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Facebook広告は詐欺だと主張するムービーがYouTubeで90万再生突破


Facebookページには「投稿の広告を出す」というアイコンが存在します。この項目をクリックしてFacebookにお金を支払えば、ページを広告ターゲットのフィードに表示させることができるので、この機能は企業や著名人などのマーケティング活動にしばしば活用されているようです。そんなFacebook広告を、「Facebook Fraud(詐欺)」だと主張するムービーがYouTubeにアップロードされ、再生回数が90万再生を突破しています。

Facebookページの広告機能は以下のようになっており、ボタンの上にマウスカーソルを持って行くだけで表示されます


そして以下が爆発的再生回数となっている問題のムービー。

Facebook Fraud - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=oVfHeWTKjag


VirtualBagelは4000近い「いいね!」を集める人気のFacebookページです。


このページはBBCの技術工学特派員であるRory Cellan-Jonesさんが、Facebook上では「どのような要素により『いいね!』が集まるのか」を探るために2012年に作成したページで、彼はこのページを運用することで「いいね!」を集めるための正当な方法と、不当な方法を見つけ出したそうです。


違法な方法というのは、BoostLikes.comのようなサイトで「いいね!」を購入するというもので、70ドル(約7200円)を払えば1000の「いいね!」をゲットできます。


これらのサービスはインド・フィリピン・ネパール・スリランカ・エジプト・インドネシア・バングラデシュなどの低賃金労働者を雇って「いいね!」をクリックさせているようで、労働者は1000回「いいね!」をクリックすることで1ドル(約100円)の収入を得ているそうです。こういった行為が行われていることをFacebook側も熟知していたようで、現在「いいね!」の売買は禁止されています。


これらの違法な方法の代わりに、Facebookにお金を払いページを宣伝してもらうことで「いいね!」を集める方法を「正当な方法」としてCellan-Jonesさんは推奨しています。この方法をとれば、「いいね!」をクリックしてくれる見込みのあるアカウント上に、ポストが頻繁に表示されることになります。VirtualBagelは実際にこの方法で4000近い「いいね!」を集めたとのことで、ページを運用しているCellan-Jonesさんはこの宣伝のためにFacebookに100ドル(約1万円)を支払ったと記述しています。


Cellan-Jonesさんはイギリスやアメリカといった先進国だけでなく、エジプト・インドネシア・フィリピンといった国々の人たち向けにもVirtualBagelの広告を出したそうで、その結果、VirtualBagelはエジプト・インドネシア・フィリピンといった国のアカウントから多くの「いいね!」を得ることになります。「いいね!」の増加スピードはすさまじく、たった1日で1600以上の「いいね!」が開発途上国のアカウントからクリックされたそうです。


しかし、VirtualBagelのページを「いいね!」したアカウントは怪しいものが多いとVeritasiumは主張します。例えば、VirtualBagelを「いいね!」をしているユーザーの1人は、カイロ在住の「Ahmed Ronaldo(アフマッド・ロナウド)」という人物。彼のアカウントではCristiano Ronaldo(クリスティアーノ・ロナウド)の写真が多用されており、3000を超えるFacebookページに「いいね!」をしていたそうです。こういったアカウントが普通のユーザーに運用されているアカウントなのかどうかはかなり怪しいところ。


さらに、ムービーを製作したVeritasium自身も「Facebook詐欺」を体験したことがあると言います。彼は数年前、Facebookから「無料で50ドル相当の広告をだしませんか?」というメールを受け取ります。


この頃Veritasiumのページには「いいね!」が2000ほどしかなかったので、この広告を試してみたそうです。ページの「いいね!」数は1日当たり1000程度ずつ増え、数ヶ月後には7万を超える「いいね!」が集まり、VeritasiumのYouTubeチャンネルを登録しているユーザー数とほとんど同じ数の「いいね!」が集まったとのこと。しかし、「いいね!」が2000しかなかった頃と比べ、Facebookのポストに対するFacebookユーザーの反応は変わらないどころか徐々に悪くなっていったそうです。その時は、なぜYouTubeムービーへの流入が増えないのか分からなかったそうですが、今思えばFacebook広告で得た「いいね!」は本当にVeritasiumに興味を持っている人たちからのものではなかったからだ、とVeritasiumの運営者は言います。


Veritasiumが怪しげなアカウントからの「いいね!」が増えていることに気づいたのは、偽物のアカウントと本物のアカウントとでは行動が全く異なったため、だと言います。

この丸はVeritasiumのFacebookページを「いいね!」しているアカウントを国別にまとめたもので、丸の大きさがアカウント数を示しており、これはカナダからの「いいね!」総数を示しています。


その下の大きい丸がアメリカからの「いいね!」。


丸の下に表示されているパーセンテージは、各国のアカウントがどれくらいの割合でVeritasiumのポスト対してに「いいね!」やコメント、共有などをしているかを表しており、西洋諸国のアカウントは平均すると25~35%の割合でポストに反応してくれます。


これに対して、エジプト・インド・フィリピン・パキスタン・バングラデシュ・インドネシア・ネパール・スリランカといった国々のアカウントはほとんどポストに反応しません。これらのアカウントは、Facebookページの広告を出したあとに「いいね!」してきたアカウントであり、「役に立たないどころかたちの悪い存在だった」とVeritasiumは言います。


ただ「いいね!」が増えるだけでは効果がない、というのはFacebookのポスト配信方法と関係しています。あるFacebookページが何かをポストした時、Facebookはそのページを「いいね!」しているアカウントの一部にこのポストを表示します。そしてこのポストに対してユーザーが「いいね!」やコメント、共有などの反応を示すと、さらに広範囲のユーザーにポストが広がっていくことになります。

もしもFacebookページに「いいね!」をしているものの、ポストには全く反応しない「偽物アカウント」が増えている場合、「いいね!」をしてくれる本物のアカウントにまでポストが届く確率が減るので、Facebookを通してウェブページの更新などを知ってもらう機会が減少してしまうわけです。さらに悪いことに、「偽物アカウント」からの「いいね!」を削除する方法はないとのこと。


「偽アカウント」の多い国を除外して広告を出せばいい、と思うかもしれませんが、それで得られた「いいね!」は、1つ当たり25セント(約26円)の費用がかかり、さらに「いいね!」をしてくれたアカウントのほとんどは「ジープもレクサスもベンツもボルボも好き!」だとか「キッチンたわしが好き!」だとかいうなんとも怪しげなアカウントであったとVeritasiumは言います。そして、これらのアカウントがポストにしっかりと反応してくれることはなかったそうです。


これらの理由から、Facebookページの広告を出すことは金銭の浪費だ、とVeritasiumは主張しています。Facebookがこれらの「偽物アカウント」を削除することを望んでいる、とVeritasiumは言いますが、「これらのアカウントを削除する、ということは広告収入のために『偽物アカウント』を作成したことをFacebook自身が認めるようなものなので、そういったことにはならないだろう」と締めくくっています。

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