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Megaupload閉鎖後に映画の興収が減少、海賊版の宣伝効果は規模に反比例

By Ah! Mariely

映画の著作権侵害によって日本経済は564億円の損失を受けているという調査結果がありますが、海外での調査により、Megauploadの閉鎖後、映画の興行収入が減少していることが明らかになりました。これは海賊版からであっても口コミ効果が発生しているからで、その効果は作品の規模には反比例しているそうです。

Piracy and Movie Revenues: Evidence from Megaupload by Christian Peukert, Jörg Claussen :: SSRN
http://ssrn.com/abstract=2176246



Megaupload Shutdown Hurt Box Office Revenues | TorrentFreak
http://torrentfreak.com/megaupload-shutdown-hurt-box-office-revenues-121124/

これまでは日本国際映画著作権協会の調査結果のように「著作権侵害(海賊版)が正規の売り上げに負の影響を与えている」といわれてきましたが、最近の研究では、ユーザが間接的にでも制作者に対価を還元するような仕組みもできていることから、海賊版からであっても利益が得られる可能性を示唆しています。


ルートヴィヒ・マクシミリアン大学ミュンヘンのChristian PeukertさんとコペンハーゲンビジネススクールのJorg Claussenさんは、2012年1月に閉鎖されたオンラインストレージサービス「Megaupload」が映画の売り上げに影響を及ぼしたのか、閉鎖に前後して大ヒットした作品群を比較調査しました。対象となったのは2007年第31週から2012年第35週までの約5年間に公開された、49カ国1344作品。

その結果、Megauploadが閉鎖された2012年1月以降は全体的に興行収入が低下していることがわかりました。国ごとにネット浸透率やMegauploadの人気など差はありますが、この閉鎖の影響は小さくても、一貫したものが見られたとのこと。

これは、以前から囁かれていた「海賊版をプロモーションに活用する」というのが有効であることを示しています。そもそもお金を払う気のない人はターゲットになり得ませんが、その消費者を口コミのハブとすることで、潜在的に存在しているお金を払ってもいいと考えている消費者に情報が届く、というわけ。

By Sarah_Ackerman

このデータは映画の規模が小さければ小さいほど影響が大きい一方で、500スクリーン以上で上映されるような超大作には当てはまらないとのこと。こういった超大作は、むしろMegauploadが閉鎖したことで、売り上げは伸びていたそうです。誰でも見る作品だと、口コミ以前に「タダで見られるならそれで済ませてしまう」という、従来の理論で説明されてきた内容が当てはまることになりそうです。

海賊版であっても最終的にプラスの影響を与えていればOKなのか、というのは、制作者の立場だとそう簡単に割り切れるものではなさそうな……。

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in メモ,   映画, Posted by logc_nt

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