自然体で役を演じた諸星すみれさん&加隈亜衣さんに映画ヨヨネネについてインタビュー


明日12月28日から公開される映画「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」について、平尾隆之監督への長時間のインタビュー韓国での舞台挨拶レポートなどを掲載してきましたが、最後を締めくくるのは、主役のヨヨ役を演じた諸星すみれさん、ネネ役を演じた加隈亜衣さんへのインタビューです。お二人が役を演じるにあたって心がけたことはあったのか、アフレコはどのように進んだのかなど、監督にも同席してもらって話を聞いてきました。

魔女っこ姉妹のヨヨとネネ
http://www.majocco.jp/

インタビューに答えてくれた加隈さん&諸星さん


GIGAZINE(以下、G):
12月16日に実施した舞台挨拶・アフタートークありの上映会は満席になり、しかもチケットは40分ほどで完売したとうかがいました。

平尾隆之監督(以下、平):
すごいことで、ありがたいですね。原作は知名度が高い方ではないので、その中で人に集まってもらえたのは、広く宣伝してもらえたからだと思います。

G:
宣伝面でいうと、加隈さんは応援団長として徳島のイベントにも参加したりしましたが。

加隈亜衣(以下、加):
「人に知ってもらう」ということがどんなに大変なのか、色々なイベントなどに参加させていただいたことで実感していたので、40分で完売したと聞いて「広まってたんだ」と思いましたし、テレビでCMが始まったのは最近なので、先行上映会に来てでも見たいと強い思いを持っている方がたくさんいらっしゃったんだな、と感じました。

平:
そんな中で、加隈さんにはヨヨネネの応援団長としてずっと前から宣伝を担当してもらっていて、感謝しています。

G:
諸星さんは満席の会場を見て、いかがでしたか?

諸星すみれ(以下、諸):
とても緊張しました。

G:
ステージと客席の距離も近かったですしね。

平:
マチ★アソビの先行上映会の時にも挨拶をさせていただいたんですが、今回の方が緊張しましたね。

諸:
ああやって多くの方がいらっしゃる空間に立つこと自体があまりないので緊張しましたけれど、なるべく多くの方に見ていただきたいなって思いが強いので、お客様が多かったのは嬉しかったです。

平:
新宿バルト9って来たりします?

諸:
初めてなので、ちょっと迷いました(笑)


平:
僕は、ユーフォーテーブルが高円寺にあって電車で近いこともあって、よく映画を見に来るので、いつも来ている映画館で自分の作品が上映されるということに驚いていますね。

加:
私もときどき映画を観に来ているんですが、バルト9にヨヨネネの映像が流れたりチラシが置かれたりした特設ブースがあることを知らなくて、見ていたら自分たちが喋ってる映像が流れてきて「ああっ!?」って(笑) 大きなスクリーンの方ではPVとみかこし(小松未可子さん)の歌う曲が流れていて、ちょうど前にいた女性2人組が「あ、ヨヨネネだ」って反応していたので、思わず「見て下さい」と声をかけそうになりました。

平:
すごくいいですね。

加:
興味を持ってもらっているんだなと、嬉しくなりました。


G:
今回、お二人がヨヨとネネを演じることを知ったときの感想はどうでしたか?

平:
確か、諸星さんはオーディションで最終候補に残ったんですよね。そのときは亜紀ちゃん役のオーディションだったんですが、オーディションは決まったセリフを言ってもらう形になるので、「演技の振り幅が見たい」と思って、別途、いくつかセリフを言ってもらったんです。そうして、「よし、諸星さんで行きましょう」となって……。

諸:
マネージャーさんから「ヨヨさんに決まったよ」と電話をもらったんです。ヨヨさんのような役はやったことがないので、ヨヨさんではなく亜紀ちゃんかなと思っていたので、すごくびっくりしましたが、この役ができたら自分も一歩ステップアップできるかなと思って、気合いを入れて頑張ろうと思いました。

平:
ステップアップはできましたか?

諸:
(力強く)はい!

平:
じゃあ、よかった!

諸:
本当に、いろいろなヨヨさんを演じることができて楽しかったです。

G:
加隈さんはいかがですか?

