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NSAは中国の携帯電話会社をハックして何百万通ものSMSを盗み見ていた

by Paul Kretek

アメリカの政府機関が「PRISM」と呼ばれる極秘システムを用いて世界中でサーバーなどに対するスパイ行為を行っていた問題で、この問題を暴露したCIA元職員エドワード・スノーデン氏はさらに、中国や香港でも同様のスパイ行為と、NSA(国家安全保障局)によるサイバー攻撃があったことを明かしています。

EXCLUSIVE: US spies on Chinese mobile phone companies, steals SMS data: Edward Snowden | South China Morning Post
http://www.scmp.com/news/china/article/1266821/us-hacks-chinese-mobile-phone-companies-steals-sms-data-edward-snowden



EXCLUSIVE: US hacked Pacnet, Asia Pacific fibre-optic network operator, in 2009 | South China Morning Post
http://www.scmp.com/news/hong-kong/article/1266875/exclusive-us-hacked-pacnet-asia-pacific-fibre-optic-network-operator



スノーデン氏によれば、NSAは中国の携帯電話会社に対してハッキングを仕掛け、何百万通というテキストメッセージ(SMS)を盗み見ていたとのこと。

中国ではSMSを仕事上のやりとりやプライベートなチャットなど、一般人から政府高官まで幅広い人々が活用していて、2012年には9000億通がやりとりされています。中国最大かつ世界最大のモバイル通信キャリアである中国移動通信(チャイナ・モバイル)は7億3500万人のユーザーを抱えているほか、中国で2番手の中国聯合通信(チャイナ・ユニコム)には2億5800万人、3番手の中国電信(チャイナ・テレコム)には1億7200万人のユーザーがいます。

by Kārlis Dambrāns

外国製の通信機器にはバックドアがある恐れがあってセキュリティ面に不安があることについて、何年か前から中国のセキュリティ専門家も気付いてはいたものの、これまでは国内メーカーが海外のライバルに追いつくべく努力している段階だったため黙っていたとのこと。現在は中国国内メーカーが品質を劇的に改善し、一方で外国製品の信頼度が落ちたため、この問題を口にする場面が出てきており、北京通信技術大学学長で「金盾」の生みの親である方濱興氏は「全人民情報セキュリティ調査委員会を可能な限り早く立ち上げるべきだ」と主張。通信会社は外国製設備の交換を進めているとのこと。

また、香港とシンガポールに本拠を置くグローバル企業Pacnet所有のコンピュータがNSAによるサイバー攻撃の対象であったことも、スノーデン氏は明かしています。Pacnetはアジア太平洋地域に4万6000km以上の光ファイバー網を張り巡らせており、16のデータセンターと通信会社・多国籍企業・政府とを結んでいます。中国本土には5つのデータセンターがあり、2012年12月には天津に最新のデータセンターが開発されたところです。


スノーデン氏いわく、アメリカがターゲットにしているのは「大量のデータが通過するネットワークバックボーン」だとのこと。先日、香港中文大学がスパイ行為のターゲットになっていたという話が出ましたが、これは同大学が香港のインターネット・エクスチェンジになっていて、通信がすべてここを経由するため。大学側では、サーバーをチェックした結果、攻撃は検知されなかったと発表していますが、どの期間に調査をしたのかは明示されていません。

香港の保安局長・黎棟國氏によると、このスノーデン氏による暴露後、警察がハブを確認して24時間監視体制を取っているそうです。

なお、アメリカはスノーデン氏をスパイ活動取締法違反容疑で訴追し、香港に身柄拘束と引き渡しの要請を行っていましたが、23日にスノーデン氏は香港を離れてモスクワに到着、エクアドルへの亡命申請を出しているとのことで、同様に米英から手配を受けていたウィキリークス創設者のアサンジ氏を受け入れた実績のあるエクアドルは受け入れる模様。

時事ドットコム:スノーデン氏、モスクワ到着=エクアドルに亡命申請-香港政府、米に引き渡さず

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in メモ, Posted by logc_nt

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