「ゲーム依存症の理由は特別な精神状態に陥ること」と心理学者が指摘

By Olly Clarke

ゲームに没頭するあまり睡眠時間の減少や疲労などによりゲーム以外の生活面に悪影響を及ぼしたり、人間らしい生活を営むことが困難になる状態はゲーム依存症と呼ばれ、海外にはリハビリ施設まであります。ゲームの中でも、特に依存症に陥りやすいと注視されているのがファーストパーソン・シューティングゲーム(略称:FPS)と呼ばれるジャンルのゲームとのことで、アメリカの心理学者がその理由について心理学の視点から考察しています。

The Psychology of First-Person-Shooter Games : The New Yorker
http://www.newyorker.com/online/blogs/elements/2013/11/the-psychology-of-first-person-shooter-games.html

FPSはゲーム市場を席巻しており、世界のゲームのセールスランキングの上位をほとんど占めています。ハンガリー出身の心理学者であるミハイ・チクセントミハイ氏によると、ゲーマーたちがFPS中毒になってしまう理由は、派手な映像や暴力的な描写などではなく、FPSをプレイすることによって作り出される「フロー」と呼ばれる精神状態にあるそうです。

By jit

心理学におけるフローとは、人間がそのときしていることに完全に浸り、極度の幸福感を生み出す精神状態のことで、ギャンブルやチェスのプレイ中や、登山中などに発生。フローを一度味わってしまうと快感を忘れられず、その行動を何度も繰り返すようになってしまう恐れが生じます。

素早い意志決定を必要とするFPSは、フローを作り出すのに最適なゲームで、ゲームの描写やストーリーがより現実的であるほどフロー状態に陥りやすいとのこと。「フローを作り出すのには、FPSの特徴である一人称視点だけではなく、シューティング部分が大きな役割を担っている」とチクセントミハイ氏は指摘します。

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チクセントミハイ氏は「ゲーマーは現実世界で誰かを撃ちたい、などとは思っていませんが、精神的にたまっている感情やストレスを発散させたい衝動を持っています。かつて狩猟をしていた人間の脳は、狩りにおける刺激から分泌されるアドレナリンをまだ覚えており、それを渇望しているのです」と、ゲームが作り出すフローと脳の関係性について言及しています。

2008年にオーストラリアの科学研究機関は、FPSのプレイ中に発生する生理学的な反応を調べる実験を行いました。実験で使用したのはハーフライフ2というFPSゲームで、ゲームをプレイする被験者の顔や体に電極を付けて、筋肉の動きなどを計測し、実験中にビデオ撮影をすることで被験者の心理学的状態も調査。

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調査の結果、被験者がゲームプレイ中の緊張感からくる興奮状態に陥っていたこと・肯定的な感情を持っていたことが判明、また、被験者は「プレイ中に幸せだと感じ、ゲームに没頭していた」と実験後に語りました。研究機関は、他ジャンルのゲームにおいても同様の実験を行いましたが、FPSのようにフローを作り出しやすい状態はみられなかったとのことです。

海外ではHaloやCall of DutyといったFPSゲームは、発売日だけで数百万本売れるほど爆発的な人気を誇る一方、なぜか日本では人気がないので、そこまでFPS中毒に悩まされている人は少ないのかもしれません。ただ、日本には海外と違いさまざまなジャンルのゲームがあふれており、ゲーム依存症に陥る可能性がゼロではないので、高橋名人がかつて言っていた「ゲームは1日1時間」の通り、ゲームをプレイする時間はほどほどにしておいたほうがよさそうです。

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