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香りを保存することができるカメラ「マドレーヌ」の使い方がわかるムービー


ある瞬間を保存し後で過ぎた日々を思い返すことを可能にするカメラは、今では世界中の人々によって使われている便利な道具ですが、「香り」を保存できるような機械はまだ登場していません。しかしデザイナーであるAmy Radcliffeさんは、「Scent-ography(嗅覚記述法)」というコンセプトで写真ではなく香りを保存するカメラを作りあげ、実態のない「香り」を一体どのようにして保存するのか?ということを映したムービーを公開しています。

Scent-ography: a post-visual past time - Amy Radcliffe
http://www.amyradcliffe.co.uk/Scent-ography-a-post-visual-past-time-1

これが香りを保存するカメラ「マドレーヌ」


白い陶器のようなポットと円すい型の容器の間にチューブがつながっています。


上から見たらこんな感じ。液体の入った容器がカラフル。


ガラス製の円すい型の容器に緑色の物体が納められています。


見た目もきれいなガラス製の容器が置かれています。


写真を見て思い出にひたるように、後で保存された香りに思いをはせることができます。


どのようにして香りを記録するのか?ということがわかるムービーは以下から見ることができます。

HOW TO SUCCEED WITH YOUR MADELEINE


香りを保存するカメラ「マドレーヌ」の使用方法。一見しても、普通のカメラとは全くの別物です。


まず、保存したい好きな香りを用意します。ムービーでは岩の破片にも見える緑色の物体を使用。


香りの元となるものを、ガラス製の「マドレーヌ・ドーム」という容器の中に閉じ込めます。


この白い陶器のポットのようなものがマドレーヌの本体。マドレーヌ本体からつながるチューブに、試験管の形の「香り装置」をつなぎます。


セットが完了したらスイッチをオン。すると香りがマドレーヌ本体の中に吸収され始めます。


マドレーヌ本体とマドレーヌ・ドームをつなぐチューブの中を水が通っていくのがわかります。


マドレーヌは揮発性物質の分析に用いられるヘッドスペース法を利用しており、ドームの内部を加温して発生した揮発物質=香りを吸引して捕まえる仕組みのようです。スイッチがオンになってしばらくたつと、内側が水分で曇ってきました。


少量の水分が吸い出され、香り装置の中に香りがたまっています。


マドレーヌ本体から香り装置を取り外したら、しっかりと密封します。


香り装置を封筒に封入し、分析のため提出。


専門家の人が先ほどの容器が入った封筒を受け取りました。封筒を開けて中身を取り出しています。


写真の撮影後、35mmフィルムは近所のプリントサービスのお店に持ちまれますが、それと同様にマドレーヌも近所のラボで香りの分析をお願いして、ブロンズディスクや瓶を使って香りを保存してもらいます。


色とりどりの瓶が並んでいます。


瓶やブロンズディスクを紙袋に詰めて……


香りを採取した女性の元に届けられます。「あなた特製の香りカプセルの受け取りを楽しみにしていて」というキャプションが出ています。


受け取ったガラス製のカプセルを開けて、香りを確かめる女性。机の上には香りの元である緑色の物体が置いてあります。


しみじみとした雰囲気で、何かを思い出しているような表情です。


映画「アイアンマン3」は4DXシアターで上映され、香りを体感できる技術も現在開発されていますが、まだまだ実用的なレベルに達しているとはいえません。Radcliffさんのデザインは、Lowe and Partners Nova awardというアイデアコンテストで最終選考をパスしており、結果発表は9月。また、自身のアイデアを近いうちに実現するため、香料ラボの仕事を探しているとのこと。この技術が進歩してカメラで写真を撮るように香りを保存できるようになるのも、そう遠い未来ではなさそうです。

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in サイエンス,   動画,   デザイン, Posted by darkhorse_log

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