取材

関西~九州間をゆったりと船旅で行ける「さんふらわあ」個室宿泊レポ


寝台列車やフェリーなどの宿泊しながら移動する乗り物には、他の交通機関とはひと味違った魅力があります。時間がかかることや行き先が限られているため乗る機会に恵まれないのですが、関西~九州間を結ぶフェリー「さんふらわあ」を利用するチャンスがあったので、ゆったりとした船旅を味わえそうなフェリーの個室に宿泊してみました。

フェリーさんふらわあ
https://www.ferry-sunflower.co.jp/

◆チケットの購入
大阪~別府間を航行する「さんふらわあ・こばると」の基本料金は、相部屋で素泊まりの「ツーリスト」が税込1万1500円、相部屋で2段ベッドの「ツーリストベッド8名12名部屋」税込1万4000円、「ツーリストベッド4名部屋」が税込1万5500円、「スタンダード2名部屋」が税込1万6800円、「スタンダード1名部屋」が税込1万7000円、ファーストが1万8800円、「デラックス」「デラックスシングル」が2万6700円。時期や予約方法によって金額が異なります。


予約は以下のサイトから可能です。まずはチェックを入れて「新規予約(片道)」をクリック。


1人であれば「運転手を含む大人人数」に1名と入力、「往路ご乗船日」に希望日をいれ、「往路ご乗船区間」の「乗船港」を大阪南港ATC、下船港に「別府」と入力したら「次へ」をクリック。


すると希望日の空き部屋状況が確認できます。


今回は1名個室で最安の「スタンダード」を選択するため、右側の「予約へ」をクリック。ここで表示される価格はキャンペーンなどが適用された割引価格となり、通常1万7000円の価格が1万3500円になっています。


「お名前」「性別」「年齢」を入力したら「次へ」をクリック。


内容に間違いがなければ、ボックスにチェックをいれて「次へ」をクリック。


最後に必要事項を入力して「送信」を押せば予約は完了。料金は現地で手続きの際に現金かカードで支払いが可能。この後に予約票が表示されるので印刷して持って行けば窓口で乗船名簿を書かずに手続きが行えます。


◆乗船~船内&個室の様子
大阪~別府行きのフェリー乗り場大阪南港コスモフェリーターミナルの最寄り駅、南港ポートタウン線トレードセンター前駅に到着。改札口にフェリー乗り場の案内が出ています。


乗り場までは大阪南港ATCの中を通ります。


乗り場までは点々と途切れずに行き先を示す案内があるので迷うことはないはず。


乗船手続きを行うさんふらわあの窓口に到着。


受付に並んでインターネット予約時に印刷した予約票を渡せばすぐに乗船券をゲットできます。予約票がなければ乗船名簿を記入して渡せばOK。


出港の1時間前から船内へ乗船できるようになりますが、もっと早くに到着した場合は待合所があるので安心。


待合所の中はこんな感じ。


乗船時間になったら、待合所の奥にある連結通路を通ります。


窓からは乗船する「さんふらわあ・こばると」が見えていました。


入り口前で係員に乗船券を引き渡したら、いよいよ船内へ。


個室を予約している場合は入り口付近の案内所に行って……


ルーム・キーを受け取る必要があります。


ロビーではジャズバンドの演奏が鳴り響いていて華やかな雰囲気。


ひとまずスタンダードの個室に向かうため3階へ。


3階のロビーはこんな感じ。


ここで持ち込んだ食事をとっている人もたくさんいました。


3階ロビーにはホットフードやコーヒーの自動販売機があり……


桜茶は自由に飲んでOK。


電子レンジもあり、隣ではアルコールも販売しています。イベント会場などでは飲み物が異様に高いところもありますが、さんふらわあは通常の自販機の価格で提供しているところに好感を持てます。


部屋番号はこのプレートが目印。


予約した部屋を見つけたら入室してみます。


ドアを開けてみると、個室で一番安いスタンダードはかなり手狭な部屋ですが、寝るだけの部屋としては問題なし。


入ってすぐ目に入るのは洗面台。アメニティの歯ブラシとリセッシュも置かれています。


ハンドソープの横にはコンセントが1つ。


洗面台の横には机があり、小さめのTVが1台あります。左側に置かれているさんふらわあの乗船ガイドには夕食・朝食・入浴の時間などが書かれているので控えていなければ要チェック。


