料理のレシピを考え出すスパコンを搭載した「IBMフードトラック」


IBMは2011年のクイズ番組ジェパディ!で優勝を果たしたクインティリオン(10の18乗)の演算能力を持つスーパーコンピュータ「ワトソン」に料理のレシピを考えさせる試みに取り組んでいます。2014年3月10日に行われたSXSWでは、ワトソンの料理システムを搭載した「IBMフードトラック」が出動し、来客に向けて複数の料理サンプルが提供されていました。

This is how supercomputers cook: IBM’s Watson dreams up creative dishes | The Verge
http://www.theverge.com/2014/3/9/5483136/watsons-food-truck-ibms-supercomputer-learns-to-cook

IBM FOOD TRUCKで実際にワトソンを操作しているムービーは以下から見ることができます。

IBM's Watson supercomputer learns how to cook | SXSW 2014 - YouTube


IBMは優れた処理能力を持つワトソンで料理を作れないか?という発想から、システムに3万5000種類のレシピと1000種類の化学的香料化合物を分析させ、どの材料のコンビネーションが合っているのかを学習させました。その結果、ワトソンは「材料・料理の地域・皿の種類」をインプットすることでレシピを吐き出すことに成功しています。

システムは12~14種類の材料でできたレシピを「どのような香料化合物が添加されているか?」「材料の組み合わせは斬新か?」という点から評価することが可能。また「チョコレートとコーヒーとガーリック」のような、今までにない組み合わせの料理を作り出す試みも行われており、将来的にはコンピュータが風味や味付けがどれほど優れているか?といったことまで判断できるようになるとのこと。

以下がIBMフードトラックで提供されていたもので、ワトソンが入力データから思案したレシピによる料理サンプルです。


ワトソンは料理の種類、大きさや調理時間を決定し、あるものでは「豚肉、鶏、イチゴ、シイタケ、パイナップル、りんご、カレー、エシャロット、ニンジン、レモン、ライムおよびミント」を使った変わった材料のレシピを出力。


ワトソンのレシピで調理を務めた調理学校のInstitute of Culinary Education(ICE)の調理師James Briscione氏は「このような材料の組み合わせで料理を作ったことはありません」と話しています。


IBMのエンジニアがタブレットでシステムの操作を行っています。


料理の地域を「アメリカ13%・タイ13%」など各国のテイストを割り振ったり、材料や料理のタイプを入力したりすることで、システムが創造的な料理を考え出してくれるというわけです。


サンプル料理はカレー・シーザーサラダ・ギョーザやブリトーなどが振る舞われ、Twitterで行われた投票によってもっとも優れた料理として選ばれたのは「ケバブ」となりました。


現状のワトソンが作り出せるレシピはただの材料のリストですが、将来的にはコンピュータが風味や味付けから優れた料理であるかを判断したり、順を追った説明ができるようになるとのこと。ワトソングループの管理者スティーヴン・エイブラムス氏は「クリエイティビティは人類の知性が作り上げた偉大な業績です。私たちはコンピュータに創造性を与えられるのでしょうか?」と話しています。


人間には想像できないような組み合わせからおいしい料理を作り出す試みですが、レシピをもとに料理をしたり、盛りつけを行うには人間のシェフが必要です。IBMの研究者は、「ワトソンは人間のシェフの職に成り代わるようには設計されていません」と述べています。

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