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「中世のPantone」17世紀に記された水彩絵具の調色ガイドブックが公開中


グラフィックデザインや印刷、プロダクトデザインの現場で広く使われている「パントン・マッチング・システム」は、色表現の確実性を高める上で欠かせないものとして世界共通の基準の一つとなっています。そんな便利な仕組みが使われるようになるはるか以前、1692年に記された水彩絵の具の調色について解説する書物が現在まで残っていたことが判明し、ネット上での公開が開始されました。

Before Pantone, there was this hand-painted 17th century color guide | The Verge
http://www.theverge.com/2014/5/13/5713684/17th-century-book-predates-pantone-with-gorgeous-color-swatches

水彩画の色についての手引き書」という意味のタイトルが付けられたこの書物は、1692年にオランダ語で書かれたもの。書物を開くとまず目に入る挿絵(左)とそれに続く中表紙(右)。「Klaer lightende Spiegel der Verfkonst」と題された書物は「A. Boogert」という著者によって記されたことしか残されていません。


書物中では、見開きの左に説明文、そして右側に実際の色見本を並べる形式で、さまざまな色の作り方が解説されています。


水彩の調色について書かれた書物となっており、元になる絵の具に混ぜる水の量によって変化する色の濃淡を例示。


薄い緑色や青っぽい色だけでも、これだけの種類の色が説明されています。


赤からピンク、オレンジへの変化や……


紫の種類なども。


この本の存在を明らかにしたのは、オランダ・ライデン大学で中世の書物を研究するErik Kwakkel氏。この本が発見されたのはオランダではなく、フランスの図書館に蔵書されていたコレクションの中でした。

この書物が記された17世紀後半といえばオランダの国力が世界を覇権していた頃で、同時にオランダ絵画の黄金時代と呼ばれていた頃で、フェルメールレンブラントといった画家が活躍していた時代にあたります。


書物の後半では表を用いた説明が記されています。


全898ページの大部分で色サンプルと共に解説を記した書物「水彩画の色についての手引き書」は、以下のページで閲覧することが可能になっています。

Ms.1389 _1228__0001.jpg - Traité des couleurs servant à la peinture à l'eau - Ms.1389 (1228) - E-Corpus
http://www.e-corpus.org/notices/102464/gallery/

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in メモ,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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