取材

秋葉原を彷彿とさせるパラグアイの激安ショッピングパラダイス「シウダー・デル・エステ」


まさか南米でUSBメモリを日本並の値段で買うことができるなんて思ってもいませんでした。SONYの単3充電池に至っては日本より安くなっています。3ヶ国が隣接する国境で、イグアスの滝の観光に力を入れるブラジルやアルゼンチンと違って、パラグアイは免税エリアを設けて買物天国を作り出していました。日本の駅前にあるような大型家電量販店……ただし、商品の購入はPCを通して。何とも不思議な買物方法がここにはあります。

こんにちは、99カ国目のブラジルを走っている自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。噂の通りにブラジルでは電化製品の値段がかなり高く、「LOJAS」という電器店のチラシを見てみたところ、

PlayStation 2:799.84レアル(約3万5136円)
PlayStation 3:1599.84レアル(約7万279円)
PlayStation 4:5439.84レアル(約23万8965円)

と目を疑いました。いずれも10回払いの合計金額です。公式サイトの「ゲーム」ジャンルが参考になると思います。別の日にハイパーマーケットを覗いたのですが、

SONY Xperia M:743.29レアル(約3万2651円)
SAMSUNG Galaxy Pocket Neo S5312:398.00レアル(約1万7483円)
OLYMPUS VR-320:656.99レアル(約2万8860円)

という値段が付けられていました。ブラジル人がパラグアイのシウダー・デル・エステに出かけるのも分かります。

◆歩き方
こんな感じでショッピングの建物が密集しています


パラグアイのシウダー・デル・エステから大きな橋を渡るとブラジルのフォス・ド・イグアスです。パラグアイとアルゼンチンのプエルト・イグアスは国境は隣接はしてないものの、片道1万グアラニー or 20ペソ(約200円)で直通のバスに乗ることができます。その際にフォス・ド・イグアスを通るわけですが、不思議なことブラジルの入出国手続きは必要ありませんでした。パラグアイから日帰りでアルゼンチン側のイグアスの滝を観に行ってます。

橋の手前にあるパラグアイのイミグレーション


このイミグレーションより手前がショッピングエリアで、東西に伸びる幹線Ruta7を境に、北と南に分けて考えると動きやすいでしょう。南側の方が賑わっている感じです。道路は碁盤目ですので、迷うこともないと思います。

このRuta7を真っ直ぐ行くとパラグアイのイミグレーション


ショッピングエリアの北側。ビルが立ち並ぶ光景が、日本の秋葉原を思い出しました。


ショッピングエリアの南側


ショッピングエリアの値札は米ドル表記が基本。パラグアイも米ドルが出てくるそうですが、自分はウルグアイのATMで引き出した米ドルを使いました。1ドル未満のお釣りはブラジル・レアルやパラグアイ・グアラニーで返ってきます。両替所もたくさんあって、パラグアイの通貨だけではなく、米ドルからブラジル・レアルを入手することも可能。同様に米ドルからアルゼンチン・ペソも入手できそうでしたが、そのレートは闇レートであって、改めてアルゼンチン経済の窮状を確認できました。

街で目につく両替レート表示の電光掲示板


商品を買った時のレシートにはパラグアイ・グアラニー、ブラジル・レアル、アルゼンチン・ペソの表記もあるので、これらの通貨でも支払いは可能だと思います。


シウダー・デル・エステでの買物は午前中が勝負です。早いところだと14時から片付けを始めて、16時ともなれば結構なお店のがシャッターを下ろしていました。またパラグアイ滞在中はよく雨も降っていたので、天気予報も確認しておきましょう。うだるような暑さにも参りましたが、雨が降って動きにくくなるのも大変だと思います。あと、日曜日はお休みですので買い物できません。

ゴミゴミとしていますが、活気に溢れる場所です。


雑然としている路地裏


ファッション関係のお店


南米だというのに萌え絵がありました


LUMIXVIERAと、Panasonicが頑張っている姿も。


お腹が空いたら、屋台のサンドイッチで一息。こんな場所ですが、マクドナルドとバーガーキングの店舗もあったりします。


気前のいい露店のお兄ちゃん


バイクタクシー


スペースシャトルのような面白い形の建物


パラグアイのイミグレーションを越えた先にある小ぎれいなショッピングモール


おもちゃ屋さんの前にレゴでできたキリンを発見


ラジコンは車だけではなく、室内でヘリコプターを飛ばす実演もしていましたよ。


盗難防止のためでしょうが、檻に囲まれたヘルメットは生きているかのようでした。


箱入り息子を発見


◆大型家電量販店
画質の良いコンパクトデジタルカメラと、音楽用にスマートフォンが欲しかったので、ショッピングエリアを探し回りました。散々歩き回った結果、値札もないような細々としたお店は避けて、値段がしっかりとしている大型店を探したほうが無難という結論に。小さな店は品数も少なく、値段もはっきりしないので、買物しづらいと感じました。

