ハードウェア

スマホやタブレットからコントロールできる宇宙望遠鏡「ARKYD」


地球外の惑星で水資源や貴金属を採掘することで宇宙探査の費用をまかなったり、地球に持ち帰って利益を生み出そうというのが、アメリカのベンチャーであるプラネタリー・リソーシズ社の計画。GoogleのCEOラリー・ペイジや映画監督のジェームズ・キャメロンなど各界の著名人が出資を行うこの計画は、現在資源の豊富な小惑星の探索を行う小型宇宙望遠鏡ARKYDの開発を進めている最中で、クラウドファンディングプラットフォームのKickstarterで出資を募っています。出資を行うとスマホやタブレット・PCから宇宙望遠鏡をコントロールして惑星を観測したり、自分の写真をアップロードして地球を背景に写真を撮影することも可能になります。

Planetary Resources – The Asteroid Mining Company
http://www.planetaryresources.com/

ARKYD: A Space Telescope for Everyone by Planetary Resources — Kickstarter
http://www.kickstarter.com/projects/1458134548/arkyd-a-space-telescope-for-everyone-0

プラネタリー・リソーシズ社の計画や小型宇宙望遠鏡ARKYDの詳細を説明したムービーは以下から見ることができます。


こちらがプラネタリー・リソーシズのCEOクリスさん。


ARKYDは先進的かつ低コストのロボット技術を用いて、地球近傍小惑星の資源採掘、「地球の天然資源を拡張する」ことを目指しているベンチャーです。


これが宇宙望遠鏡であるARKYD。


外部には高画質な小型カメラが取り付けてあります。


これまでも宇宙探査には多くの探査機が利用されてきました。以下は2004年に火星に降り立ったオポチュニティ


無人探査車スピリットもオポチュニティと共に送られました。


プラネタリー・リソーシズの開発チームはこれら探査機の開発にも関わった技術者たちを起用しています。


ARKYDに出資して可能になることは大きく分けて3つ。まず、ARKYD本体の外部にディスプレイが表示されており、そこにあなたの写真を表示させ、取り付けられたカメラによって地球を背景にあなたの姿を高解像度撮影すること。写真はもちろんプリントアウトが可能なので、メッセージカードやハガキとして使うとインパクトがありそうです。


撮影する様子はこんな感じ。


宇宙望遠鏡自体は5メガピクセル、200nm~1100nmの波長範囲で観測を行うので、月や木星、オリオン大星雲といった太陽系内の星々を観測することも可能です。


また、教育機関で望遠鏡を使ったカリキュラムを作成したり、研究において科学的調査を行うことも可能。科学センターや博物館でARKYDをテーマにした展示を行う計画も進行中で、次世代の教育も視野に入れています。宇宙望遠鏡に触れることで、年齢を問わず、宇宙に対する子どもの興味を広げることができるため、現在K-12用の教育プログラムも準備中とのこと。


この望遠鏡のユニークな点はコントロールが出資者の手によって可能であるということ。つまり、「どの科学センターや博物館がその瞬間にARKYDの利益を受けられるのか」ということや「何の写真を撮るのか」ということをあなた自身が決められるのです。これはミッションに出資するとウェブサイトやスマホ・タブレットのモバイルアプリを使って惑星資源資源衛星運用チームへリクエストを送れるようになっており、チームがリクエスト通りのコントロールを行ってくれるという仕組み。パブリックな宇宙望遠鏡をコントロールすることが可能になるのはこれが歴史上初のこと。


壮大な宇宙の光景が手元のデバイスで確認できるというわけです。


もちろん、撮影した写真は専用のサイトやFacebookなどのSNSでシェアすることが可能です。


この他、研究機関などが利用することも可能。宇宙へのアクセスを必要とする研究や機関は世界中に何千と存在しています。ARKYDを使えば低コストで宇宙の様子を見ることが可能であり、MITの研究者を初めとして様々な研究社がARKYDを使用することに興味を持っています。

ARKYDの最終目的である「宇宙から貴金属や水資源を採掘する」というプロジェクトは現在最も注目を集めている民間の宇宙事業の一つ。宇宙には地球上に存在する資源をはるかにしのぐ量の資源が存在し、これまで地球上で採掘されたよりも多くの量の白金族金属を保有する惑星もあるとのこと。電子機器類のコスト削減・交通機関の電力化なども実現できる可能性があります。

宇宙開発事業と小惑星採掘に関するインフォグラフィック | SEO Japan
http://www.seojapan.com/blog/asteroid-infographic


ARKYDは25ドル(約2500円)で好きな画像をアップロードし、地球を背景に写真を撮ることが可能。この時写真は出資が行われた順に撮影されるので、確実に写真を撮りたい人は早めに出資を行うのがオススメ。また、写真をTシャツにプリントアウトするオプションもついているとのこと。なお、写真は会員専用のウェブサイトで共有することも可能で、キャンペーン終了後にはあなたが待機列に並んでいることを照明する証明書が配られる予定です。この他出資額を増額させることで望遠鏡をコントロールしたり、ARKYDを使って30分間の宇宙観測を行ったり、教育機関で利用することも可能になります。


なお、締め切りは日本時間で2013年7月1日の午前11時です。

ARKYD: A Space Telescope for Everyone by Planetary Resources — Kickstarter
http://www.kickstarter.com/projects/1458134548/arkyd-a-space-telescope-for-everyone-0

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in ハードウェア,   サイエンス,   動画, Posted by darkhorse_log

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