加:
私もヨヨさん・ネネちゃん・亜紀ちゃんの3役を受けさせていただきました。その時から「ヨヨさんかわいいなぁ」と、どこかネネちゃん目線で見ていたようなところはありました。ネネ役に決まったと知らせをもらったとき、周りの何人かに「似てるね」と言われて、自分では「あんなにお姉さんっぽくはないから似てないんじゃないかな」と思ったりもしましたけれど、やっていくうちにネネちゃんの大人っぽい部分だけではなく少女な部分も見えてきて……受かったときとはネネちゃんに対する印象も違っていますね。

G:
なるほど。

加:
映画は初めてだったこともあって、「私でいいのかな」という、受かったことへの不安もありました。

G:
こうして諸星さんと加隈さんが並んで喋っているところを拝見していると、姉妹キャストとしてぴったりハマっているなという印象を受けます。

諸星さん&加隈さん


平:
本当にそうなんですよ。アフレコ現場で、2人が並んでマイクの前に立っているのを見たとき、「あ、ピッタリだ」って思いました。

G:
演じてみて感じたことや、キャラクターの魅力を教えて下さい。

加:
見た目から受ける印象とは違うネネちゃんの人としての深さが丁寧に描かれていて、第一印象とは違う、いろいろな表情をするネネちゃんのことを、みなさんに知ってもらいたいなと思います。言いたいことはいっぱいあるんですが、ネタバレになってしまう部分もあるので(笑)……ヨヨさんに対する温かさを感じていただいて、ネネちゃんの良さがみなさんにも伝わるといいなと。

諸:
ヨヨさんはいろんな表情を見せてくれるキャラクターで、動きが元気でかわいいところがあるし、魔法も何もかも全力でやるところはかっこいいし、色々な面を持っているところが魅力かなと思います。

G:
ヨヨさんは“大魔法使い”で使っている魔法もすごいものなのに、「ホイ!」と軽く出しちゃうギャップもありますね。演じていく上で、監督から「こうして欲しい」と言われた部分はありますか?

諸:
「弾むような話し方で」という演技指導をいただきました。

平:
リズミカルに、踊るように喋って欲しいということを伝えました。その他は……あったっけ?(笑)

諸:
……(しばし考えて困り顔)

G:
ということは、「今の演技でOK!」という部分が多かったんでしょうか。

平:
そうですね。今回、キャラクターの生い立ちや、こういう風に喋るキャラですということをお伝えして、一部だけ「ここはちょっと上げ気味で」と指示するところもありましたが、多くはそれぞれの個性にお任せしました。当初考えていたお芝居ではないものでも、「あ、それいいな」と思ったら取り入れていくような形にしました。なので、あんまり「こう指導した、指示した」という部分はないんです。お二人を選んだ時点で、声の質が合うだろうと思っていたので……。

加:
私も収録中にはあまりディレクションをいただくことはなかったですね。収録が終わったあと、インタビューの中で監督が私の声には「暗さ」があるということを仰っていて……これは周りの人やマネージャーにもいわれることがあることで悪い意味で捉えていないので大丈夫です、「陰陽」の陰のタイプということですね(笑)、それもあって、いわゆる「か弱い役」をいただくことが多かったんです。もし事前にこの話を聞いていたら、暗さを求められているんだと考えて演技していたと思うので、先に聞かなくて良かったと思いました。

G:
なるほど、「2人がこうやって演技しているのだから、これでOK」という感じだったと。

平:
計画通りです!……いやいや、本当に、今回はオーディションで声に合う方を選んでいるので、キャストを選んだ時点でキャラクターに個性が生まれてくるのであれば、それを伸ばしていった方が自然に感情が入るんじゃないかと考えました。「そのシーンは、そういう感情ではないんです」といってしまうのではなく、セリフとお芝居で出てきたものをまずは聞いてみようと。そうすると、「……これでいけるな」と。


G:
監督が思い描いていたよりもいい演技が来て「よし、このままゴーだ!」という場面もあったのでしょうか。

平:
そうですね、多かったですね。(2人に向かって)ありがとうございました。

G:
ということは、アフレコも順調に進みましたか?

平:
アフレコは3日間でしたっけ。

加:
そうですね、順調かどうかは映画が初めてなもので……

平:
映画だと1週間かかるときもあるので、順調ですね。

諸・加:
よかった!

