ハードウェア

iPad Airの製造原価とAppleがどれぐらい儲かるかがバラバラ分解で判明


厚さ7.5mm、本体重量469グラムと大幅に軽量化したiPad Airですが、さっそく解体された結果、原価が判明しています。

iPad Air Teardown - iFixit
http://www.ifixit.com/Teardown/iPad+Air+Teardown/18907

iPad Air Teardown Review - YouTube


解体されるiPad AirはシルバーのWi-Fi+Cellularモデル。


iPadのフロントパネル部分は大量の接着剤でフレーム部分と接着されています。この接着剤を溶かすには接着部分を温める必要があるのですが、ドライヤーなどで過剰に熱しすぎればホームボタンが変形したりしてしまうので、iOpenerを使ってゆっくりと接着剤を溶かせばきれいに解体できる、とのこと。


そして接着剤が緩んできたらフロントパネルとフレーム部分の間にiFixit Opening Picks set of 6を差し込み、フロントパネルを外します。このフロントパネルを接着する接着剤はとてもとてもとても大量に使われている、とのことです。


2048×1536の解像度を誇るRetinaディスプレイを固定している四隅のネジも取り除き……


パカリ。


ディスプレイと本体をつなぐリボン状のケーブルを外し……


ここでようやくフロントパネルと本体をつなぐリボン状のケーブルをパージ可能になります。


これでフロントパネルとディスプレイを本体からきれいに分離できました。


次に本体バッテリーを取り外すために背面をiOpenerで温めます。


Plastic Cardsを使って、バッテリーを筐体からベリベリ剥がしておき……


先に本体右側面下部にあるSIMカードスロットを分離。


次にバッテリー横に配置されているロジックボードをPlastic Opening Toolsで丸ごと取り外します。バッテリーはロジックボードのバネ接点とネジで固定されているので、こちらを先に取り外す必要アリ。


ここまできたらようやくバッテリーをPlastic Opening Toolsで一気に剥がします。


外した本体バッテリーは3.73V、32.9Wh、容量は8827mAh。


コレがバッテリーの横に配置されていたマザーボード。


中央には新しいA7チップが配置されており、このチップによりCPUの速度とグラフィックパフォーマンスは最大2倍速くなるとのこと。


そして緑の枠で囲まれた部分にあるのがM7コプロセッサで、加速度センサー・ジャイロスコープ・コンパスなどからデータを集めてiPad Airの動きを測定します。


本体下部のLightningコネクタ。


本体表面にある1.2メガピクセルのインカメラ。


3.5mmステレオヘッドフォンミニジャック。


背面に配置されているf値2.4の5メガピクセルカメラも次々パージしていきます。


これで全体の解体完了。


iFixitによるiPad Air分解(修理)難易度は、10段階中の2(数字が小さいほど難度は高い)とかなり難しめ。これは、ディスプレイを本体からパージするまでフロントパネルを本体から取り外すことが不可能であったり、大量の接着剤が使われており、接着剤で留められているフロントパネルやバッテリーの取り外しが困難であるからのようです。


さらに、早速このiPad Airの製造原価も判明しています。

IPad Air Has Spendier Display, Costs Less to Make Than Earlier Models - Arik Hesseldahl - News - AllThingsD
http://allthingsd.com/20131105/ipad-air-has-spendier-display-costs-less-to-make-than-earlier-models/


iSuppliの調査結果によると、iPad Airの製造原価は274ドル(約2万7000円)から361ドル(約3万6000円)とのこと。iPad Airは16GBのWi-Fiモデルが5万1800円で販売されており、これが1番安価なモデル。

原価の内訳としては、ディスプレイが90ドル(約8900円)、タッチスクリーンのパーツが43ドル(約4200円)、フロントパネルにはゴリラガラスが使用されており、タッチスクリーンのセンサーには新しくCyclic olefin copolymerセンサーが使用されているとのこと。フラッシュメモリの原価はモデルによって異なり、9ドル(約890円)から60ドル(約5900円)までの価格帯のものが使用されています。iPad AirのWi-Fi+CellularモデルのネットワークチップはQualcomm製のものが使われており、原価は約32ドル(約3200円)。また、Samsungが製造したA7プロセッサの原価はたったの18ドル(約1800円)で、過去モデルに使用されたA5プロセッサよりも約5ドル(約500円)原価が下がっていると推測されます。ディスプレイのバックライトには、旧モデルでは84個ものLEDライトが使用されていましたが、iPad Airでは36個にまで減少しています。より効率的で明るいLEDライトを使用し、薄い光学フィルムを使うことでディスプレイ全体に光が届くようになっています。


なお、iSuppliの推定によると16GBのWi-Fiモデルは45%、128GBのWi-Fi+Cellularモデルは61%の粗利が見込めるようです。

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in ハードウェア,   動画, Posted by logu_ii

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