机の下にはフェリーなので救命胴着が用意されています。


着衣方法が貼り出されているので、もしもの時に備えて目を通しておきましょう。


机の向かいにはベッドがあり、比較用にバックパックとPCを置いてみました。細長い感じなので人によっては窮屈なサイズかも。


枕元にはライトが付いて、ここにもコンセントがあります。TV用のプラグを抜けば、離ればなれですが最大3口のコンセントを使用可能。


浴衣とフェイスタオル


コートなどをかけるスペースはベッド横。


洋服掛けの下に毛布が用意されています。ボックスの中は空なので荷物をまとめたりするのに重宝します。


窓がない代わりに絵が掛けられています。室内にバス・トイレはなく、ついているのはデラックスクラスの個室のみ。


一通り部屋を見終わったところで、船内探索に出かけてみます。この日は煙突掃除をしたため残念ながら展望デッキには出られないとのこと。


2階の売店では土産物やお菓子などの軽食や……


冷たい飲み物も販売しています。


ノスタルジックなゲームコーナーも。


◆夕食バイキング
金・土発便の夕食バイキングは18時30分~21時30分までの時間で食べに行くことができますが、特に乗船直後は満席で入れないので先に混雑していない展望風呂に入るのがおすすめ。


夕食バイキングの時間はずっと満席の札が立っていましたが、入り口で待っていると店員が相席を案内してくれます。


というわけで1人だと相席になるもののすぐに入店できるので、食券を購入して店員に渡します。夕食バイキングの価格は大人1人1500円、65歳以上は1200円、小学生は1000円、4歳~小学生未満は600円となっています。


レストランはこんな雰囲気。


まずはお皿をゲット。


日本酒や焼酎などのアルコールも販売しています。


この日のバイキングの内容は、ちらし寿司やいかのお刺身や……


菜の花ゴマ和え、イトヨリマスタード、ぶりの照り焼き


大分名物のとり天もあります。


フェリーさんふらわあカレーなるものまで。


ソフトドリンクも飲み放題。


500円でサーバーから生ビールを注ぐことも可能です。


デザートはケーキやフルーツの他にチョコレートファウンテンもあります。


こんな感じに取り分けてきました。


サクサクのカキフライも食べ放題。


どの料理もできたてではないのが残念なところで、クオリティは高いとはいえませんが、料理の品数も多く時間も21時30分までは無制限なのでコストパフォーマンスは高めです。

食事・入浴後は就寝までゆったりできるフリータイム。ロビーなどで船内Wi-Fiを使ってネットに接続できますが、最大6台までと客数に対して劇的に不足しています。室内は鉄に囲まれているためか入室した途端に全ての通信機器が圏外になるので、多くの乗客はロビーの窓際でスマートフォンを使っていました。海上ではSoftbankとauの電波はほとんどつながらないので、ドコモのスマートフォンやモバイルルーターがあれば役に立ちそうです。


ベッドはふかふかとはいきませんが、海に揺られてぐっすり眠ることができます。


◆朝食バイキング~下船
翌朝は展望デッキに出てみました。


日の出を見ることも可能です。


なお、相部屋のツーリストは窓から中が丸見え。


ツーリストの部屋はこんな感じ。相部屋ではなく団体で1部屋貸し切っているところもありました。


ロッカーがあるので貴重品の管理は最低限可能なようです。


下船までに時間があれば、金・土発便では6時~7時30分までの朝食バイキングを大人1人600円、小学生400円、4歳~小学生未満300円、4歳未満は無料で食べることができます。


朝食は納豆や柴づけ


おばんざいとごはんなど和食のメニューを選べるほかに……


シナモンロールや食パンなどのモーニング系も用意されています。


食パン用にトースターも設置。


低脂肪乳やフルーツもあります。


こんな感じの朝食にしてみました。


ジャムマーガリンを塗ったトーストはサクサク。


スクランブルエッグと食べるとホテルの朝食っぽい雰囲気を味わえます。


食後のコーヒーもバイキングに含まれているので、早起きすればゆっくりと朝食を楽しむことができます。


下船のアナウンスが流れたら荷物をまとめて出口へ向かい、キーを返却箱にいれておけばOK。


夜とはまた違った雰囲気のさんふらわあ号。


というわけで一晩かけて大分県に到着。ご飯を食べたり、外の景色を眺めながらお風呂に入ったりしてリラックスでき、最後は個室でゆっくりとしていれば目的地に運んでくれるので、バスや新幹線など他の交通機関に比べると時間はかかりますが、ゆったりとした「船旅」を楽しむことができます。また、朝早くに目的地に到着するのでしっかり休んだ上で早朝から活動できるのも魅力の1つ。


例えば、旅行の帰りの便をフェリーにすれば「ホテルで宿泊して翌日に帰る」という日程をフェリーだけで済ませることも可能。「フェリーに乗ってみたい!」という時は、1日宿泊することを考慮してフェリー移動を盛り込めば、時間・料金ともに満足できる旅行プランが作れるかもしれません。

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in 取材,   乗り物,   ピックアップ, Posted by darkhorse_log

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