大手出版作品は「満足度は低いのに値段が高い」、個人出版作品は「満足度が高くて値段が安い」などオンライン書店の事実が判明

By StevenScrivello

インターネットを使った小売業のビジネスモデルでよく知られている概念に「ロングテール」があり、従来に比べて規模の小さなビジネスでも効果的に商品を販売しやすい体制が構築されてきています。アメリカの作家であるヒュー・ハウィー氏が行った調査では、Amazonで販売されているベストセラー書籍の半数以上は、すでに大手出版社ではなく個人出版による作品であるという、オンライン販売を象徴するような事実が明らかにされました。

The Report – Author Earnings
http://authorearnings.com/the-report/

ハウィー氏による分析の結果、Amazonのベストセラーリストに含まれている作品数を出版形態別に分類したグラフは以下のような結果となり、「Indie Published」と書かれた個人出版作品が全体の35%を占め、通称「Big Five」と呼ばれる大手出版社の28%を上回る結果となっていました。さらに中小規模出版社の15%を加えると、全体の50%が非大手の作品で占められているということにもなっています。


次に、上記グラフと同じジャンル毎の作品売上件数をプロットしてみたのが以下のグラフです。大手の比率は34%に上昇しているものの、個人出版作品が39%でトップをキープしていることがわかります。


そして興味深いデータがこれ。出版形態別の作品満足度(左)と平均売価(右)をそれぞれ表してみたのが次の2つのグラフです。


個人出版作品は高い満足評価を得ていながらも、価格は低く抑えられていることがわかるのに対し、一方の大手作品は「満足度は低いのに値段が高い」というまったく逆の状態となっています。個人出版作品が読者のニーズをより良く反映したうえに安く販売していると言い換えることもでき、このことが個人出版作品の成長を裏付けているということができそうです。


売上高で比較したグラフでは、大手出版社による売上が52%と全体の半数を超えるボリュームを持っていることからも、両者の価格の違いを感じ取ることができます。


なお、ここで引用されたデータは「ミステリー/スリラー」「SF/ファンタジー」「ロマンス系」の3つのジャンルのものを使用。これらのジャンルはAmazonのベストセラー100タイトルの70%を占めており、上位1000タイトルにおいても約半数を占めるという、最も売れているジャンルとなっています。

このほかにも、「AmazonベストセラーTop100における、フォーマット分布グラフ」では、Kindle向けのデータ販売が9割以上を占めている現状がわかったり……


作者に支払われるお金の総額のうち、47%は個人出版作品の販売によるものであることなどが明らかにされています。


このように、電子書籍の現状を垣間見ることができるデータ集となっているので、詳細に把握したい人にとっては一見の価値ありです。

・関連記事
セルフパブリッシング(自己出版)がここ5年間で約4倍に増加 - GIGAZINE

Amazonをロングテールモデルで成功に導いたジェフ・ベゾスCEOの名言20個 - GIGAZINE

Amazonが「Kindle自動販売機」を空港などに設置し始める - GIGAZINE

「STOP!! Amazon!!」、書籍の値引販売をAmazonが止めないので出版社51社が除外を要望 - GIGAZINE

Appleが電子書籍価格の違法操作で約858億円の損害賠償を請求される - GIGAZINE

Amazonのジェフ・ベゾスCEOがワシントン・ポストを約250億円で買収 - GIGAZINE

GIGAZINEの10周年記念書籍「未来への暴言」ができるまでのメイキング舞台裏まとめ - GIGAZINE

54

in ネットサービス,  メモ, Posted by logx_tm