取材

バイブは進化する、ピエゾ素子採用でリアルな感触を追求した次世代ユニットを体感してみた



電話が着信した時に端末を振動させたり、スマートフォンでゲームをしている際にスマートフォンをブルブル振るわせたりするバイブ(バイブレーション)機能用のユニットの新モデルが「CP+ CAMERA & PHOTO IMAGING SHOW 2013」のテキサス・インスツルメンツブースに展示されていたので、一体何が新しいのか詳しく話を聞いてくることにしました。

Haptic Driver - Piezo Haptic Driver - DRV8662 - TI.com
http://www.ti.com/product/drv8662&DCMP=hpa_contributed_articles&HQS=Other+OT+drv8662-ca


ブースの外観。


同社が開発を行っているのはバイブレーションユニット用のドライバーのみですが、ブース内にはデモ用のスマートフォンやユニットの振動を体験できる基盤全体が置かれています。


解説のパネル。


テキサス・インスツルメンツ製のドライバ-と対応するピエゾ(圧電素子)タッチフィードバックユニットを備えたスマートフォンでギターを弾く感触を体感できるアプリのデモが行われており、ディスプレイ上で指を滑らせてジャーンと弦を弾くと端末がビビッと震える様子を体感できます。


ユーザーの入力に合わせて振動する機能は既に今日のスマートフォンやタブレットでは一般的ですが、今回触れたデモ機では振動の質が異なり「ヴーヴー」という緩い振動ではなく「ビビッ」という立ち上がりの早い揺れ方になっているのが特徴です。

端末の背面を開けるとこんな感じ。


この部分が振動を発生させるためのユニットです。


デモンストレーション用の基板上で見るとこんな感じ。振動の立ち上がりが素早くなることで、より現実の世界で人間が体感しているのに近いタイムラグでスマートフォンが応答することが可能になり、リアルにボタンを押しているような感覚をユーザーに与えることができるようになるそうです。


一方、以下は現在広く普及しているバイブレーションユニット。左が偏心モーターを採用したもので、右がリニアバイブレーターと呼ばれるものです。この2種類は安価でコンパクトな反面、機械的な動きは大きくなるため振動の立ち上がりが遅くなるそうです。


両者の違いが約1分でサクッとわかるテキサス・インスツルメンツの中の人による解説ムービーは以下で見られます。

ピエゾタッチフィードバックドライバの解説 - YouTube


なお、このピエゾ素子を使用したドライバーと振動ユニットは既に富士通の「らくらくスマートフォン」に搭載されており、今後も国内大手メーカー製スマートフォンへの採用が予定されているとのこと。普段は目に触れることがまずない部品ですがバイブレーターはリアルな触感の再現を目指して進化を続けているというわけです。

なお、なぜこの技術の展示がカメラ向けイベントのCP+で行われているのか質問してみたところ「近年のカメラはタッチ操作に対応しているものが多くなりつつありますが、スマートフォンのようにタッチに合わせて振動でフィードバックを返す製品は見たことがありません。もちろんシャッターと同期してしまっては写真がブレてしまいますがメニュー画面などでは触覚的なフィードバックで操作性を向上できる可能性があります。なので、カメラ向けの振動ユニットという市場があるのではないか、と考え出展をしました」とのことでした。

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in レビュー,   取材,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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