メモ

2010年に注目されたスタートアップのトップ50はその後どうなったか?


起業にかかるコストが激減したことで、新規に会社を立ち上げることは難しいことではなくなり、毎年ものすごい数の会社が新しいアイデアをもって挑戦を繰り返しています。近年起業したスタートアップは、その後大企業に買収されたり、あえなく散っていったり、さまざまな結末を迎えており、自分好みのデスクトップを作成できるサービス「Symbaloo」のブログに「2010年の注目スタートアップのトップ50」という記事を寄稿したLouis Grayさんが、トップ50に選んだスタートアップのその後を公開しています。

louisgray.com: 50 Top Startups from 2010: Acquired, Pivoted or Still Going?
http://blog.louisgray.com/2014/06/50-top-startups-from-2010-acquired.html

◆01:Foursquare


付近にいる友達と位置情報を共有するというSNSだったFoursquareは、チェックインやSNS機能を「Swarm」という新しいアプリに移行させ、現在地付近のオススメ情報や飲食店などをユーザーに提供するサービスへと一新。Grayさんによると、2010年にFoursquareより活気のあったスタートアップはいませんでしたが、その後はユーザーにサービスの方向性を明示できていないとのこと。

Foursquare、およびSwarmの詳しいサービスの内容やアプリの使用方法は下記の記事から確認できます。

オススメ場所検索の「Foursquare」と位置情報共有の「Swarm」を実際に使ってみました - GIGAZINE


◆02:Spotify


Spotifyは2010年にはアメリカに進出していなかったのですが、その後に大きな成長を遂げて、2014年に社員数は1000人を超え、音楽ストリーミング市場をリードする起業になりました。AppleがBeats Musicを買収したり、GoogleがSongzaを買収したりするなど、2014年に入って大手企業が参入してきた音楽ストリーミング市場で、Spotifyがどのように立ち振る舞うのか注目です。

Spotifyが音楽ストリーミングを通じて、音楽業界にどのような影響を与えたかは、下記の記事を見るとわかります。

音楽ストリーミング「Spotify」はどうやって音楽業界に貢献しているのか? - GIGAZINE


◆03:Automattic


オープンソースのブログソフトウェアWordPressを提供するAutomatticは250人の社員を抱え、IntenseDebateといったサービスを買収するほどの企業に成長しました。大企業とはまだ言えませんが、ブログやフル機能を備えたサイト作成といった業界をけん引する存在です。

Automatticのマット・マレンウェッグCEOは2014年6月7日に来日して基調講演を行っており、その時の様子は下記の記事から確認可能です。

WordPressの創始者マット・マレンウェッグが来日、WordPressとウェブの未来について語りました - GIGAZINE


◆04:Posterous


ブログサービスのPosterousは2012年3月にTwitterによって買収され、2013年2月にサービスが終了しました。

◆05:Blippy


買い物履歴の共有サービスであるBlippyは、当初こそ斬新なサービスがユーザーの心に刺さったものの、その後はパッとせず、2014年ではアニメーションGIFメールの作成・送信を行うサービスに変わっています。

◆06:SlideShare


スライドホスティングサービスのSlideShareは、2012年にビジネス向けSNSのLinkedInに1億1900万ドル(約120億円)で買収され、2014年現在はLinkedInのサービスと統合されています。

◆07:Tumblr


すさまじいトラフィックを誇った写真共有サービスのTumblrは、2013年に11億ドル(約1100億円)でYahoo!によって買収されました。11億ドルという買収金額は、Yahoo!のマリッサ・メイヤーCEOが行った買収の中でも過去最高の金額であるとのこと。

◆08:TweetDeck


TwitterやFacebookといった複数のSNSのマルチポストやフィルタリング表示を可能にしたTweetDeckは、2011年にTwitterによって買収され、2014年現在はTwitterの公式クライアント・アプリケーションの1つになっています。

◆09:Square


Twitterの創業者であるジャック・ドーシー氏が開始し、スマートフォンやタブレットで決済可能なクレジットカードリーダーを販売するSquareは、すさまじい勢いで成長し、日本にも進出を果たしました。

クレジットカードリーダーのSquareを実際に使用している様子は下記の記事から確認できます。

iPhoneやiPadなどをクレジット決済のレジ代わりにできる「Squareリーダー」を実際に使ってみました - GIGAZINE


◆10:Quora


実名ユーザーコミュニティで作成・編集・運営を行うQ&AサイトのQuoraは元Facebook幹部によって開始されたサービスで、2010年にはシリコンバレーの注目を集めて、一時は次のWikipediaやYahoo!知恵袋になるのではないか、と言われていました。しかしGrayさんによると2014年現在では、参加を表明したY Combinatorの5番目の歯車に成り下がってしまったとのこと。

◆11:Cinchcast


オーディオ作成サービスとして始まったCinchcastでしたが、その後は路線を変更し、2014年現在はクラウドベースの電話会議やウェブセミナーを提供するサービスになっています。

