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Skypeプロトコルの不正解読に関する訴訟をフランスの大審裁判所が棄却

By PhotoAtelier

Microsoftの子会社であるSkypeは独自開発のプロトコルを自社のIP電話サービスである「Skype」に使用しています。このSkypeプロトコルを、フランス企業で働く2名のエンジニアが不正に解読し公開したとして告発していましたが、フランスの大審裁判所により却下されました。

La justice française blanchit le cassage du protocole de Skype
http://www.numerama.com/magazine/27296-la-justice-francaise-blanchit-le-cassage-du-protocole-de-skype.html


Microsoftが2011年に約85億ドル(当時のレートで約7000億円)でSkypeを買収した際に、ロシアのハッカーEfim Bushmanovさんが企業秘密として厳重にガードされていたSkypeのソースコードの中の、Skypeプロトコルを自身のブログ上で公表、これはVest Corporationにより暗号解読の大部分が行われたものであったとのこと。

By Ian Kennedy

このプロトコルの公開が発覚してから、MicrosoftとSkypeは違法に企業のコンピュータ・システムに侵入してSkypeプロトコルを解読したとして、Vest Corporationの共同設立者であるChristian Durandy氏とSean O'Neill氏を告発。Sean O'Neill氏はSkypeプロトコルの暗号解読キーとセキュリティプロトコルについてEnRUPTというブログの中に記載していたようで、これを基にEfim Bushmanov氏が解読結果を公表した模様です。

France 3 Basse Normandieの報道によると、検事が1年の執行猶予付きの判決を要求したのに対し、法廷は2人の行動を支持、2人の行動はリバースエンジニアリングの観点からは合法的で、ソフトウェアに使用されるプロトコルを見つける方法を配布したことは違法ではない、と判断。

By Imagen en Acción

「私たちは自由にSkypeと競合するようなソフトウェアを作ることが可能になり、これはフランスのデジタル産業にとっては素晴らしい結果です」とChristian Durandy氏は法廷を去る際に言いました。また、彼の弁護士であるChristopher Alleaume氏は「Skypeは自分たちのサービスをより良くするよりも、Skypeに匹敵するような競合ソフトウェアが成長することを妨ごうとばかりしている」と言います。

なお、法廷は非経済的損害による損害賠償金としてMicrosoftに1000ユーロ(約13万円)の支払いを命じています。

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in ソフトウェア, Posted by logu_ii

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