アート

切り落とされたはずの「ゴッホの耳」が軟骨細胞から複製され、「生きた」状態でドイツの美術館に登場


オランダ出身の画家フィンセント・ファン・ゴッホは、ポスト印象派を代表する画家として世界的に有名で、絵画に興味がない人でもゴッホの名前くらいは聞いたことがあるはずです。ゴッホは自分で耳を切り落としたと言われているのですが、切り落とされたはずの耳が3Dプリンタを使って複製され、ドイツの美術館「カールスルーエ・アート・アンド・メディア・センター」に展示されています。

ZKM | Exhibitions 2014 :: Diemut Strebe: Sugababe
http://on1.zkm.de/zkm/stories/storyReader%248887

German museum shows live replica of van Gogh's ear - Yahoo News
https://news.yahoo.com/german-museum-shows-live-replica-van-goghs-ear-161607421.html

ゴッホは1888年12月に自ら耳を切り落とし、ラシェルという名の売春婦に「この品を大事にとっておいてくれ」と切り落とした耳を手渡す、という奇妙な事件を起こしました。ゴッホ自身が事件に対して何も語っていないので、事のいきさつは現在でもはっきりとしていません。


生体物質を使用したアート作品を数々製作してきたディームット・シュトレーベというアーティストが、科学者と協力して切り落とされたはずのゴッホの耳を3Dプリンタで再現。カールスルーエ・アート・アンド・メディア・センターで展示されている耳「Sugababe」は、コンピューター画像処理技術を使って培養軟骨を成長させたものになります。

軟骨細胞はゴッホの弟のやしゃごであるリウーウェ・ファン・ゴッホさんから提供され、完成した耳はゴッホ自身の遺伝情報を含む、生きている生体細胞を主として構成されており、作者のシュトレーベさんによると、展示されている耳は生きている状態で、理論的には数年間生きられるとのこと。リウーウェさんがシュトレーベさんのプロジェクトに興味を抱き、軟骨細胞の提供に快く応じてくれたため、プロジェクトはスムーズに進みました。

来訪者は展示されている耳を鑑賞するだけではなく話しかけることも可能で、耳がキャッチした音はソフトウェアを通して館内で放送されます。

By John St John

「Sugababe」の展示期間は2014年7月6日までとなっています。ドイツでの展示後は、ニューヨークのロナルド・フェルドマン・ギャラリーで2015年春頃に展示される予定です。

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in サイエンス,   アート, Posted by darkhorse_log

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