◆12:Sports Blog Nation


2003年に設立されたSports Blog Nationは、2011年に母体となるVox Mediaを設立。Vox MediaはSports Blog Nationの他にThe VergePolygonなど合計6つウェブサービスを抱える巨大メディアに成長しました。

◆13:Bitly


Twitterがt.coドメインをサービスの一部として使用開始してから、Bitlyは短縮URLサービスとしての評価を高めたものの、分析サービスとしての価値は劇的に落ちてしまいました。2014年現在では成績トラッキングおよびアウトソーシングに力を注いでいるとのこと。

◆14:my6sense


Grayさんはmy6senseの新サービス開発のために、コンサルティング業務を請け負っていましたが、予算が少なかったためにプロジェクトは成功しませんでした。my6senseは、TwitterのタイムラインやRSSフィードの一覧をユーザーの見たい順番に並びかえてくれるアプリを公開していますが、現在ではモバイル広告に力を注いでいます。

◆15:Thing Labs


TwitterやFacebookにアクセスするためのウェブアプリケーションBrizzlyを公開していたThing Labsですが、2010年9月にAOLによって買収されました。買収後まもなくしてBrizzlyはサービスを終了し、AOLに取り込まれた形になったThing Labsの元社員はDropboxやAvocadoといった他のサービスへと旅だっていきました。

◆16:Plancast


オンライン上で告知されているさまざまなイベントをまとめ、ユーザーが検索してイベントプランを作成できるサービス「Plancast」は、大きな人気を得ることなく運営を続けています。

◆17:Seesmic


TwitterやFacebookなどのSNSを同時に管理できるSeesmicは、2010年3月に登録ユーザー数が100万人を突破するなど、好調な勢いを見せていましたが、2012年9月に競合社のHootSuiteに買収され、公式サイトではHootSuiteへのアカウント移行を推奨するメッセージとリンクが公開されています。

◆18:Lunch.com


映画や書籍、テレビ番組、政治などさまざまなトピックに関するレビューや意見を投稿できるLunch.comは、登録ユーザー数が劇的に増加したといったことがない一方で、コアなユーザーが存在し、サービスの提供が続けられています。Grayさんは「Lunch.comの運営には、巨額なコストがかからないと思います。ただし、今後ユーザーを爆発的に獲得するといったことはないでしょう」と見解を述べていました。

◆19:Gowalla


位置情報SNSとしてFoursquareと火花を散らしていたGowallaでしたが、Facebookによって開発チームが買収されサービスは終了。

◆20:Dropbox


オンラインストレージサービスのDropboxは大きな成長を遂げ、クラウド市場ではGoogleやMicrosoft、Appleといった数少ない大企業と肩を並べても遜色ないサービスとして高い人気を誇っています。

◆21:LazyFeed


LazyFeedはユーザーから支持を得ることはありませんでした。サイト自体は存在しますが、掲載されている記事は4本しかなく、閉鎖しているといってもいい状態です。

◆22:Hunch


ユーザーの好みを分析して商品をオススメしてくれるHunchは、2011年11月にeBayによって買収され、その技術はeBayの検索機能に統合されました。

◆23:Ecademy


SNSのEcademyは2012年2月にSunZuに買収されました。

◆24:Xobni


住所録アプリとプラグインを提供するXobniはMicrosoftの傘下に入るとうわさされていましたが、Yahoo!が2013年に買収。

◆25:Tweetmeme


Twitterで人気のあるニュースや画像、ムービーなどをカテゴリ別に分類しランキングするTweetmemeは2012年にサービスを終了。2014年現在では、公式サイトに感謝を述べるメッセージが表示されています。

◆26:feedly


Google Readerのサービス終了と同時に、一気に人気を高めたのがfeedlyです。収益化の方法や今後のプランなどは一切公開されていないものの、運営は非常に好調なようです。

feedlyの使い方を徹底的に知るには、下記の記事が役に立ちます。

非常に効率的に最新情報を集めまくって各種アプリなどと自由自在に連携しまくれるRSSリーダー「feedly」はこうやって使うよレビュー - GIGAZINE


◆27:Klout


SNSにおけるユーザーの影響力を数値化するKloutは、Lithium Technologiesによって2014年3月に2億ドル(約204億円)で買収されました。

◆28:Justin.tv


ライブストリーミングサービスのJustin.tvは、開発者チームのほとんどがTwitch.tvに取り組んでおり、サービスこそ存続しているものの、「2014年6月14日以降はムービーのアーカイブを保存しない」という声明を公式サイトで発表し、ユーザーに衝撃を与えました。対照的にTwitch.tvは巨大ゲームストリーミングプラットフォームに成長。どのようにして、Twitch.tvが数年で巨大メディア産業へと進歩したのかは、下記の記事から確認できます。

「Twitch」はどのようにして数年で巨大ゲーム実況プラットフォームになったか - GIGAZINE


◆29:Amplify


Amplifyは、「ツイートやFacebookのステータスより内容はあるけれども、ブログまではいかない」といった投稿を共有するSNSでしたが、2012年にサービス終了。

