取材

ウユニ塩湖まで日本から40時間かけて行ってきた



ウユニ塩湖といえば雨期になると湖面に水が溜まり鏡となって空を映し出す「鏡張り」が有名ですが、日本からウユニまでの道のりも含めて、2014年ウユニ塩湖の雨期を現地からお届けします。

皆さんお久しぶりです。世界新聞デスクの松崎敦史です。GIGAZINEで書かせてもらうのは、2年前の世界一周バックパッカ―を1年間したらこんな冒険が待っていたまとめ以来になります。


僕は今、ボリビアのウユニ塩湖にいます。雨期(12月〜3月頃)のウユニ塩湖を取材するため、思い切って地球の裏側まで行ってきました。

今回のルートです。赤印がウユニ、青印が経由地、赤線のみ陸路(黄線は空路)。日本→メキシコシティ→リマ→サンタクルス→ラパス→ウユニと40時間の長旅になりました。

より大きな地図で 日本→ウユニ を表示

航空券はバックパッカー御用達のskyscannerで取りました。様々なサイトで探しましたが、アエロメヒコランチリで往復約20万円というのが一番安かったです。


生後3ヶ月の息子と嫁が見送ってくれました。


成田空港に到着すると、アエロメヒコのカウンターには出発3時間前にも関わらず長蛇の列が。主に南米方面へのツアー客が多いようでした。


最後の日本食は「一番ボリビアで食べられそうにないもの」ということで天丼にしました。


1月25日15時25分。いよいよ出発です!


アエロメヒコということで、おいしいメキシカンを期待していましたが、出てきたのはすき焼。お味のほうは……出鼻をくじかれたのは否めません。


約13時間でメキシコシティに到着。メキシコシティでは乗り継ぎであっても入国が必要でしたが、日本人はビザが免除されているので安心。


海外に来たなぁ……と思う瞬間でした。


お次はランチリ航空でリマへ。ランチリは南米を旅する時、利用する機会が多い航空会社です。


約6時間でペルーの首都リマに到着。


いよいよ、ボリビアに入ります。ラパスの前に、第二の都市サンタクルスを経由(降機はなし)します。


1月26日5時35分。ラパスのエルアルト国際空港に到着。ちなみにここは世界で一番標高の高い(4061m)国際空港です。


高山病にビビっていましたが、予防薬のダイアモックスを服用していったおかげか、割と元気。品川のトラベル外来で処方してもらう様子は世界新聞に掲載しています。


ボリビアは南米諸国の中でも特に、先住民が占める割合が多い国です。


ラパスの治安はお世辞にもいいとは言えません。僕も夜、チンピラ風の男に絡まれかけました。


ラパスで一日休養して、夜行バスでウユニへ。日本から直接ボリビアに入る際は高山病対策として余裕をもって旅程を組むことをオススメします。


座席はこのようにほぼフラットに倒れるタイプ(CAMAと呼ばれる)で約2500円、ウユニまでは所要約12時間です。しかし、朝方バスが動かなくなり……


前方に渋滞が……。


原因ははるか前方の、ここのようです。歩いて見に行って見ると……


バリケードが!


なんでも、ウユニの街の人々が政府に対して、生活改善のために行ったストライキとのこと。ただ、物々しい空気は一切ありません。


結局、バスを降ろされ、残り数キロを歩くことに。そして、日本から約40時間かかって……


ウユニの街に到着。今回の一件に限らず、ラパス→ウユニ間のバスは大幅な遅れ、運休の可能性があるので注意が必要です。


早速、日本人御用達の「穂高」というツアー会社で車をチャーターして塩湖へ!この時期のウユニは日本人で溢れかえっており、個人でも当日のツアーに参加することが可能です。チャーター料金は1人約1400円。


塩湖のはじまりはこんな感じ。岸から近い場所は水が多く湖面も汚れているため、鏡張りは見えません。


鏡張りが見える条件は下記です。

・雨期(12月〜3月頃)※左記以外でも雨が降れば鏡張りは見られるようです
・風が強くない
・水が張っている(デスクが滞在中3日くらい雨が降らないことがあり、そうなると鏡張りは見られませんでした)

それでは、2014年雨期のウユニ塩湖の画像をご堪能ください。

・昼の鏡張り
岸から離れると、水深は浅くなり鏡張りが姿を現します。計6回塩湖に行きましたが、この日の鏡張りのコンディションは「最高」と言えるものでした。


ダカールラリー2014の彫像が建てられていました。もちろん塩でできています。


湖面に人文字で「UYUNI」


塩が結晶化して、湖面がこのような模様になります。


車は鏡張りの中をゆっくり進みます


車の中から


ルーフから


ウユニ塩湖では日本ではお目にかかれないような、不思議な雲が次々出現します。雲がなければ鏡張りは味気ないものになります。雲こそが鏡張りの名脇役と言えるでしょう。


誇張抜きで雲の中を歩いているような錯覚に陥ります。


ふたつの太陽もウユニ塩湖ならでは。


今回、世界新聞ではウユニ塩湖で様々なお馬鹿企画を行いました。

ウユニの塩を精製しておにぎりを作って食べたり……


鏡張りでスカートは覗けるのか実験してみたり……


バタフライしてみたり……。


・夕日の鏡張り
この日は雲が少なく、穏やかな夕日となりました。


雲の奥に映っているのは山


こうやって鏡張りを歩いていくと、ここは本当に地球か?と疑いたくなります。


ほんのり雲がピンク色に染まっていることがわかります。


波紋を立てて遊んでみたり。


途中から風が出てきて鏡張りは姿を消しましたが、代わりに光の帯が出現しました。行ってみないとどんな表情を見せるかわからない。ウユニ塩湖の魅力のひとつです。


以下は別日の夕日。夕日の鏡張りは雲が少ないと、穏やかに。多いとこの日のように激しい表情を見せます。


夕日の変化のスピードは速く、刻一刻と表情を変え、


ふたつの太陽が沈んで行きます。


ウユニ塩湖は、40時間かけて地球の裏側まで見に行く価値のある、まさしく「絶景」でした。

文:松崎敦史
写真:松崎敦史、Kizuki Bansho、Sato
監修:世界新聞
http://sekaishinbun.net


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in 取材,   ピックアップ, Posted by logc_nt

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