加:
アフレコだと、ヨヨさんが水晶玉を持って「ネネちゃんと連絡、取ってみるです」のところは凝りましたよね。

平:
そうそう、弾むように言うやつですね。

諸:
ヨヨさんが持ち上げた水晶玉を落としそうになりながら言うセリフなんですが、最初は途中に「連絡、うわっ!、取ってみるです」とアドリブを入れて演じていたんです。でも、セリフ自体を弾みながら言うのも面白いなと思いながらやりました。

平:
セリフ自体がリアクションになってるお芝居でしたね。もともとコンテにはなかった流れなんですが、アフレコに間に合ったところです。

G:
そんなこともあるんですね。

平:
作画の段階でこういう動きがあった方がいいんじゃないかということで取り入れられて、お芝居してもらいました。アイデアがふっと出てきたので、それを絵にして……コンテや、お渡しした台本にはなかったんじゃないでしょうか。

加:
ストレートに進んでいた気がしますね。

平:
実際に絵を見てみたらヨヨさんがパッパッパッと動いていて、たぶんびっくりしたんじゃないかな?

G:
お話を伺っていると、すごく楽しそうでいいですね。

平:
ホントに楽しかったですね。お二人はどうでした?

加:
アフレコの時点で、パートにもよるんですが、色がきれいに入っているところがいっぱいあって、キャラクターの表情もついていたりして、「この子は何をやりたいのかな?」「こんなことを思っているのかな?」というのがわかりやすくて……情報が多かったですね。

諸:
はい。

加:
そういうところは膨らませたいなというのもありましたし、監督はきっとこうしたいのかな?というヒントがいっぱいちりばめられていました。そのおかげで、ディレクション少なめでいけたのかなって思っています。


平:
お……計画通り!(笑)

G:
今の、水晶玉での通信だったり、いろいろ派手な魔法だったり、あの世界の設定には面白いところがいっぱいありますよね。

加:
空飛ぶほうきはいいですよね、あれは乗ってみたいです。すみれちゃんとは以前「魔法を使えるなら何したい?」って話をして、空を飛びたいなと。

諸:
ほうきに乗りたいなって。

平:
今回、ヨヨさんが空を飛ぶシーンで「クイックルワイパーで飛ぶのは珍しいね」と言ってもらえたのは嬉しかったです。魔女といえばほうきで空を飛びますが、現代だと何だろうと考えて作ったので。

加:
ほうきのかわりですもんね。

G:
消火器にまたがったりもしていました。

平:
「消火器でも飛べるんだ」というのが出せました。

加:
あっちの世界とこっちの世界だと、食べ物の対比も面白かったです。

諸:
ヨヨさんが焼きそばを食べてるとき、ネネちゃんが作ってた……

加・諸:
(ハモって)ミニマンモス肉の磯辺揚げ!

諸:
あれ、食べてみたいです。


G:
食べ物といえば、孝洋の作る「俺そば」も印象的です。

加:
ヨヨさんも作るところをすごい顔で見ていて、コロコロ表情が変わるからそこもかわいかったです。

平:
そう言ってもらえるとスタッフも喜びます。

G:
俺そば、ヨヨさんの反応からするときっとおいしいんでしょうね。

平:
おいしい、と、思うんですよ。実はあれは自分が昔、食べても食べても太らなかったころにやっていたメニューなんです。

G:
監督発信のメニューだったんですね!「俺そば」のインパクトは相当なものですが、ほかに、作中で印象に残ったシーンやセリフはありますか?

加:
いろいろありますね……

諸:
ヨヨさんの「目から○○」シリーズは面白かったです。おしるこ、きな粉、うどん粉……ヨヨさんらしい表現だなと思いました。

加:
それに対する健生の「うろこじゃない?」っていうセリフは、口調もあってアフレコでも笑いそうになっちゃって……(笑)


平:
健生は櫻井孝宏さんですね。まるでコピペしたかのように同じ高さで2回言ってくれて。

加:
しかも、劇場で見たら1度目は正面から、2度目は左から聞こえてきました。

平:
「5.1chの無駄遣い」ですね(笑)

加:
ネネちゃんは後半に大事なシーンがいっぱいあるので、ここで言ってしまうとネタバレになってしまうので、ぜひ見て確認していただきたいですね。

G:
前半で少しふわっとした大人の女性というイメージのあるところから、後半の見せ場でキリッとした表情もみせてくれますからね。今回、お話は原作コミックにある内容ではなく完全オリジナルですが、あちこちに「見たことがあるぞ」というネタがちりばめられていて、ニヤニヤしてしまいました。

平:
原作を読んで少しずつ「コマのこの部分をヒントにしつつ」と詰めていきました。1回見ただけでもストーリーがわかるようにと作ったつもりですが、どうでしょうか。

G:
原作未読でも何か変わったことを言っているぞと思うし、既読ならピンと反応する、というようなところはありますね。ヨヨさんでいうと「ファーストインプレッションが薄れるからディティールは聞かないです!」というセリフとか。