◆30:OneRiot


モバイルターゲティング広告ビジネスを展開していたOneRiotは、2011年9月に世界最大のスーパーマーケットチェーンのウォルマートによって買収されました。

◆31:Lijit


アドネットワークを運営していたLijitでしたが、2011年10月にFederated Mediaによって買収され、2014年現在はSovrnに名称が変更されています。

◆32:Echo


リアルタイムコメントエンジンを提供していたEchoは、コメント欄やニュースフィードといったユーザーのエンゲージメント率を高める製品を販売する企業にシフト。

◆33:MyLikes


ソーシャルマーケティングサービスのMyLikesは2010年に600万ドル(約6億1000万円)もの資金調達に成功し注目を集めたものの、その後大きな動きを見せず、2014年現在もサービスの運営は続けられています。

◆34:Outbrain


メディア記事の関連記事に他のメディアの記事を表示するサービスを提供しているOutbrainは数々の資金調達に成功し、2014年現在でも好調をキープしているとのこと。

◆35:DailyBooth


画像共有サービスのDailyBoothは、21012年の夏にルームレンタルサービスのAirbnbによって買収され、ほどなくしてサービスは終了。

◆36:Gist


コミュニケーションを一元管理するGistは2011年にResearch in Motion(現Blackberry)によって買収された後、公式サイトが閉鎖されました。

◆37:Soluto


クラウドを利用してPCの起動プロセスを解析してくれるソフトウェアを販売していたSolutoでしたが、携帯保証サービスのAsurionによって1億ドル(約100億円)で2013年10月に買収されました。

◆38:Tungle.me


ソーシャルカレンダーアプリのTungle.meは、先述したGistと同様に、2011年4月にRIMによって買収され、2012年9月に公式サイトは閉鎖。

◆39:Qwotebook


Grayさんの友人が起業したQwotebookは、人気を得ることなくサービス終了。

◆40:Regator


人気のあるブログをまとめるだけでなく検索エンジンをも提供していたRegatorは、大きな変化を迎えることなく2014年現在もサービスを続けています。

◆41:Untitled Startup


Untitled Startupは名称をSimply Measuredに変更しましたが、ソーシャルメディア分析サービスを提供する企業として成功を収めており、2014年には従業員数が159人まで増加。Simply Measuredによると、世界的トップブランドの約半数がSimply Measuredを使用しているとのこと。

◆42:twazzup


Twitter向けリアルタイムモニタリングと分析サービスという、多くのスタートアップが参入した市場で戦っていたtwazzup。創設者のCyril Moutran氏が2011年に「twazzupにおける自身の役目は終了した」と宣言し、twazzupもサービスこそ継続されているものの、ほとんど稼働していない状態であるとのこと。Moutran氏は2014年現在、feedlyに活躍の場を移しています。

◆43:Cadmus


TwitterやRSSを一元管理できるCadmusは、公式サイトこそ存続していますが、メンテナンスは一切行われておらず、ほとんど停止状態。

◆44:Branchr


1クリックごとに支払いが発生するウェブ広告を提供していたのがBranchr。2014年現在では公式サイトが閉鎖され、活動を停止しています。

◆45:Graphicly


電子書籍出版サービスのGraphiclyは、2014年5月に同業者のBLURBに買収され、業務が統合されました。

◆46:BlockChalk


Twitterベースの掲示板サービスBlockChalkは公式名称をBlockBoardに変更後、2012年2月にKloutによって買収され、現在公式サイトは存在しません。

◆47:Fitbit


ウェアラブル端末の開発・販売を行うFitbit。Softbankから、腕に着けるだけで歩数・距離・消費カロリー・睡眠時間の4つを計測できるFitbit Flexが発売されたり、健康管理系ウェアラブル端末市場においてNikeとしのぎを削ったり、会社は好調な伸びをみせています。Grayさんによると、そろそろ大企業が買収に動きを見せそうなので、投資するなら今かもしれないとのこと。

◆48:RockMelt


ソーシャルブラウザを手掛けていたRockMeltは、2013年にYahoo!によって買収され、その後まもなくサービスは停止。

◆49:LiveIntent


メールでの広告配信サービスを行うLiveIntentはサービスを継続中ですが、Grayさんは「もう一度スタートアップのトップ50を選ぶとしたら、LiveIntentはリストに載らないでしょう」としています。

◆50:Fabulis


男性同性愛者向けのSNSだったFabulisは、市場が小さすぎたためサービスを終了し、2014年現在ではデザイナー商品を扱うオンラインショッピングサイトFabへと方向を大きく転換。2014年には日本に参入し業績は好調の様子です。

Grayさんが2010年にピックアップしたスタートアップのトップ50は、市場を率いるほど大きく成長したり、大企業に買収されたり、残念ながらサービスを終了していたり、その後の動向は多岐に及んでいました。

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in メモ,   ソフトウェア,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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