSが担当していて、リリースは今冬予定。料金は基本無料・アプリ内課金あり。

◆4:Heaven's Feel
3大プロジェクトの発表が行われた後は杉山さんたちからのメッセージがあってイベントは終了……かと思いきや、再び神父姿の中田さんが現れ、欲深いマスターたちのために、さらなる発表を行いました。

流れたムービーの中で明らかになったのが「Heaven's Feel」(桜ルート)が劇場アニメ化されること。Fate/stay nightのPV第2弾と似たようなイントロの映像だったので、最初は静かだった客席ですが、「もしわたしが悪い人になったら許せませんか?」という間桐桜のセリフが流れた瞬間にHeaven's Feelであることが分かって大きな拍手が鳴り響き、さらに最後に劇場版であることが明かされた瞬間には割れんばかりの拍手と歓声が沸き起こりました。

「Fate/stay night」Heaven's Feel PV01 - YouTube


公開時期などについてはまだ発表されていませんが、Fate/stay night10周年はテレビアニメ「Unlimited Blade Works」、劇場版アニメ「Heaven's Feel」で彩られることになります。

登壇者勢揃いの1枚。ここからのFateの動きは目が離せません。

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in 取材,   映画,   アニメ, Posted by logc_nt

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