レビュー

7秒で爆速起動・ウェブもサクサクの日本上陸一番乗りChromebook「Acer C720」速攻レビュー


3万円を下回る低価格で快適なウェブ閲覧ができ起動・シャットダウンも爆速でOSアップデートもウイルス対策ソフトも不要というChromebookはアメリカで発売されるや否や大人気となり、今やWindowsのOSシェアを脅かす存在にまで急成長しています。そんなChromebookとして日本で最初に発売された「Acer Chromebook C720」を借りることができたので、速攻で使ってみました。

Acer | 国内初のChromebookを発表!法人と教育機関に向けてChromebook C720を2014年7月16日(水)より発売
http://www.acer.co.jp/ac/ja/JP/press/2014/79507

外観チェック
Acer製Chromebook「C720」がGIGAZINE編集部にやってきました。


さっそく開封。


中身はC720本体・ACアダプター・電源コードのみと超シンプル。


C720の第一印象は、ごく普通のノートPCというもの。


サイズは横28.8センチ×奥行き20.4センチ×厚さ1.905センチで重さ1.25kgで、11型のノートPCとして特別小さくも軽くもないという感じ。


しかし「Chrome」のロゴマークを見て、これがWindows機ではないことを実感。


ヒンジ部分にはCPU冷却のための排気ダクトがあります。


裏面はこんな感じ。


排気用ダクトが開けられており、CPUクーラーのヒートパイプも確認できます。


内部がどんな構造なのか確認したいところですが、この「acer」マークの封印を破らないと裏面のカバーは取り外せないので断念。


裏面手前の両サイドにスピーカーがあります。


左サイドにはACジャック・HDMIポート・USB3.0ポート・イヤホンジャック。


側面手前には右側にインジケータランプのみ搭載。


右サイドはSDカードスロット・USB2.0ポート・盗難防止鍵用のセキュリティスロット。


開くとこんな感じ。ディスプレイは11.6インチの非光沢パネルでLEDバックライトを採用し、解像度は1366×768。


ベゼル上部のフロントカメラは640x480の30万画素。


C720はCPUに第4世代Intel Coreプロセッサ・Celeron 2955U(1.4GHz・デュアルコア)を搭載し、メモリは4GB、ストレージは16GBのSSDとネットブラウジングには十分過ぎるくらいのスペック。


横から見るとこんな感じ。C720の強烈な薄さがよく分かります。


キーボードはまずまず広めのキーピッチ。


Enterキーはやや小さめ。


その薄さのせいでキーストロークは浅めですがペコペコ凹むわけではなく、カチャカチャと小気味よく入力でき打鍵感は悪くありません。


C720はタッチパッドの下側がクリックボタンになっており、右クリックの設定はなし。


セットアップ
C720を起動させるとこのようなセットアップウィンドウが起動します。


「ネットワークを選択」のタブをクリックして、接続先のネットワークをクリック。


パスワードを入力して、「接続」をクリック。


接続されたのを確認したら、「続行」をクリック。


ウィンドウ左にあるチェックボックスのチェックを外して、「同意して続行」をクリック。


Googleアカウント情報として登録メールアドレスとパスワードを入力後、「ログイン」をクリック。


ログイン画面のアカウントアイコンを選んで、「OK」をクリック。


「使い方ガイド」をクリック。


チュートリアルが始まり画面に指示が出るのでそれにしたがって操作方法を確認します。確認したら「次へ」をクリック。


さらに「次へ」をクリック。


「さらに確認」をクリック。


ヘルプウィンドウが立ち上がり、詳細な使い方を調べられるようになります。ウィンドウを閉じてヘルプを終了するには、右上の「×」マークをクリックすればOK。


使ってみた
さっそくC720を使ってみます。使い始めてすぐに気付くのは、シャットダウン・通常起動・スリープからの回復が爆速であるということ。この速さはSSDを使ったとしてもWindows機では不可能なレベルです。C720の起動速度がどれほど速いかは、以下のムービーを見れば一発で分かります。

Acer「Chromebook C720」の通常起動&スリープ回復は爆速 - YouTube


ログイン画面までたしかに「7秒」で起動しています。キーボード右上の「電源キー」を押し続けるだけで約3秒でシャットダウンでき、起動はもちろん7秒でOK。ディスプレイを閉じるだけで使えるスリープモードからの回復は1秒未満と、Chromebook C720の起動速度は超高速であることが確認できます。


また、Wi-Fiをつかむ速度も爆速で、起動後、Google Chromeを立ち上げるまでには保存されたWi-Fi電波の取得は完了している場合がほとんど。このWi-Fi取得のスピードは、有線LANポートがなくWi-Fiしかネット接続が出来ない純粋なモバイル端末であるChromebook C720の使い勝手をみじんも損ねていないと言えそうです。

これがChromebook C720のトップ画面。画面左下に「Apps」「Google Chrome」「Gmail」「Google 検索」「Google ドキュメント」「YouTube」アイコンが並びます。「Google Chrome」をクリックすると……


