ネットサービス

1ワードあたり約1.4円のスピーディーで高品質な翻訳サービス「Unbabel」


Google翻訳などのオンライン翻訳サイトは手軽に利用できて便利なものですが、実際に翻訳された文章を読んでみると表現が不自然だったり、文章が難解すぎてさらにもう一度翻訳が必要と思わされることもよくあるものです。そんな機械翻訳のウィークポイントを人間がフォローすることで素早く翻訳を行ってくれるのが「Unbabel」のサービスです。

Unbabel - Machine + Crowd Translation you can trust
https://www.unbabel.com/

Unbabelでどのような翻訳ができるのか、無料で提供されているサンプル翻訳で確認してみました。「こっちでは何日間もずっと大雪が降り続いているよ。そちらでは大したことがなければいいんだけど。じゃあね」という英語のメッセージを入力し、翻訳を受信するためのアドレスと翻訳したい言語を選択、最後に「Request Translation」をクリックすると、Unbabelに依頼が送信されます。


しばらくすると、指定していたメールアドレスに翻訳結果が到着。指定したフランス語に変換された訳文と英語の原文がメール本文に記載されていました。


機械翻訳と人力翻訳を組み合わせる翻訳には、日本の企業が提供している「ワールドジャンパー」のサービスなどがありますが、Unbabelのサービスの特徴は、翻訳のスピードをより速くするための仕組みにあります。Unbabelが翻訳を行うプロセスは以下のようなものとなっています。


まずは翻訳のもとになる文章を入力すると、コンピューターによる機械翻訳が行われます。


次に、機械翻訳された文章は「エディター」と呼ばれるUnbabelに登録している複数の翻訳校正者のもとに届けられ、機械翻訳ではカバーできない表現や誤訳を修正する作業が行われます。興味深いのは、この時に最も早く対応したエディターの翻訳が採用され、報酬が支払われるという仕組みです。報酬を得たいエディターは早く仕事を完了するように努力することになり、依頼者はより早く翻訳文を得ることができます。


完成した翻訳はメールで依頼者のもとへと届けられます。翻訳文の品質を評価することも可能で、早さだけでなく品質面への取り組みが行われているのもポイント。このようにUnbabelは機械翻訳によるスピードと人力翻訳による品質ときめ細かさの両方を兼ね備えようというシステムになっています。翻訳の料金はユーロで支払うことになっており、1ワードにつき1セント(約1.4円)となっています。


機械翻訳による翻訳をチェックするエディターは、1件につき最低でも3名が確保され、品質を確保できるようになっています。エディターにはPCやタブレット、スマートフォン上などで作業を行える環境が用意されており、スピード向上に向けての仕組みが構築されています。


実際に翻訳を依頼する際には、エディターに翻訳時の注意点などの注釈を添付したり、文体を「くだけた感じ」「フレンドリー」「ビジネス」「フォーマル」から選択することも可能になっています。


翻訳の場合にとても重要になるのが、専門用語や表現などをデータベース化して翻訳の品質を上げる「翻訳データベース(翻訳メモリ)」なのですが、Unbabelがこの点をどのようにしてカバーしているのかが気になるところ。Unbabelが現在サポートしている言語は英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、トルコ語の6言語となっており、日本語は含まれていません。ウェブサイト上では今後はもっと多くの言語に拡大していくと記載されているので、日本語対応に期待したいところです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Google Glassで見ただけで外国語を翻訳して表示してくれるアプリが登場 - GIGAZINE

ゲームを全世界展開したい開発者向け、よく使うフレーズを世界各国の言語に翻訳するとどうなるのか一覧表 - GIGAZINE

テキストを入力すると瞬時に手話CGに変換するソフトをNHKが開発中 - GIGAZINE

NTTドコモから「通訳電話」機能と「お願いを聞いてくれるゾウ」のサービスが参考出展 - GIGAZINE

Kinectを使用して音声と手話をリアルタイムで翻訳する技術をMicrosoftが開発中 - GIGAZINE

急速に進化し続けるテクノロジーは人間から仕事を奪ってしまうのか - GIGAZINE

in レビュー,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.