メモ

iesys.exe遠隔操作事件の犯人についての情報に警察庁が300万円の報奨金


遠隔操作ウイルスによる犯罪予告で警察による自白調書のねつ造を白日の下にさらし、「IPアドレスは指紋と同じなので、これさえわかれば犯人は捕まえられる」という低レベルの認識でしかなかった警察が冤罪事件の根本であることを暴露してしまったiesys.exeの作者逮捕につながる情報について、警察庁がついに300万円の報奨金を出すことを決め、公式サイト上で告知を開始しました。

これまでの捜査で判明している情報もまったく参考にならないのですがまとめられており、警察が言うところの「インターネット通信の匿名化を可能とするソフトウェア」である「Tor」などの利用によって、「IPアドレスさえ判明すれば指紋のように犯人は特定できる」と思い込んでいた状況が覆された結果、警察がいかに厳しい状況に追い込まれているかが分かります。

「捜査特別報奨金に関する広告(平成24年12月12日)|警察庁
http://www.npa.go.jp/reward/contents37.html

応募の期間は2012年12月12日から2013年12月11日までとなっており、以下が犯人の特徴だそうです。


・プログラミング言語「C#」を使用し「iesys.exe」を自ら作成したと考えられます。(一定のプログラミング知識を有しているものと考えられます。)
・「2ちゃんねる」に何箇所もウイルスに感染させるURLのリンクを貼るなど、「2ちゃんねる」を常時利用していると考えられます。
・インターネット通信の匿名化を可能とするソフトウェアを使用していました。
・「2ちゃんねる」に投稿する際は、自分のパソコン等から直接投稿せず、「シベリア郵便局」を使用していました。
※「シベリア郵便局」とは、「2ちゃんねる」における書き込み規制を回避するための代理投稿システムです。
・遠隔操作の命令送信に「livedoorしたらば掲示板」を利用していました。
※「livedoorしたらば掲示板」とは、大手インターネット掲示板の一つです。
・神奈川県横浜市のウェブサイトに、小学校への無差別殺人予告が投稿された事件では、「クロスサイト・リクエスト・フォージェリ(Crosssite request forgeries)」を利用していました。
※「クロスサイト・リクエスト・フォージェリ」とは、細工されたリンクをクリックすることで、コンピュータに意図しない動作を行わせることができるインターネット上の攻撃手法の一つです。

なお、すでに警察はその威信をかけて捜査を続行しており、犯行声明メールがアメリカとヨーロッパのサーバーを経由しているとして10月には各国に捜査員を派遣、11月にはFBIに通信記録の解析を求め、それらの行動をあざ笑うかのように以下のような自殺予告メールがiesys.exe作者から関係各所に送りつけられています。

【遠隔操作ウイルス】真犯人から今度は自殺予告メール - satoru.netの自由帳

落合**様

DIG様

TBS ****様


朝日新聞 ****様

矢野さとる様

ITmedia ****様

フジテレビ様

おひさしぶりです。真犯人です。

ミスしました。ゲームは私の負けのようです。

捕まるのが厭なので今から首吊り自殺します。

楽しいゲームでした。

さようなら。また来世ーーー

もちろん警察はこれらの件についても捜査しましたが当然ながらいまだiesys.exe作者は一体誰なのか、判明していない状況で、今回の300万円の報奨金に行き着いたわけです。おそらく、もうやるだけやり尽くしてしまい、本当に手詰まりなのではないかと思われます。

あと、iesys.exe作者が捕まる捕まらないにかかわらず、今回の冤罪事件のもう一つの側面である「無理矢理やってもいないことを自白強要させられてしまった」件について、取り調べの可視化を行えば、今よりは格段に冤罪事件に誰でも巻き込まれるかもしれない状況から改善するにもかかわらず、まったく手を付けていないのはなぜなのか、そしてでっちあげの自白調書を偽造した者は結局おとがめナシなのか、今後の警察の動きに要注目です。

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in メモ, Posted by darkhorse

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