Googleのストリートビューを使って「割れ窓理論」を実証する研究


Googleのストリートビューの写真を使って、市街地の外見が人の持つ「その場所が安全か、繁栄しているか」といった印象にどのような影響を与えるか、といことを調べる「Place Pulse」が開発されました。これはマサチューセッツ工科大学(MIT)の研究者らによるもので、2010年から2012年まで試験的な調査が行われ、現在は56都市のデータの比較が行われています。

Place Pulse | Mapping Urban Perception
http://pulse.media.mit.edu/



ウェブサイトにアクセスするとページ上に2枚の画像が表示されます。質問は「どちらの場所が裕福に見える?」というもの。右の画像か、左の画像か、それとも両方の画像が同じ印象か、ということを真ん中にある記号をクリックして回答します。


すると次の質問に移行。質問に対する各都市のリアルタイムランキングは画像の下で確認できます。例えば「どちらの場所が裕福に見える?」という質問に対するランキング1位はシンガポールで、最下位はブラジル南東部のベロオリゾンテ


質問の右横にある「?」をクリックすると質問が変わります。次は「どちらの場所の方が憂鬱に見えますか?」で、最も憂鬱な印象を持たれていたのはブラジルのリオデジャネイロ、憂鬱な印象から最も遠かったのはワシントンD.C.でした。


「どちらの場所が退屈に見えますか?」という質問の第1位はボツワナの首都ハボローネ、最下位は台北。


「どちらの場所が安全に見えますか?」という質問の第1位はワシントンD.C.で、最下位はベロオリゾンテとなっています。


質問は全部で5つあり、それぞれの質問におけるランキングも公開されています。


「活気のあるように見える」という基準でランキングすると、第1位はロンドン、第2位はニューヨーク、第3位はパリ、第4位はシンガポール、第5位はワシントンD.C.、第6位は台北、第7位はテルアビブ、第8位はボストン、第9位はシドニー、第10位はバンコクでした。


反対にランキングのワースト10は、第1位はハボローネ、第2位はケープタウン、第3位はヨハネスブルク、第4位はヒューストン、第5位はブラチスラヴァ、第6位がザグレブ、第7位がベロオリゾンテ、第8位がリスボン、第9位がリオデジャネイロ、第10位はブダペストとなっていました。


「建物の窓が壊れているのを放置すると、誰も注意を払っていないという象徴になり、やがて他の窓も全て壊されてしまう」との考え方から、軽微な犯罪も徹底的に取り締まることで凶悪犯罪を含めた犯罪を抑止できるとする環境犯罪学上の「割れ窓理論」は、ニューヨークや札幌の治安維持でも用いられ、東京ディズニーランド・東京ディズニーシーでも使われていますが、一方で「目につく無秩序」のような主観的なものを定量化するのは不可能だという批判もありました。しかし、このツールを使えば、膨大なデータから人々が場所に対しどのような印象を持つのか、ということを分析することが可能であり、それを地図上にマッピングすることもできるようになるというわけです。

2010年から2012年までに行われた試験的な調査の内容は以下のムービーから見ることができます。

The Collaborative Image of the City on Vimeo


パイロット版はニューヨーク・ボストン・リンツ・ザルツブルクという都市を対象に約5000枚の写真を用いて行われました。


現在のバージョンと少しインターフェースが異なり、また質問も「どちらが安全に見えるか」「どちらがより上流階級に見えるか」「どちらがよりユニークか」という3種類でした。


各質問に対する地図の色分けは以下のような感じ。ニューヨークのうち、マンハッタンはクイーンズよりも安全・上流階級・ユニークであるという印象を持たれるようです。


「活気のある」という基準でニューヨークを色分けするとこんな感じでした。

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