取材

ビル丸ごとが実演の場というシュナイダーエレクトリック大阪ビルディングのショールームで最新機器の数々を見てきました


ICT(情報通信技術)を用いて工場や家庭のエネルギー使用を管理・最適化するエネルギーマネジメントシステム(EMS)は、東日本大震災以降、さらに注目を集めています。そんなエネルギーマネジメントに関して、ビルマネジメント・メガソーラーなどで世界をリードするシュナイダーエレクトリックが、ビル管理システムやサーバー機器などを一同に展示するショールームを新設したので見学してきました。

シュナイダーエレクトリック ホームページ - Schneider Electric
http://www.schneider-electric.com/site/home/index.cfm/jp/

大阪市中央区北浜にあるシュナイダーエレクトリック大阪ビルディングに到着。


中に入ると……


報道向け説明会用のセミナールームが用意されていました。


もうすぐ説明会が始まります。


セミナールーム奥にはショールームへの扉が開いていました。さっそく中へ入ってみると……


いきなり巨大な黒い箱が登場。


これはデータセンター向けのUPS「Symmetra PX250/500kW」。最大4ユニットのパワーフレームと呼ばれるケースにUPS本体・バッテリ・電源などを構成できる様になっています。高さ200センチ×横180センチ。


裏面はこんな感じですっきりしています。奥行きは107センチ。


左から蓄電池ユニット。停電などの電源供給が失われた場合にUPSに電力を供給します。


中はこんな感じ。


下2段にモジュール型のバッテリがあり、パワーモジュールを自由に追加することでサーバーの容量アップにも対応することが可能。


左から2番目がUPS本体を収納するユニット。


UPSもモジュール化されており、モジュール一つで25kWでホットスワップも対応。例えばこれを12個使って250kWのUPSの構成で使う場合、すべてのUPSが80%で稼働しつつ、UPSが同時に2台壊れた場合でも250kWのUPSとしての機能を維持できるとのこと。もちろん、データセンターのサイズアップにもモジュールを追加していくことで対応でき、規模に応じた構成にすることで、イニシャルコスト・ランニングコスト(電気代)を最適化できます。


右から2番目がI/Oフレーム+インテリジェンスモジュールで、UPSシステム全体を管理。


「見える化」されています。


右端には入出力保守バイパスユニット。


巨大なUPSユニットの奥には、さらに巨大な黒い箱……というよりは部屋。


ガラスの扉から中を見るとロッカールームのような通路があり。


通路の天井はこんな感じで半透明です。


上下に鍵。


部屋の上にはセキュリティ用のカメラ。セキュリティ対策は万全。


これは通路をはさんで左右にサーバーシステムを配置し、両方向から冷気を排出することで低温に保つことができるクーリングシステム「InfraStruXure」。


写真の右端のサーバーユニット前面から空気を吸って……


ロッカールームの通路に送り込み、送り込まれた熱い空気は、すぐ横のユニットに吸い込まれる仕組み。


この「InfraStruXure InRow RC」という水冷冷却装置によって空気から熱を奪い、熱は建物外へ排出。残るのは冷えた空気なのでサーバールーム内に放出し、再びサーバーラックに吸気される、というサイクルになっています。サーバーの真横に置くことで、高温の空気の移動経路を最小限にすることで、大幅な電力削減に成功しているとのこと。


サーバールームの状況を一元管理するシステムも展示されていました。


世界中のサーバーを1台1台管理できます。高度なシステムに精通する技術者が特定の場所から、世界中のサーバーシステムを把握し、適宜、各国のサーバールームに指示することが可能とのこと。


シュナイダーエレクトリックは太陽光発電システムにも参入。


これはメガソーラーの模型。


コンテナが見えます。


これは、メガソーラーで必要な集電箱・インバーター・変圧器・配電盤を一つのコンテナに集約した「PV Box」。広いスペースが必要で、工事のために工期や人件費がかさむ従来型のメガソーラー設備をわずか数時間で設置できるというもの。


データセンターで使われるPower Distribution Unit(PDU)という製品。


つまりサーバー用の高性能電源タップです。


トンデモナイ数の電源コネクタ。


PDUはネットワークに接続され、各電源ケーブルの電力・電圧・電流を計測し監視することが可能。「AP8841」は世界で最も売れているPDUとのこと。


小型のUPS「Smart-UPSシリーズ」もずらりと展示。


SMX3000RMJ2U


SMT1000J


SMT500J


BR1000G-JP


BR550G-JP


意外なところでビルの照明もシュナイダーエレクトリックは手がけています。


照明装置はITを駆使して遠隔作業が可能とのこと。


機器の交換タイミングさえ見える化。


「見える化」の流れは工作機械にまで及んでいます。


これは産業用機械の状況を、ディスプレイに表示するデモ。


「産業用ロボットの状況を遠隔地からタブレット端末で把握する」ということも可能になります。


ショールームを見学した後、シュナイダーエレクトリック大阪ビルディング設立の経緯について説明してもらいました。

シュナイダーエレクトリックの2013年売り上げは240億ユーロ(約3兆3000億円)、世界経済フォーラムの「世界で最もサステイナブル(持続可能)な企業」ランキングが4000社中で第10位とのこと。


産業用タッチパネルでトップシェアを誇る株式会社デジタルと2002年に資本提携し産業向けビジネスにも注力。なお、株式会社デジタルはシュナイダーエレクトリック大阪ビルディングに本社を移転しています。


今回、シュナイダーエレクトリック大阪ビルディングは、シュナイダーエレクトリック・株式会社デジタルのビジネス向け製品を一挙に展示するショールームとしてオープン。ビルディング事業・ソーラー事業・IT事業・産業製品のデモ拠点として活用していくとのこと。いわば、ビル全体がサービスの見本というわけです。


デモンストレーションビルであるシュナイダーエレクトリック大阪ビルディングは、受変電・配電・制御・監視設備はすべて自社製品を導入。エネルギーの見える化によって電力消費量を分析することで省エネルギー化を実現しているとのこと。


防災センターとしての機能も持つシュナイダーエレクトリック大阪ビルディングには、ビル中央監視制御システムを完備。ビルのあらゆるシステムを一括管理できるようになっています。


さっそくビル中央監視制御システムも見学させてもらいました。


10平米ほどの非常に狭い部屋に制御システムが入っており……


このモニターで常に監視。


グラフで電力ピークも分かりやすく表示できます。


監視カメラの映像は小型のサーバーで管理。驚くほど小さな部屋で、ビル全体を把握できるようになっていました。

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in 取材,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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