他人からネット回線の帯域を分けてもらって回線を爆速化できる「BeWifi」

インターネットを利用していてストリーミングムービーを視聴するときなど重い作業をするときに回線速度の遅さにイライラすることはよくあるもの。外出先ではなおさらです。そんなときにふと頭をよぎる「回線の帯域に余裕のあるユーザーから帯域を分けてもらうことができればいいのに」という願いをかなえる、ユーザー間で帯域の融通をしてくれる“帯域の元気玉”とでも言うべき帯域共有サービスが「BeWifi」です。

BeWifi
http://www.bewifi.es/

BeWifi lets you steal your neighbor’s bandwidth when they’re not using it | Ars Technica
http://arstechnica.com/business/2014/01/bewifi-lets-you-steal-your-neighbors-bandwidth-when-theyre-not-using-it/

帯域を分け合って快適なネット環境を実現してくれるBeWifiのコンセプトは、このムービーを見れば良く理解できます。

BeWifi (english) HD on Vimeo
http://vimeo.com/61090627


ネットを使っていて回線速度が遅くて困ることはよくあること。

帯域はユーザーに対してだいたい平等に分配されているので……

みんなが同時に重い作業をすれば帯域不足は避けられません。

しかし、帯域を限界まで使うのはごく一部の時間に限られていて、余裕があるときも多いものです。

実際にはいつもどこかで多くの帯域が余っています。

その余っている帯域を、その瞬間に必要とする人に分け与えることができたら、帯域を分けてもらった人の回線速度は爆速になるはず。

そんな世界を実現するのがBeWifiです。BeWifiネットワークを利用するには専用のルーターを用います。

BeWifiユーザーは帯域不足の場面になると他のBeWifiユーザーから帯域を分けてもらえます。もちろん、自分が必要ない場合は、自動的に必要とする誰かに回線を分け与える番です。

BeWifiは、ローミングエリア内であれば家庭内・屋内だけではなく外出中でも帯域を分けてもらえるため、出かけた先での高速モバイル通信も可能。

そんな賢い帯域の使い方を実現し、みんなに快適なネット環境を与えてくれるのがBeWifiです。

BeWifiは、スペインのバルセロナに拠点を構えるTelefonica's researchが開発中の帯域共有サービスです。専用ルーターを使用することで、回線の帯域をプライベートな部分とBeWifiネットワークで共有する部分に分けることで、最低限利用できる帯域を確保しつつ……

ローミングエリア内であれば、他のBeWifiユーザーの余っている帯域を割り当ててもらうことが可能な仕組みで、利用者が増えるほど、安定したネット環境の構築ができるとのこと。

また、帯域は分配しあうものの政府機関レベルのセキュリティ対策がなされており、安心してネット利用ができるとされています。

実際にバルセロナで行われた試験では、1000人を超えるユーザーがBeWifiネットワークを体験。ネット速度を大幅にアップさせることに成功しており、あるケースでは、自分のネット回線が停電によって停波状態だったにもかかわらずBeWifiネットワークを利用していたため停電に気づかなかった参加者もいたとのこと。

Telefonica's researchは、BeWifiがより有効に機能できる場所としてネットインフラが貧弱で回線速度の高くない南米の14カ国・2億以上の世帯に対してサービスを提供するべく開発を続けていく予定です。