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ネットのどこかに米政府情報機関の極秘資料は未公表のものも含めて隠蔽済みか

by KnockOut_Photographs

政府による国民監視システム「PRISM」問題を暴露した元CIA職員エドワード・スノーデン氏。南米への亡命を希望していますが、パスポート失効などによりモスクワの空港に足止めを食らっていて、アメリカ政府がロシアに身柄引き渡しを要求するも、プーチン大統領がこれを拒否するなど、いまだ落ち着きどころが見えてきません。

そんな中、スノーデン氏がまだ公表していないものも含めて、資料をすべて暗号化して大量にコピーし、世界中に隠しているらしいことが明らかになっています。

Greenwald: Snowden’s Files Are Out There if “Anything Happens” To Him - The Daily Beast
http://www.thedailybeast.com/articles/2013/06/25/greenwald-snowden-s-files-are-out-there-if-anything-happens-to-him.html



これは、スノーデン氏と最初に接触したジャーナリストのグレン・グリーンウォルド氏が語ったもの。あくまで非常事態に対する予防策なので、コピーにはパスワードがかかっていて中身を見ることはできませんが、スノーデン氏の身に何かあれば内容が必ず明かされるようになっているとのこと。

かつて、アメリカでスパイ防止活動の職に就いていた人物によると、スノーデン氏は今回の暴露を何年も前から計画しており、コピーはおそらくインターネットの至る所に隠されていると考えられるとのこと。「これに対して打てる手はほぼゼロだ」と前述の人物は語っています。スノーデン氏は6月17日にThe Guardianと行ったライブチャットの中で、「今、私が言えることは、アメリカ政府が私を捕まえて刑務所に入れたり、殺したりしても、暴露を止めることはできません。真実は明かされます」と、このことを裏付けるかのような発言をしています。

下院情報特別委員会において、NSA(国家安全保障局)のキース・アレグザンダー局長は、スノーデン氏がデジタルキーを作ることで、本来、NSA内部で下級の請負業者やシステム管理者にはアクセスが許されていない領域にまでアクセスできるようになっていたと説明。

by tales of a wandering youkai

スノーデン氏によってこれまでに明かされたものとしては、アメリカ政府が国民を「監視」するPRISMの資料や、「minimization procedures」などがあります。これは、情報収集が令状や極秘大統領指令なしの、攻撃的な電脳工作であるということをエリック・ホルダー司法長官が認めたもの。このほか、「外交諜報活動監視法(FISA)」の裁判所命令がThe GuardianやThe Washington Postで明かされていることから、スノーデン氏が高レベルの機密情報まで所有していることはわかっています。

問題は、どこまでの資料を持っているのかがわからないという点。仮に政府がスノーデン氏の身柄を確保して、手元に置いている未公表の機密情報を押さえたとしても、ファイル自体は拡散してしまっているので、予想もつかない内容が暴露される恐れがあり、当局にとっては大きな障害となりそうです。

すでに、グリーンウォルド氏の手元にはスノーデン氏から何千もの文書が届けられており、「私は、送られたものより多くの文書をスノーデン氏が持っているかどうかは把握していないが、彼が成し遂げることを信じています。」と語っています。FBIは前述のFISA文書のリークに、FISAに関連する内部の人間が情報を漏らしているのではないかと疑いを抱いており、グリーンウォルド氏自身も、この資料を所有しているかどうかはコメントを避けました。

by brewbooks

「彼はアメリカ政府を傷つけようとしているのではなく、光を当てようとしているのです」と、グリーンウォルド氏。たとえば、NSAがいかに“監視”ネットワークを作り上げたのか、そのシステムの技術仕様書や青写真については、公表しない方針だそうです。これは、資料が公表されることで、他国でも同じように国民を監視するネットワークを作り上げることが可能になってしまうから。

グリーンウォルド氏によれば、スノーデン氏は元CIAスパイで情報暴露により有名になったフィリップ・エイジー氏のようにはならないだろうとのこと。エイジー氏はキューバに亡命したのち、CIA内部の情報を暴露しています。「スノーデン氏は、誰かを傷つけたり、秘密を明かすことになるような文書は公開したくないと考えています。CIAの文書を公にすることは、個人を傷つける恐れがあります。しかし、NSAの文書を公にすることは、システムを傷つける恐れがあるだけなのです」と語るグリーンウォルド氏の手法は、すべてをオープンにするWikiLeaksとは異なり、むしろ従来の新聞報道に近いもの。この点について氏は「私はWikiLeaksを支持するが、少し違うことをしています」とコメントしています。

by Steven Depolo

ちなみにグリーンウォルド氏自身もアメリカによる監視対象であるとみられており、スノーデン氏との接触後は暗号化メールを使うなどの対抗措置を執っています。香港に滞在していたとき、リオ在住のパートナーとSkypeでやりとりをして、暗号化したコピーを送る話をしたところ、結局ファイル送信はしなかったのに、2日後に家からノートPCだけが盗まれるという事態にも遭遇。「この一件が情報暴露の件と繋がっている、とは言いませんが、明らかにその可能性があります」とグリーンウォルド氏。PCを監視されているのでは?という質問に対しては「もしもアメリカ政府が私のPCを監視しようと思っていないのなら、その方が驚きですよ」と切り返しました。

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in メモ, Posted by logc_nt

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