平:
長いセリフだけれど面白いので、あれはどうしても使いたかったんです。

G:
わかりやすいという意味では、アバンタイトル部分になりますが、ヨヨさんがほうきを乗り換えるシーンなんて、とにかくワクワクしますね。

諸:
ヨヨさんが必死でペダルをこきこきしてます。


G:
そうなんです、必死で表情もころころ変わっていて、見ていて楽しいです。

平:
スタッフが喜びます、枚数が結構かかってますから……(諸星さんに)枚数ってわかる?絵が動くときに1枚ずつ動きを作っていくので、細かく動けば動くほど枚数が必要になるんですよ。

加:
パラパラマンガみたいなものですね。

平:
枚数が多くなって分厚くなっていって、1カットでこれぐらい(2cmぐらいの高さ)になることもあります。

諸:
へえー!

平:
アバンタイトルだけでも、カット袋が10箱分ぐらいあったと言っていましたね……ヨヨさんの表情がころころ変わったりすることで、それぐらいの枚数がかかっているんです。

G:
そのあとのシーンでも、ヨヨさんが服をパッパッと替えていくところがあって「その衣装か!」と思ったりしましたが、描く側からすると……

平:
担当は「終わらないんですよね……」って頭を抱えていました。

加:
あとオープニングのタイトルバックが仕掛け絵本になってるところは見て「すごーい!」って感動しました。

平:
あれは仕掛け絵本をテーマに作ったんですが、いざ絵でやるとなると大変なんですよ。

加:
自分で引っ張って仕掛けを動かしているような感じがして、絵本を読んだときのワクワク感もこんな感じだったかも、絵本の中に引き込まれるってこういうことかと思って見ていました。すごく好きです。

平:
アイデアが出てこなくて、すごく悩んだんです。

加:
最初からああいうアイデアではなかったんですか?

平:
最初はタイトルバックはなくて、タイトルが出たあとすぐ本編に入っていたんです。でも、編集さんと話しているときに「オープニングがあった方がいいんじゃないですか」と言われたので、「じゃあ、作りましょうか」と。タイトルバックということで、世界観だとか、ヨヨさんやネネちゃんは普段何をしているのかを描こうということになったんですが、コンテを描ききったあとに作ることになったので、また1回最初に戻るみたいな感覚があり、なかなか出てこなかったんです。ずっとアイデアを探していた中で、絵本に偶然出会い「絵本っぽくしたいな」と思いついたんですが、絵本そのままというのは難しい、タイトルバックは作品の顔なので豪華じゃないといけない。どうやったら豪華になるかな?と考えて、仕掛け絵本にたどり着きました。


G:
なるほど。

平:
いっぱい本を買ってきて、「中はどうやって動いているんだろう」と分析して……タイトルバックも実際に作ったときにちゃんと動くように構造を考えて作ってあります。

加:
!! 欲しいね~

諸:
欲しい~


平:
助監督の高橋タクロヲさんとか作画担当の人とかに絵コンテを見せて「こう動くんです」って説明したら「それだと実際には動かないんじゃないですか?」と検証してくれて、形にしてくれました。

加:
オープニングとエンディングで繋がっている部分もありますよね、オープニングに出てくる大きな女の子がエンディングカットにも……

平:
そうですそうです、よく見てますね!オープニングを作った後でエンドカードを作ろうとなって、描いたのは柴田由香さんなんです。すごい人数を描いているから「えらく多いな」と思って見ていたら、オープニングの子がいたり、他にもあの人やこの人がいる、というものになっていて……すべて柴田さんのアイデアで、僕は見ていただけですね(笑)

加:
繋がっていたから、絵本を読み終わったみたいな感覚もありました。

平:
なるほど、偶然なんです(笑) それにしても、細かいところまで見てますね。

加:
映画館で見るから気付くのかなって思いました。近藤プロデューサーが「どこで止めても恥ずかしくない」と仰っていたぐらいにこだわって描かれているので、「細かいところも見なきゃ!」って。いろんなところを探すのも楽しかったりするので……。

G:
それはぜひ、みんなにもやって欲しいですね。

加:
「ウォーリーをさがせ!」みたいな(笑)

平:
スタッフが作品を楽しんでくれて、僕が細かく指示を出していなくても、上がってきた絵の中にはそういう小ネタというか、世界観がこうならばここにはコレがあるだろうという……

加:
必然?

