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なぜオープンオフィスでは気が散ったり疲れたりソワソワしてしまうのか

By Kenny Louie

壁や区切りがなく、多くの社員が1つの部屋の中で机を並べて仕事をするようなオフィスのことをオープンオフィスと言い、社員同士でコミュニケーションをとったりするには構造的にとても楽チンです。しかし、周りの声やPCをタイピングする音がうるさくてなかなか集中できなかったり、同僚が話している内容が気になってついつい会話に参加してしまったり、オフィスを動き回る人の姿が視界に入ってくるのでそれが気になってしまったりと、つい気が散りがちになってしまったりするもの。そんなオープンオフィスが抱える弊害をBusiness Insiderが解説してくれています。

Why The Open Office Makes You Distracted, Exhausted, And Insecure - Business Insider
http://www.businessinsider.com/why-the-open-office-makes-you-distracted-exhausted-and-insecure-2014-4


現代のオフィスの3分の1はオープンオフィスです。オープンオフィスならば、社員ひとりひとりに個別のワークスペースを設ける必要がないので設備投資は安上がりで済み、さらに共同作業やセレンディピティに優れている、といった長所を享受することもできます。そんなオープンオフィスが抱えるただ1つの問題点を挙げるとするならば、オープンオフィスでは従業員の作業効率が非常に悪くなる、という点です。一体全体どうして作業効率が悪くなってしまうのかというと、以下のようなさまざまな弊害が発生してくるから。

◆1:オープンオフィスは利用者の満足感を小さくする

By Rick Webb

ある研究によると、オープンオフィスは従業員の満足感を小さくすることが分かっています。また、2002年にEnvironment and Behaviorという雑誌がカナダのエネルギー企業で働く従業員を調査していた際、ちょうど調査対象の企業がオフィスの移転を行い、従来の個別に部屋が用意されたオフィスからオープンオフィスに移転しました。

移転に伴い従業員にオフィスの印象を聞いたところ、その結果は散々なもので、同僚との関係や仕事のパフォーマンス、満足感が低下したと感じた、と従業員たちは報告していたそうです。

◆2:間切りのないオープンオフィスはプライバシーを無にする

By Chris

心理学者が言うところの「構造的なプライバシー」を持っていない、つまりオフィスのドアを閉めたりできない場所では、集団に混じるか混じらないかといった部分を自分でコントロールできない、ということになります。こういった心理的なプライバシーの有無は高いパフォーマンスや満足感に直結している、とのことです。そしてプライバシーの欠如は、常に何らかの雑音にさいなまれるということを意味します。

コーヒーショップの騒音がクリエイティブさを高めると言われたりもしますが、Scientific Americanのレポートによるとバックグラウンドノイズは集中を妨害し、記憶力を低下させ、さらに片頭痛や潰瘍のようなストレス性疾患を悪化させることにつながるとのこと。

◆3:オープンオフィスは会話の価値を下げる

By Phil Oakley

オープンオフィスでは通常のオフィスよりもたくさんの会話が発生します。しかし、それらは通常「短く、薄っぺら」なもの。なぜ「短く、薄っぺら」な会話しか生まれないのかというと「周りにたくさんの耳があるから」そういった類いの当たり障りのない会話ばかりが飛び交うことになる、とTIMEのレポートが明かしています。

◆4:オープンオフィスは特に内向的な人をより内向的にする

By snaps

内向的な人は、最もプライバシーを必要とする人種です。また、ある研究によると、バックグラウンドノイズは社交的な人よりも内向的な人の注意力をより散漫にするようです。

「孤独な人はよりクリエイティブである」という事実を明らかにした心理学者のHans Eysneck氏によれば、「自分のタスクに集中したり注意力散漫になるのを防ぐためには、仕事を行う上で必要のない社会性や性別の問題などをどこかに捨て去るのが良い」とのこと。

◆5:オープンオフィスは疲労する

By normalityrelief

オフィスで自分の仕事をこなしている時と、同僚の仕事を手伝ったりする時は、多少の気持ちの切り替えが必要になります。そしてオープンオフィスは自発的な協働を促すように設計されているのですが、実際に同僚に手を貸せば、その人自身の仕事効率は低下します。

これは「仲間を助けよう」と思ったり、自分自身の作業に戻ったりといった気持ちの切り替えに必要な精神的努力によりタスクが複雑になってしまうから。また、オープンオフィスの利用者はいつでも同僚に協力可能な状態、つまり注意がいつでも切れるような状態になってしまっているとのこと。なお、Wall Street Journalのレポートによると、いったん集中が切れた状態から自分のタスクに戻るには約27分かかるそうです。

◆6:オープンオフィスは病気にかかりやすくなる

By Allan Foster

ストックホルム大学の研究者による調査では、オープンオフィスで働く人は、個室で働く人々よりも多くの病気休暇をとるとのこと。これは個別のオフィスで仕事をするときよりも同僚とより近くで仕事をすることになり、病原菌に感染する機会が増えるため。

◆7:オープンオフィスは蛍光灯で従業員の睡眠の質を下げる

By Phil Whitehouse

多くのオープンオフィスでは、デスクを窓から遠ざける傾向があります。ある研究によると、窓のないオフィスで働く人は、そうでないオフィスで働く人と比べて47分も睡眠時間が短いことが判明しています。また、人工的な明かりにさらされた労働者は、睡眠自体の質も低下するようで、そういった質の低い睡眠を続ければ、より病気にかかる頻度が高くなり、イライラして記憶力も低下することになるとのことです。

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in メモ, Posted by logu_ii

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