Googleアカウントにログインした状態でGoogle Chromeが起動します。なお、Chromebookはウェブブラウザとして利用できるのはChromeのみです。


Chromeでは上部にあるテキストボックス(Omnibox)にサイトアドレスを入力したりキーワードを入力して検索したりします。OmniboxにGIGAZINEのURLを入力してGIGAZINEのトップページを表示させるとこんな感じ。


ブックマークを表示するツールバーを表示させるには画面右上の「設定」アイコンをクリックして、「ブックマーク」→「ブックマークバーを表示」を押せばOK。


また特定のページにブックマークを付けるには、Omnibox右の☆アイコンをクリックして、ブックマークの名前を入力して「完了」をクリックすれば、ブックマークバーにブックマークを登録することができます。


Chromebook C720がどれだけサクサク快適なブラウジングが可能かは以下のムービーを見れば一発で理解できます。

Acer「Chromebook C720」でGIGAZINEをサクサク・ぬるぬる閲覧する様子 - YouTube


GIGAZINEの通常記事よりもはるかに多い200枚以上の画像を掲載した記事でも画像を高速に表示することができています。また、YouTubeのフルHDムービーの再生も楽々こなすことが可能です。

Google Chromeというウェブブラウザ自体がOSという特殊なノートPC・Chromebookには、キーボードにさまざまなショートカットキーが割り当てられています。ショートカット一覧を確認するにはキーボードの「ctrl」「alt」「?」キーを同時に押して、「ctrl」や「alt」キーを押せばショートカット割り当て一覧を表示可能です。これは「ctrl」と組み合わせて使うショートカットキーの一覧。「ctrl+Enter」で「www.と.comを追加してアドレスを開く」などかなり特殊なキー入力までカバーしていることが分かります。


「shift+ctrl」と組み合わせるショートカットキーはこんな感じ。「Unicode文字の入力」や「投影タッチHUDを切り替える」など、通常頻繁には使わない様なプロ仕様のショートカットが確認できます。


まとめ
Chromebook C720でのネットブラウジングは、イライラさせるひっかかりもなく画像の表示速度も良好で、YouTubeなどのムービーもしっかり再生できることから、まったくもって不満のないレベルです。

ウェブブラウジングを続けていてもファンが高速回転することはなく、日常生活の生活音に打ち消されるレベルの音しか発生しないため、ファンの騒音に悩まされることはありませんでした。また、フル充電から2時間強のネットサーフィン後で70%のバッテリー残量表示であることから、通常のネットブラウジングでは少なくとも6時間は連続使用できそうです。

ChromebookはウェブブラウザGoogle ChromeをベースとしたOSであるため、Windows機で必須のOSアップデートやウイルス対策ソフトは一切不要。ネットに接続しているだけで、バックグラウンドで自動的に最新の状態に更新してくれるため非常に便利です。

Chromebook C720を使ってみて感じたことは、これは新世代の「ネットブック」であるということ。2007年にASUSがリリースした「Eee PC」を皮切りにインターネット接続に機能を絞ることで低価格なノートPCが次々に登場し、一大ネットブックブームが到来しました。しかし、低価格ゆえに低スペックが当たり前、快適なウェブブラウジングにはほど遠いネットブックは、ノートPCの価格低下と高性能化が進み、新たにタブレット端末などのモバイル端末が登場するといつしか見向きもされなくなり、市場から消えていきました。

今回のChromebookはいわばネットブックの再来とでも言うべきPCです。しかし消えていった旧世代のネットブックとまったく違うところは、「必要十分なスペックを持ち、Chromebookよりもはるかに高価なノートPCに見劣りしない快適なウェブブラウジングが可能である」ということ。しかも7秒で起動できるなど、高級WindowsノートPCでさえ不可能な芸当をこともなげにやってのけるなど、性能面で上回る部分さえ有るというわけです。

Acer Chromebook C720は、日本では現在のところ法人・教育機関にのみ販売され一般の店頭販売はなし。しかし、日本に先駆けてC720を発売したアメリカでは、C720は350ドル(約3万6000円)で販売中で、2GBメモリのモデルに至っては200ドル(約2万円)以下の価格がつけられています。

Acer Chromebook C720は、どんなWindowsノートPCよりも高速で起動・シャットダウンすることができ、ウェブブラウジングの速度もWindows採用の高級マシン相手でも遜色なし。面倒なOSアップデート作業もウイルス対策さえも一切不要であることから、お年寄りを中心として数多くいる「ネットブラウジングを簡単に快適にできれば良い」というライトユーザーにはもってこいのマシンと言えそう。AcerがChromebook C720を一般販売に踏み切ることを期待せずにはいられません。

◆追記
C720の一般販売が2014年11月13日からスタートしました。

C720 | ノートブック - 最強の 11 インチ Chromebook | Acer

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in レビュー,   モバイル,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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