Amazonが無断アプリ内課金の対策不足を指摘されるも改善を断固拒否して法廷闘争へ

By Arielle Nadel

消費者保護を目的とするアメリカの政府機関・米連邦取引委員会(FTC)が、Amazonに対して「親に無断で子どもがアプリの有料オプションを容易に注文できてしまう状態を放置している」として、不正に課金したアプリの費用の返還を求める訴訟を提起したことが明らかになりました。

FTC Alleges Amazon Unlawfully Billed Parents for Millions of Dollars in Children’s Unauthorized In-App Charges | Federal Trade Commission
http://www.ftc.gov/news-events/press-releases/2014/07/ftc-alleges-amazon-unlawfully-billed-parents-millions-dollars

FTC sues Amazon for letting children rack up in-app purchase bills | The Verge
http://www.theverge.com/2014/7/10/5887765/ftc-sues-amazon-for-letting-children-rack-up-in-app-purchase-bills

FTCは消費者から「Amazon製タブレット端末Kindle Fireのゲームアプリで、子どもが親に無断で有料課金オプションを利用してしまい、多額の請求を受けている」という苦情が多く寄せられたことから調査を行ったところ、Kindle対応アプリでは、有料課金オプションを購入するためにパスワード入力が求められない仕様であり、普段、AmazonアカウントでログインしているKindle Fireなどのモバイル端末であれば、子どもが親に無断で簡単に有料サービスを利用できる状態であることが分かりました。

FTCの調査によると、2011年にAmazonがアプリ内課金サービスをスタートさせたころからゲームアプリの有料オプションには一切のパスワードが不要な状態であり、2012年にAmazonは20ドル(約2000円)以上の有料課金についてはパスワード入力が必要な仕様に改めたものの、依然として20ドル未満の課金についてはパスワードの入力は必要ない状態であったとのこと。

By Pedro Vera

また、FTCは訴状で、Amazonのゲームアプリの課金方法が、Amazonコインなどの仮想通貨や「ドングリ」「お星様」といった有料アイテムで支払うというスタイルが用いられているため、子どもが有料サービスであると認識することは困難であることを指摘しています。なお、Amazonはアプリ内課金についてアプリ作成者から30%の手数料を徴収していることから、FTCはアプリ作成者を管理するサービス提供事業者として、Amazonに有料課金についての運用改善を求めたというわけです。

子どもが親に無断で有料アプリサービスを利用して多額の金銭を請求されるというトラブルは頻繁に起こっており、FTCはAmazonだけでなくAppleやGoogleに対してもアプリストアの運用を是正するようたびたび改善命令を出しており、Appleは2014年1月に、3万7000人の顧客に対して合計3250万ドル(約33億円)の払い戻しに応じることでFTCと和解しています。

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FTCはAmazonに対して、「有料課金を行う場合にはその旨を告知し、パスワード入力などの明示的な同意を求めるよう運用を変更すること」を勧告し、実行されない場合には訴訟も辞さないという強い姿勢で改善命令を行ったところ、Amazonは2014年7月1日にFTCに対して「法廷で自社のサービスの正当性をアピールする」という書簡を送り、断固拒否しました。

FTCはこの対応を受けて、不正にアプリ内課金によって請求した金銭の返還を求めて2014年7月10日に正式にAmazonを提訴したというわけです。Amazonは苦情を訴えた顧客には速やかに返金措置を行っていると主張していますが、FTCは、Amazonが不正なアプリ内課金による払い戻しを求める手続きの方法を顧客に明確に説明していないことがさらなる混乱を生んでいると指摘しています。

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