投票前に投票結果が公表されるという異常事態がアゼルバイジャン大統領選で発生


投票行動を調べる出口調査の結果や支持率を考慮した上で、候補者が当選確実だと判断した場合に出されるのがいわゆる「当確(当選確実)」であり、選挙速報では開票即「当確」という光景もしばしば見られます。しかし、アゼルバイジャンでは開票前どころか投票前に現職大統領に当確が打たれるという、世界でも例を見ない異常事態が発生しました。

Oops: Azerbaijan released election results before voting had even started
http://www.washingtonpost.com/blogs/worldviews/wp/2013/10/09/oops-azerbaijan-released-election-results-before-voting-had-even-started/

2013年10月9日に行われたアゼルバイジャン大統領選挙において、現職大統領のイルハム・アリエフ氏が84.7%の票を得て圧勝しました。アリエフ大統領は、父ヘイダル・アリエフ元大統領の死後、2003年の大統領選に出馬し見事勝利、その後も2008年の大統領選でも圧勝、さらに国民投票を実施し三選禁止規定を改定した上で、今回三度目の大統領選に挑んでいた、典型的な豪腕大統領でした。

By Saeima

アゼルバイジャンでは選挙はいわば"儀式"であり、見かけ上民主政が装われている状態であり、今回も投票前からアリエフ大統領の圧勝が予想されてしました。選挙期間には、アリエフ大統領の対抗馬であったジャミール・ハサンリ候補者が中央選挙管理委員に「テレビ放送の大半の時間がアリエフ大統領に与えられており、他の候補者にはほとんど与えられていない」とその不公正を訴えますが、あっさり退けられています。

そんな出来レースの選挙も大詰めを迎えた投票日前日、アゼルバイジャン中央選挙管理委員会による公式スマートフォンアプリに、なんと開票結果が表示され「アリエフ大統領が72.76%の票を獲得し圧勝した」との速報が流れます。ちなみに第2位はハサンリ氏で、アリエフ大統領の約10分の1の7.4%の得票でした。


"儀式"とはいえ、国の大統領選挙に対してある程度の敬意を払っていたアゼルバイジャン国民は、あまりの異常事態っぷりに困惑します。この"誤"表示は、すぐさま選挙管理委員会によって削除され「アプリ開発者が誤って2008年の選挙結果を表示させた」という公式見解が出されました。しかし、公式選挙アプリには2008年の大統領選の候補者ではなく2013年の大統領選の候補者が表示されていたことからこれが見え透いたウソであることは明らかです。

翌日行われた投票はすぐに開票され、「あらためて」伝えられた選挙結果によると、大方の予想通りアリエフ大統領が80%以上の支持を得て大勝利したそうです。ハサンリ氏の陣営は、各地で選挙管理に不正があったとして選挙結果を受け入れないことを表明しています。はたして今回の問題は、単に"儀式"の手順を間違えたささいなミスとして通用するのか、その行方に注目です。

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