平:
そう、個々人が想像力を膨らませて絵に反映してくれたので、それが世界観の深みに繋がっているのかもしれない……スタッフに助けられた作品だなと思いますね、僕が何もしていないだけかも(笑)

G:
今回、インタビューでは苦戦したところをおうかがいしようかなと思っていたんですが、こうしてお話を聞いていると、あまり苦戦はしなかったのでしょうか?

加:
私は後半のとあるシーンでのネネちゃんのセリフの1つについて、最初に読んだときは「そんなこと言うなんて、ネネちゃんらしくないかな」と思ってもやっとしていたところがあったんです。子どもっぽいというか、映画のヒロインが大事なシーンでそんなこと言わないで、って。でも、物語を最初から見ているとネネちゃんの感情になることができて、ネネちゃんはヨヨさんのことが大好きだからだそう言っちゃうだろうなと、自然と受け入れることができました。アフレコの時点では、アフレコ自体の経験もまだ少なかったので、すみれちゃんの背中を見ていっぱい刺激をもらっていたんですけれど、すみれちゃんは集中していて収録中の記憶があまりないと(笑)……でも、そんな集中力にも刺激されました。

諸:
ヨヨさんは自然に演じることができて、感情を出すのもやりやすかったんですが、中盤でヨヨさんが地面に叩きつけられて「声を出したいけれど出せない」というお芝居は難しかったです。

平:
「カエルが潰れたときのような声」みたいなお願いをして、うまく痛みを表現してもらうことができました。あのシーンは難しかったよね……。

諸:
とても難しかったです。

平:
キモだなと思ったのはその後に続く「触るな!」というセリフです。ここでのヨヨの声の鋭さが重要でした。これは一言二言話しただけでスッと出てきたので、よかったなと。

諸:
声の出し方を具体的に仰っていただいたので、イメージしやすくてわかりやすかったです。ありがとうございます。

平:
こちらこそ、よいお芝居をありがとうございました。あの「触るな」は秀逸です。ヨヨは脳しんとうを起こしているから、周りの人が寄ってきたときに今までは思ったこともなかったのに恐怖の対象に見えてしまって、しかも知らない人がビハクを触ろうとしている。「触るな」は否定的なセリフで、ともすればお客さんを突き放すようなニュアンスにも聞こえそうですが、「そうは聞こえない、このときのヨヨであれば当然出てくるものだ」となればいいなと思っていて、それを体現していただいたので、あのときには「これで乗り越えた、乗り切った」と思いました。

G:
あのシーンでは、場面として全体的に暗いムードがあって、ヨヨさんとビハクの身に苦難が襲いかかり、見ていても気持ちが沈み気味なシーンなので、印象深いです。

平:
お話の転換点でもあるので、その分、ヨヨは今までの演技よりも重めな感じになるんですが、それでも、ヨヨさんの持つもともとの素直な感じの演技もあって、本当にほっとしたような声のニュアンスも出してもらえて、あれで救われたところはありますね。

G:
あの時のヨヨさんの明るさには救われますね。この作品でお二人は「魔女っ子」を演じましたが、魔女・魔女っ子というとどんなイメージですか?

加:
最初に出会った魔女はたぶん有名なアニメ会社の映画に出てくるような「ケッケッケッケ」と笑う怖い魔女なんですが、最近だと魔女も萌え系になってきたなと。ヨヨネネも「魔女っこ姉妹」と聞いたら、最近の魔女や魔女っ子の感じなのかと思われそうなのですが、わりと立ち位置はその中間でありつつ、昔っぽい「古き良き魔女」みたいなところも描かれていると思います。怖いといえば怖いですもんね、「呪い」とか出てきますから。

諸:
最初は「のろい屋しまい」というタイトルを聞いていたので、怖いのかなと思っていたんですが、映画はそんなことなくて、魔の国もカラフルで、きれいで、本当に素敵だな~と。


加:
この魔女だったら会いたいけれど、怒らせたら怖いですね(笑)

平:
加隈さんが子どものころは「魔女っ子モノ」「魔法少女モノ」ってありました?

加:
うーん……ずっと「白雪姫」とかを見ていたような……あ、サリーちゃんはちらっと見ていましたね。ステッキを持っていたんですが壊れて光らなくなってしまって、でも振って遊んでいました。

平:
諸星さんは?

