特定の食材によるガン発生リスク軽減説の根拠が弱まっていることが判明

By Camp of Champions

ここ30年にわたって日本人(成人)の死因第1位の座をキープし続けてきたのはガンで、その発生リスクを下げるためには特定の食物を採ったり、脂肪分の高い食べ物を避けることが有効とされてきました。しかし、2014年時点の学会における解釈では、脂肪分の抑制とアルコール量の管理を除き、特定の食生活によるガンの発生リスク軽減には明確な根拠が見いだせられないことが明らかになっています。

Superhyped superfoods aren't found to prevent cancer | Star Tribune
http://www.startribune.com/lifestyle/health/256766501.html

ガン発生のリスクを下げるためには、体内の正常細胞を攻撃するフリーラジカルの発生を抑制する抗酸化物質フィトケミカルを多く含む食物が効果があるとされたり、昔ながらの農村や古代人が食べていた食事に戻ることが推奨されるなどの動きがありましたが、2014年4月に1万8000人以上の研究者が参加して開催された全米ガン研究会議(American Association for Cancer Research:AACR)の年次会議で明らかにされた研究内容によると、それらの食物とガン発生のリスクの間にはほとんど関連性が見られなかったとのこと。

By Mikhail Esteves

同様に、ハーバードで伝染病学の研究に携わり、長年にわたって食事とガンの関連性を研究してきたウォルター・ウィレット教授は、2014年の同会議における定例報告の場において、特定の果物や野菜によるガンの発生リスク低減を証明する証拠は見つからないという内容を報告しています。

この状況は、1997年に世界がん研究基金およびAACRが共同で作成した膨大な量の報告書の根拠を失わせかねないものとなっています。当時の研究では、緑黄色野菜は肺ガンと胃ガンのリスクを下げ、直腸ガンと甲状腺ガンにはブロッコリーやキャベツ、芽キャベツの摂取が効果があることなどが語られていましたが、その後の2007年の時点では「特定の食物を採ることによるガン発生のリスク軽減効果はほぼ認められない」とする結果が報告されています。

By Katherine Martinelli

1997年からの約15年で研究結果が一転することになった最大の理由は、研究で用いる手法がより緻密なものになったためと考えられています。以前の研究では、対象者への聞き取りは本人の記憶に頼るところが大きかったのに対し、現在ではより科学的な検証方法が取り入れられたことで、客観的な検証が可能になっています。

また、脂肪分の高い食物とガン発生の関係も、一部ではその根拠に疑問を投げかける声が挙がっているのも事実。これまでは牛肉や羊肉の摂取が直腸ガンの発生につながると考えられていましたが、2011年の研究発表ではその賛否が二分されるという状況になっています。50歳代の男性が毎日約150グラムの赤身肉を食べ続けた場合には、直腸ガンの発生リスクが10年間で1.28%から1.71%に上昇するという研究結果が発表されていますが、その影響はごく限定的といえるレベルです。

学会での関心は、すでにガン細胞の慢性炎症などに対する免疫療法へとシフトしており、従来の食事によるガン抑制はすでに主流からは外れていると考えられるようになっています。同会議の参加者が出席したレセプションパーティーでは豪華なローストビーフやチーズにワイン、そして豪勢なフルーツビュッフェが振る舞われ、翌朝から開幕した会議の場にはコーヒー片手に参加する研究者の姿が見られたそうです。

それでもなお、全体的にな視点においては従来からの通説どおりに、肥満度の管理がガンの抑制に効果があることは確実なものとされており、これは心臓病や二型糖尿病、高血圧、脳卒中といった病気のリスクにも共通するもの。また、アルコール類の過度の摂取を避けることも明確な効果をもたらすこともわかっています。結局のところ、なるべく病気にならないようにするには「健康的な生活を心がける」のが一番というわけです。

By Jenny P.

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