フィッツロイにペリト・モレノ氷河とパタゴニアの大自然が魅せる奇跡の光景
朝日に輝くフィッツロイの尖峰に、澄んだ青が閉じ込められていたペリト・モレノ氷河と、パタゴニアの大自然は想像を越えていました。フィッツロイはチリのパイネと同様にパタゴニアを代表する山で、アウトドアメーカーとして有名なパタゴニアのロゴマークになっています。氷の大地が押し寄せてくるような迫力があったペリト・モレノ氷河には、今までに見たことのない透き通った水が流れていました。
こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。強風の大草原を駆け抜けて、辿り着いたのが「エル・カラファテ(El Calafate)」というパタゴニア観光の拠点で、多くのツーリストで賑わっていました。ここではパタゴニアの大自然を満喫できるのですから、その理由も分かります。
カラファテはここです。
町の入口
草原しかなかった周囲一帯からするとカラファテは大都会
◆フィッツロイ
2月12日にカラファテの宿で仲良くなった大学生たちと4人でパーティーを組んでからフィッツロイを目指しました。トレッキングのベースとなる「エル・チャルテン(El-Chalten)」まではバスで移動。ここで別の日本人グループと仲良くなり、合計9人という大所帯で朝日に輝くフィッツロイを目指します。街のアウトドアショップではテントや寝袋のレンタルもやっているのでキャンプ道具がなくても大丈夫。自分はデイパックしか持っていなかったので、ここでバックパックを借りました。
トレッキングのベースとなるエル・チャルテンの町
町からもフィッツロイはその姿を見せてくれます
清々しい大自然
おしゃべりをしながらのんびりと歩いていきました
ビューポイントで見られる壮大なフィッツロイ
美しい姿に見惚れてしまいます
押しつぶすくらいの量をもった氷河も圧巻
ずっと大草原しか見ていなかったので、生い茂る緑の木々が新鮮でした。
風が強い場所なので、木々も流れるように成長しています。
「ポインセノット(Poincenot)」のキャンプ場でテントの設営作業
建てられた4つのテント
まだ時間があったので、明日の日の出を拝む「ロス・トレス湖(Laguna De los Tres)」まで行ってみることに。キャンプ場から距離は3kmですが、400mは標高を上げないといけません。
フィッツロイを正面にのぞむロス・トレス湖
遠くにあった氷河も随分と近い所にあります
日暮れと共に背を伸ばしていくフィッツロイの影
翌日は朝日に輝くフィッツロイを拝むために5時30分にキャンプ場を出発。真っ暗だったのでヘッドライトを足元で照らしていたのですが、すぐに必要がないほどに明るくなりました。「これだと日の出まで間に合わない?」と気持ちは焦るのですが、緯度が高いからか朝はゆっくりとした速度でやってきます。日の出前に昨日の場所に皆で到着。
新しい朝がやって来る
夜明け前の静寂
6時56分、朝日が昇る前。
7時07分。日の出とともに赤く染まるフィッツロイ。
7時15分。更に昇っていくと、眩しいほどに輝いていました。
登頂が困難に思えるほどの急な尖峰。てっぺんの標高は3405mになるそうです。
記念写真
フィッツロイに負けじと人間ピラミッドを作る日本人旅行者たち
1時間ほどフィッツロイを眺めて下山
国立公園の奥にある景色も気になります
遠ざかっていくフィッツロイ
天気にも恵まれて、最高の景色を見せてくれました。
そして今回は何より心に残ったのは、一人ではなく皆で行動したことでした。他のバックパッカーのブログなどを見ていて憧れていた、誰かと一緒に何かを作り上げること。一人旅をどれだけ続けたって大したものは残りませんしね。だからこそ、皆で一緒に騒ぎ合って笑い合って楽しい時間を過ごすことができて良かったです。
ありがとうございました。
◆ペリト・モレノ氷河
フィッツロイから帰ってきた翌日にロスグラシアレス国立公園にあるペリト・モレノ氷河ツアーを友人と予約。展望台を訪れたり、世界新聞の松崎さんが体験した氷河クルーズもあるようですが、自分たちはバスで展望台まで行って、その後に氷河の上を1時間少し歩く「ミニトレッキング」というツアーを選びました。ここ以外で氷河を歩く機会なんてなさそうなので、ツアー代金800ペソと国立公園入場料130ペソの合計で1万円くらいするのも仕方なし。当日の朝はミニバンが宿に迎えに来てくれて、バスに乗り換え氷河を目指します。
こちらが展望台から見たペリト・モレノ氷河
正面から見て氷河の右端
こちらは氷河の左端
崩れ落ちた氷河の破片。これはここで落ちたのではなく、いろんな場所で落ちた氷塊が流れてここに集まっています。観光中にも「ゴォオオオオー」と大きな音を立てて氷河が崩落していたので、運が良ければその瞬間に立ち会えるかもしれません。
見ているだけでひんやりしてしまう大氷原
展望台からの氷河も高さによって表情を変えていました
氷河に喜ぶ観光客
1時間あまり展望台で観光を済ますと、バスに乗り込み船乗り場まで。それから、船に乗り込んでトレッキング場所まで移動します。
湖に浮く氷の塊
氷山を避けながら進んでいくので、船の上からの景色も迫力があります。
湖と氷河の境界に到着
船から降りると氷河の入口まで20分くらい陸地を歩きました
不思議なくらいに尖っていた氷河のてっぺん
ミニトレッキングではアイゼンを借りて氷河の上を歩きます。トレースはシャリシャリとして雪ではなく硬い氷の上を歩いている感触。そういうことから「手をつける所も尖っているので」と言われて軍手も支給されました。
こちらが氷河トレッキングの入口
陸地に近い氷河は、黒い砂で少し汚れています。
ツアーガイドに連れられて氷河の中を進んでいきます
少し歩くとこんな感じに。
トレッキングを案内してくれた英語が堪能なツアーガイド。ツアー参加者はスペイン語と英語の2つのグループに分かれて行動していました。
氷の壁の合間を歩いたり。
急な勾配では滑らないように慎重に。
この氷河の中を流れる水は、今までのどんな場所より澄んでいて、魅入ってしまいました。
不純物なんて混ざっていなさそう
手ですくうと感触まで軽いくらいの透明度
水の底には見たこともないような青が閉じ込められていました
険しい氷河の内部
遠くから見ると平坦にも見える氷原も、実際に歩くと起伏が激しくなっていました。強い日差しで氷が水になっていくことは当然かもしれませんが……。
冒険をしている感じで、テンションも上がります。
氷河の上にペンギン……がいるといいのですが、こちらはぬいぐるみ。一緒に歩いていたロシアの女性が持ってきていて、面白いことをやっていました。
トレッキングの最後には氷河の氷とウイスキーで乾杯
至福のひと時
氷河では、たくさんの写真を撮りました。
フィッツロイもペリト・モレノ氷河も雲一つない最高の天気でパタゴニアを十分に満喫できました。パタゴニアを訪れる際にはルートに組み込んでみてはいかがでしょうか?大自然の迫力に圧倒されること間違いありません。
(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak)
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