諸:
「千と千尋の神隠し」に出てくる湯婆婆が大好きで、湯婆婆になりたいというのがきっかけで劇団に入ってお芝居を始めたので、今回、魔女になれるというので嬉しかったです。

平:
テレビとかでは「魔女っ子モノ」ってそんなにやってなかったですかね?

諸:
お姉ちゃんが「おジャ魔女どれみ」を見ていたので、一緒に見ていました。

加:
あと、「魔女の宅急便」も。見たときにはデッキブラシを探しました。

G:
湯婆婆に憧れてお芝居を始めた諸星さんが、こうして魔女っ子になれたというのはすごいことですね……。

諸:
(空中に魔法陣を描くようなジェスチャをしながら)こうやって魔法を出せて、嬉しかったです。

平:
ちゃんと魔法少女になっているかな?と思いつつ作っていたので、そう言ってもらえて嬉しいです。テレビで「魔女っ子モノ」をやっていたのは知っていても、僕は男の子だったので魔女っ子文化には触れてこなかったから、初挑戦なんです。なので、女性が見て「これは魔女っ子だ」と感じてもらえるものになっているのかは不安でした。


加:
監督の中の魔女のイメージはどんなのですか?

平:
それこそ西洋の、魔法陣を描いてステッキを持ってるような……

加:
(魔法陣という言葉から)あ、グルグル!

平:
ん?魔法陣グルグル、懐かしいですね。

加:
意外と見てたなぁ……。

平:
僕にとっては、魔女は職業というような認識ですね。魔女というのは血統や職業としてやるもので、魔法をかけるのにも善悪や罪悪感はないというイメージ。……あとは魔女狩りとか(笑)

加:
私は、この作品の「ときます」というのがすごく新鮮でした。

G:
予告編でも「かけます、ときます」が出てきますね。

平:
確かに、「かける」だけではなくときますね。それは原作を読んだときも正統派だなと思いました。

G:
それでは、最後にメッセージをお願いします。

加:
オーディションから関わらせていただき、こんなに長い時間やらせてもらって、応援団長もさせていただきました。映画に出演することが初めてで、私自身、どうすればみなさんにヨヨネネを知ってもらえるかと考えつつ、公開まで頑張ってきました。これからは、みなさんがどう感じるかというところがすごく気になります。私たちが大好きな作品を皆さんに楽しんでいただきたいですし、音も絵も、全部こだわり抜いている作品だと思うので、ぜひ映画館で見ていただきたいです。細かいところまで見て発見したものは、「どういうことだろう?」と思っても解決できるようになっていて、そんな楽しみ方もある素敵な作品です。劇場でお待ちしています。

諸:
私も劇場版アニメは初めてで、イベントに出るのもヨヨネネが初めてで、いろいろ新しいことをやらせていただけて、楽しかったです。完成した映画も試写で見せていただいて、すべてが壮大で、絵も音もキャラクターの動きもすべてが大きくて、見ていてどんどん映画にのめり込んでいく、すごい、すごい映画です、ヨヨネネ!見ていない方にも早く劇場で見ていただきたいなと思っています。


平:
はい。まさに、ぜひ映画館で見て欲しいなと。音響も含めて、5.1chで映画館用に設計された音響になっているので、映画館で見てもらうと体感度が違うというところはあると思います。

G:
本日は長い時間、ありがとうございました。

最後に、諸星さんと加隈さんが待ち時間にお絵かきしていたホワイトボードの前で写真を撮らせてもらいました。その前に、ちょっと薄くなっていたネネちゃんを描き直す加隈さん。


ということでメッセージ入りのホワイトボードが完成。ビハクとニルスの人気がうかがえます。


「ぜひ載せて欲しい」とのことだったニルス。映画内でもインパクトのあるシーンで登場します。

・関連記事
監督の成長が作品の根幹を変えた「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」平尾隆之監督インタビュー - GIGAZINE

椎名豪と平尾隆之監督が追求した「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」音楽・音響のこだわり - GIGAZINE

スタッフみんなが作品を愛したことで生まれた「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」のビジュアル面の見所とは? - GIGAZINE

音楽リテイク60回・シネスコ制作など「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」への熱意が伝わってきた舞台挨拶レポート - GIGAZINE

クリスマスに韓国へ日帰り舞台挨拶を敢行した「ヨヨネネ」ご一行道中記 - GIGAZINE

一番難しいのは「生き残ること」、大塚明夫が「声優」という職業を語る - GIGAZINE

40

in インタビュー,  映画,  アニメ, Posted by logc_nt