大きなお店に見えますが、中は専門店街。


とある建物の中は、このような感じで小さなお店が密集しています。


小さなお店が並んでいました


自分が買物をしたのは「MEGA ELETRONICOS」という大型家電量販店。たくさんのタクシーのリアウインドウに広告を張ってたりと、このシウダー・デル・エステでも何かと大きな店のようでした。百貨店みたいな建物にも家電フロアはあったのですが、MEGA ELETRONICOSの方が品数が充実しています。

お店の場所は、大通りのRuta7からも目立っていました。


こちらが入口


このMEGA ELETRONICOSでは商品に触れることができません。カゴもありません。ネットショッピングのように、販売員がデータベースから商品を探し出すシステムでした。商品をクリックすると値段だけでなく、写真やスペックも確認できます。自分は何とかスペイン語でやり取りをしてました。ブラジルのお客さんも多いのでポルトガル語なら通用しそうですが、英語はどうなんでしょう?いずれにしても難しくはないので、気合で何とか乗り切りましょう。

一階と二階は、このように商品が展示されているので値段のチェック。


Androidスマートフォンやタブレットの展示


ショーウインドウを見渡して欲しい商品が決まったら、販売員に相談。また「16GBのUSBメモリを探しているんだけど」と伝えるとPCで探し出してくれます。欲しい物が全部揃ったら明細をプリントアウト。この際に身分証の表示を求められたので、パスポートのコピーで対処しました。プリントアウトした紙を片手に会計窓口へ。ここでお金を払うと支払い済みのスタンプを押してくれます。3階に移動して、明細と支払い済みのレシートを窓口に渡して、ピックアップされている商品を受け取れば買物終了。

商品の明細と支払い済みのレシート。


3階の商品受け渡しの窓口。スマートフォンは箱を開けてくれますので、付属品が揃っているか確認しましょう。


そうして、手に入れた戦利品がこちら。まずはSony XPERIA tipo、95ドル(約9717円)。3台目のスマートフォンですが、初代IDEOSを破棄して、こちらは音楽をメインに使う予定です。デジタルガジェットは何をどう使うか悩みが尽きません。


SONYの単三充電池4本組は7.59ドル(約776円)。


同じ型番を価格.comで調べてみると、最安値は980円でした(執筆当時)。


キングストンのUSBメモリ16GBは7.00ドル(約716円)と安かったので、デジカメのデータをバックアップして日本に送付。


価格.comで調べると最安値は900円台でした。


コンパクトデジタルカメラは、日本では4万円から販売されているSONYの「サイバーショット DSC-RX100」を探したのですがほとんど取り扱いがなく、唯一見つけたお店でも650ドル(約6万6500円)と高額だったので、諦めました。

◆中国製品の雑貨店
このショッピングエリアのもう一つの収穫は、日本の100円ショップのような中国製品の雑貨店があったことでした。こちらも値札がついていて、しかも日本より安いというか、南米でも世界中でも、この値段の場所はそうは見つからないでしょう。久々にテンションが上りました。

今夏のヨーロッパ走行に備えて4.99ドル(約510円)のU字ロックを購入。自転車の盗難は先進国のほうが怖かったりします。


面白そうな2.40ドル(約245円)の布製ボトルホルダーを衝動買い


よく断線するので、世界中でイヤホンを買っているのですが、2.00ドル(約204円)でそこそこの物が手に入ります。


0.99ドル(約101円)の結束バンドに0.79ドル(約81円)のガムテープと消耗品も補給。0.80ドル(約82円)のビニールテープは空港で自転車を梱包するのに使う予定です。


ビニールケースも傷んでいたので新調しました。小さいケースが0.45ドル(約43円)で大きいケースが0.75ドル(約76円)とお得な価格。


と、こんな感じで散財しています。自転車のパーツも探したのですが、いい店は見つからず。他にもアウトドアグッズなんかあると嬉しかったのですが、こちらも目につきませんでした。自分の走行ルートにやたら看板を出している「MONALISA」というお店にはいったい何があるのか、気になります。

イグアスの滝に負けないくらい、シウダー・デル・エステも刺激的な場所でした。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)

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in 取材, Posted by logc_nt

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