STAP細胞論文が論文の査読に代わる新システム「Open Review」の事例に登場

by Flood G.

400万人もの研究者が参加しているSNS「ResearchGate」が、論文や刊行物・出版物をオープンな場でレビューできるサービス「Open Review」の提供を開始しました。早速、Natureに掲載されたのち多くの疑問が噴出している「STAP細胞」の論文がピックアップされ、幹細胞研究を行っている香港中文大学の李嘉豪(ケネス・リー)教授から「話ができすぎていて、再現は不可能です」と指摘を受けています。

Peer review isn’t working ? Introducing Open Review - ResearchGate News
https://news.researchgate.net/index.php?/archives/187-Peer-review-isnt-working-Introducing-Open-Review.html


論文の内容が学術雑誌に載るときには「査読」を経ていますが、査読対象の論文の本数は非常に多い上にその中に「新発見」と呼べるようなものはわずかなので、論文査読者はくたくた。論文が雑誌に掲載されてから誤りが見つかったり、本当は価値がある研究なのに日の目を見ないという事態も起きています。そこで、査読の次の新たなシステムが必要だ、と考えたResearchGateが作り出したのが「Open Review」です。

Open Reviewでは、論文に対して再現性のフィードバックを行ったり、興味ある研究について他の専門家の査読を要望したり、刊行物について著者や専門家と議論することができます。

理化学研究所が発表して「常識を覆す大発見」だと称賛されるも、その後、多くの疑問点が出てきている「STAP細胞」の論文には、香港中文大學で幹細胞などを研究しているケネス・リー教授がレビューをつけています。

Review of Stimulus-triggered fate conversion of somatic cells into pluripotency. - ResearchGate
http://www.researchgate.net/publication/259984904_Stimulus-triggered_fate_conversion_of_somatic_cells_into_pluripotency/reviews/103


リー教授のチームも理研から示された作製手順を用いて研究室で再現実験を2度行いましたが、STAP細胞を作り出すことはできませんでした。

論文についてリー教授は、リファレンスは適切かつ意味のあるもので、細胞のリプログラミングにおいて他にも単純で素晴らしい方法があるのではないかという刺激を与えるものであるということは認めましたが、「実験が適切だったか・データは正確か」という点で疑問があると述べ、「再現可能性がない」と結論づけました。

STAP細胞の論文については、4名の主要著者のうち理研の小保方晴子さんら3名が撤回に同意、小保方さんが留学していた時の指導教官でハーバード大学のチャールズ・バカンティ教授が反対しているという状況です。

小保方さんら撤回に同意 STAP論文、米共著者は反対:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASG3F66TRG3FULBJ00V.html

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