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韓国の情報機関が選挙を動かすために120万ものツイートを拡散させていたことが発覚

By Louish Pixel

2012年12月に実施された韓国第18代大統領選挙の正当性をめぐって国内外で多数のデモ活動が行われていますが、その中で韓国国家情報院(NIS)パク・クネ(朴槿恵)現大統領の対立候補を陥れるために120万回ものツイートを行っていたことの詳細がニューヨークタイムズ紙のオンライン版で報じられています。

Prosecutors Detail Attempt to Sway South Korean Election - NYTimes.com
http://www.nytimes.com/2013/11/22/world/asia/prosecutors-detail-bid-to-sway-south-korean-election.html?_r=0


NISが流したツイートの内容は、パク陣営の対立候補となるムン・ジェイン(文在寅)候補を「北朝鮮寄りで信用ならない人物」と非難する一方で、政権与党でパク大統領が所属するセヌリ党の施策を称賛する内容のもの。このキャンペーンは昨年4月の議会選挙に先立って開始され、続く大統領選挙でパク候補が接戦の上にムン陣営に勝利した結果にも影響を与えたと検察は主張しています。なお、このムン・ジェイン候補は、パク大統領の父親であるパク・チョンヒ(朴正煕)氏が大統領の時代に民主化運動に関わったとして逮捕・収監されたという経歴があり、因縁めいたものが感じられます。

120万回にも及んだツイートの元になったのは2万6500種類のメッセージで、それを特殊なプログラムを使ってコピーするという方法が採られました。イ・ジンハン上席検事は「たとえコピーされたものだとしても、国政と選挙に影響を与えたものであることに違いはない」としていますが、検察側はキャンペーンが選挙結果に与えた影響を明確にはできていません。パク大統領が「キャンペーンを指示したことも、それによる利益を得たこともない」としている一方で、検察はパク大統領が自身と同じセヌリ党に所属していたイ・ミョンバク(李明博)前大統領と結託して選挙結果に影響を与えたという見解を述べています。

By Republic of Korea

対立する民主党のキム・ハンギル代表は「現時点で明らかなのは、NISを中心とする組織的かつ巨大な介入がおこなわれたことだ」語り、攻撃の手を緩めていません。この混乱についてパク大統領は遺憾を表明し、NISを国内政治に干渉させないとする一方で、国民には検察と裁判所の捜査を信用するよう呼びかけています。

By Republic of Korea

また、上記とは別に韓国軍のサイバー司令部の要員4名がパク大統領の対立陣営を非難するツイートをおこなったことも判明しており、捜査が行われています。今年10月末には軍捜査機関は同司令部に対する捜査を行いましたが、NISを含む組織的な行動であったかについては明確にされていません。

By Isaac Lee

韓国内外ではこの件に関する反対運動やデモ抗議が行われており、NISは政治への介入を行うべきではないとの声が国民の多くから挙がっています。韓国においては、NISの前身であるKCIAの時代から、情報機関は軍事政権により利用され拷問による抑圧や国内政治の操作などが行われてきたことが明らかになっています。NISはこの件に関し「ツイートは北朝鮮がインターネットを使って韓国の政策を非難する行動に対する通常業務の一環である」と述べているとのこと。

ツイッターが一国の大統領と政権を左右することになりかねない状況になっているわけですが、捜査と韓国世論の行方が注目されるところです。

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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