Ubuntu搭載スマホの実現に向けて世界的なスマホ製造メーカーとの提携にUbuntuが成功、ここまでの流れをまとめてみました


Ubuntuを開発するCanonical社が、中国の魅族(Meizu)とスペインのbqというスマートフォン開発大手二社と提携してUbuntuのスマートフォン向けOSを搭載する「Ubuntu Phone」を共同で開発することを発表しました。Ubuntu Phoneの実現に向けて大きく前進したと言えそうですが、そもそもUbuntu Phoneとはどのようなスマートフォンなのか、その経緯についてまとめてみました。

Canonical announces first partners to ship Ubuntu phones around the globe | Insights
http://insights.ubuntu.com/news/canonical-announces-first-partners-to-ship-ubuntu-phones-around-the-globe/

Ubuntu for Phones – Analysis for Potential and Visual Breakdown - The Industry
http://theindustry.cc/2013/02/18/ubuntu-for-phones-analysis-for-potential-and-visual-breakdown/

Ubuntu Edge | Indiegogo
http://www.indiegogo.com/projects/ubuntu-edge

Ubuntuは南アフリカの実業家・マーク・シャトルワース氏が率いるCanonicalが開発する、LinuxをベースとしたOSで、「誰にでも使いやすい最新かつ安定したOS」という開発目標のとおり、無料で使え、かつ使いやすいこともあって世界中で利用されています。

そのUbuntuがモバイル端末用の「Ubuntu Phone OS」を開発していることを明らかにしたのは2012年2月に開催された携帯電話の展示会Mobile World Congress(MWC)2012でした。CanonicalはMWCの会場で、Android OSを搭載するスマートフォンで動く「Ubuntu for Android」のデモを披露しています。


そして2013年1月、Ubuntuが目指すUbuntu搭載スマートフォン用は、モバイル端末に特化したOSではないことが明らかにされました。シャトルワース氏は、モバイル端末・デスクトップ・ワークステーションなどあらゆるデバイスで使われるUbuntu OSをすべて統合する意向であることを表明します。

Ubuntu for phones - Industry proposition - YouTube


2013年2月に開催されたMWC2013では、新たにスマートフォンだけでなくタブレット端末でも動かせる「Ubuntu Touch」が発表されました。iOS・Androidに次ぐ「第3のOS」の座を争うライバルのFirefox OSTizenと比較して圧倒的な完成度の高さを誇るUbuntu Touchは、iOSやAndroid OSとはひと味違った独自のUIレイアウトもあって一躍、世間の注目を集めました。


Ubuntu TouchがどのようなOSでどんな操作感なのかは以下のムービーでよく分かります。

Ubuntu Phone OS Demonstration by Mark Shuttleworth at CES 2013 - YouTube


Ubuntu Touchは大きなアイコンが特徴的。


アイコンの他に操作ボタンは一切ありません。


Ubuntu Touchは、画面4辺をスライドさせることで各種操作ができる仕組み。これは底辺のタスクバーを表示させたところ。


画面左側からはアプリのアイコン。


一応、iOSやAndroid OSのユーザーが戸惑わないようにホーム画面も用意されています。


このムービーの2分30秒あたりから設定画面の表示方法が紹介されています。

Ubunto OS on Google Nexus S Hands On at the CES 2013 - YouTube


画面上側をスライドさせると……


ネットワークやバッテリー状況など各種情報を表示可能。


左右にスライドさせながら画面下までバッテリー情報を引きずり下ろすとこんな感じ。


こちらはタブレット端末で動くUbuntu。THE VERGEの評価は「Windows 8・Android・Kindle Fireをミックスしたような感じ」

MWC2013で好評を得たCanonicalは2013年6月に、スマートフォン市場でUbuntu OSをより振興させるべく業界団体Ubuntu’s Carrier Advisory Group(UCAG)を発足させ、これにVodafoneやVerizonなどの通信キャリアが参加し、2014年2月現在、UCAGは16社を抱える団体にまで成長しています。なお、UCAGに参加した通信キャリアはUbuntu OSに関する情報を優先的に受け取ることができるとのこと。


さらにCanonicalは、OSの開発だけにとどまらずハードウェアの設計まで含めて「Ubuntu Phone」を開発することを計画し、2013年7月、クラウドファンディングサービスIndiegogoでオールUbuntuスマートフォン「Ubuntu Edge」の開発資金として3200万ドル(約30億円)を募集します。


Ubuntu Edgeがどのようなスマートフォンかは以下のムービーから。

Ubuntu Edge: introducing the hardware - YouTube


このエッジの効いたデザインのスマートフォンがUbuntu Edgeです。


一体成型の金属フレームは高級感にあふれています。


Ubuntu Edgeはデュアルカメラを採用。


4.5インチの液晶の両サイドにはデュアルLTEアンテナを装備。


世界最速のマルチコアプロセッサを採用予定で、メモリは4GB、ストレージは128GBと驚異的なスペック。


Ubuntu OSアプリだけでなくAndroidアプリも動かせる仕様。


安っぽい既製品とは一線を画する高級かつ高性能のスマートフォンUbuntu Edgeをシャトルワース氏は「F1マシン」に例えました。圧倒的な高性能と高級感あるデザインを低価格で実現するためには3200万ドル(約30億円)の大金が必要であるとシャトルワース氏は訴えましたが、残念ながら1280万ドル(約12億円)の出資しか集まらずプロジェクトは失敗。なお、Ubuntu Edgeプロジェクトでは695ドル(約6万3000円)の出資でUbuntu Edgeが1台ゲットできる予定でした。

ハードウェアまで含めたスマートフォンの開発は断念したCanonicalでしたが、その後もUbuntu OSを搭載するスマートフォンを製造するメーカーを模索し続け、ついに魅族とbqとの提携に成功したというわけです。

なお、魅族は中国では若者を中心に大人気のスマートフォン「MX3」を販売しており、MXシリーズは高性能モデルとして中国国内ではiPhone以上の人気を博しています。


魅族とbqの大手携帯メーカーとの提携を成功させたことで、Ubuntu OSを搭載した「Ubuntu Phone」が近く登場するのは確実になったと言えます。ただし、2013年のCanonicalの決算発表によると、収入は大幅に増えたものの赤字は2倍の2100万ドル(約21億円)に膨らんだとのこと。経営状況は順風満帆というわけではなさそうなCanonicalですが、魅力的なUbuntu Phoneの発売になんとかこぎ着けてくれることを期待しましょう。

・つづき
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