メモ

ブロガーはジャーナリストとして権利が保障されるという判決が下される

by Mike Stenhouse

2014年1月17日(金)に行われた裁判で、言論・表現の自由を保障する合衆国憲法修正第1条に関してブロガーはジャーナリストと見なされる、という判決が下されました。この判決によると、例え正式な報道機関に属していない人でも、憲法上はジャーナリストと同じ権利が保障され、例えば家に帰って趣味でブログを書いている人でも法律上はジャーナリストとして扱われることになります。

U.S. Court: Bloggers Are Journalists - Robinson Meyer - The Atlantic
http://www.theatlantic.com/technology/archive/2014/01/us-court-bloggers-are-journalists/283225/



同判決はブログの記事について名誉毀損で訴えられていたCrystal Coxさんの事案をめぐるもの。2010年、自称「調査ブロガー」のCrystal CoxさんはObsidian Financeとその提携会社について脱税やマネーロンダリングの疑いがあるとして記事を投稿しました。記事は「obsidianfinancesucks.com(Obsidian Financeはクソ・ドットコム)」と名付けられたウェブサイト等に掲載されたため、Obsidian社およびパートナーであるKevin Padrick氏はCoxさんに対し訴えを起こしました。

審議の結果、オレゴン地方裁判所のMarco Hernandez判事は「Coxさんのブログ記事はかなり誇張があるものの、1つの見解であるため、大部分は名誉毀損とは見なせない」としつつも「ただ1つの記事は除く」として、およそ250万ドル(約2億6000万円)の賠償金をObsidian社およびKevin Padrick氏に支払うよう命じました。

オレゴンの判決では「ジャーナリストとは何か」という点が争われましたが、同判決によれば以下の性質を満たすことができなければジャーナリストではないとのこと。

・ジャーナリズム分野における教育を受けたか
・公的に認められた報道機関との関係を裏付ける文書または証拠があるか
・編集や事実確認、利権衝突の開示といったジャーナリズムの規範に従っていたという証拠があるか
・会話及びインタビュー中にメモをとっていたか
・被告と情報源との間に、機密保持の相互理解または合意があったか
・他の人の文章や掲載物を集めただけのものではなく、独立して作られた作品であるか
・両サイドの話を入手するために「反対側」にも接触したか


またCoxさんはObsidian Finance Groupの脱税について情報源を匿名としており、オレゴンのメディア保護法によって保障されていたのですが、Hernandez判事はCoxさんが「月2500ドル(約26万円)で記事の掲載をやめる」と主張したために法の適用を認めないとしました。

この裁判についてはニューヨーク・タイムズの記者David Carrさんが「Coxさんは物語の全体を伝えていない」として記事のジャーナリズムを否定しており、ジャーナリストとは何か、ということが大きな論点となりました。

by Stephan Geyer

しかし上告の結果、2014年の1月17日に第9巡回裁判所が上記判決を覆したのです。これには2つの判例が関係しています。1つは1964年に下された最高裁判所の判決で、「ニセの情報が『本当の悪意』によって流された場合にのみ、著名人は名誉毀損で相手を訴えることができる」というもの。もう1つは1974年に下された判決で、「個人に関する誤った情報が不注意で流された場合も名誉毀損とすることができる」というものです。

これらに照らし合わせると、Obsidian社やKevin Padrick氏は著名であり、Coxさんの投稿は大衆の関心事を扱ったものであるから悪意のあるものとは認められず、また不注意によって流されたものでもないため名誉毀損とすることはできないとのこと。

「個人に関する誤った情報が不注意で流された場合も名誉毀損とすることができる」という1974年判例は、Coxさんが報道機関の一部でないと考えられた時、適応されないものです。では、いちブロガーであるCoxさんはジャーナリストなのか?というと、判決を下したHurwitz判事は「これまで最高裁判所が特定の報道機関以外に1974年判例を適用したことはなく、合衆国憲法修正第1条が問題になるような名誉毀損の大きな事案でしか用いられなかった」としつつも、「制度化された報道機関かそうでないかについて、我々は線引きを行わない」と述べました。そして「インターネットの出現で出版物や放送メディアは衰退し、伝統的なメディアと政治的・社会的話題にコメントする人の境界線はあいまいになった」としてブロガーであるCoxさんを合衆国憲法修正第1条においてジャーナリストとみなしたというわけです。

by Chris Corwin

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