なぜOperaがベラルーシでは最もポピュラーなブラウザなのか

By andyket

現在世界で最もポピュラーなブラウザの座を争っているのは、StatCounterのデータによるとGoogle ChromeとInternet Explorerで、Firefoxがちょっと離れた第3位、さらに離れてSafariがあり、Operaは第5位となっています。しかし、国別に見てみると、ベラルーシだけはOperaがNo.1ブラウザなのだそうです。ノルウェー生まれなので「生まれ故郷ではシェアが高い」というわけでもありませんが、いったいなぜOperaはベラルーシで愛されているのでしょうか。

Why Is Belarus the Only Country Where Opera Is the Most Popular Browser? - Tim Fernholz - The Atlantic
http://www.theatlantic.com/technology/archive/2012/11/why-is-belarus-the-only-country-where-opera-is-the-most-popular-browser/265406/



StatCounterは300万以上のサイトのデータからブラウザのシェアを分析していますが、間違いなく「ニッチなブラウザ」であるはずのOperaがベラルーシではシェアNo.1という事実があるそうです。これが現在の全体シェア、OperaはSafariよりも下に位置しています。

StatCounter Global Stats - Browser, OS, Search Engine including Mobile Market Share
http://gs.statcounter.com/#browser-ww-daily-20111029-20121028



国別で見てみると、Chromeが1位になっている国が多い中で、ベラルーシだけはOperaがNo.1。

StatCounter Global Stats - Browser, OS, Search Engine including Mobile Market Share
http://gs.statcounter.com/#browser-eu-daily-20121027-20121125-map



Operaは世界で2番目に古いブラウザとして1996年にノルウェーで誕生しました。MicrosoftがWindowsにバンドル(同梱)していたInternet Explorerは圧倒的なシェアを誇っていましたが、ギークたちが求める機能は搭載されておらず、対抗馬であるOperaには熱心なファンがついていました。しかし、激しいブラウザ戦争の中で、IEがどんどん人気のある機能を取り込んでいったことで、Operaのビジネスは危機に瀕しました。

IEがWindowsと一体化してシェアを伸ばしてコンピュータを支配する中で、IEに立ち向かうブラウザとして、ChromeはGmailをはじめとするGoogleの各種サービスとの結びつきを強めてユーザを囲い込み、Firefoxはコミュニティで構築された膨大なアドオン群を持ち、オープンソースファンたちの支持を得ました。

そんな中、Operaは「最速」をウリとして戦いを繰り広げ、ベラルーシにおいて大きなシェアを獲得することになりました。その理由は、ベラルーシがBeltelecomという国営企業によってインフラを独占された社会主義国家であったという点にありました。

Beltelecomの支配下にあるベラルーシのインフラ状態は最悪だった、と語るのはOperaのコミュニティマネージャー、Espen Andre Overdahl氏。しかし、その最悪な状況下で、OperaにはHTMLや画像を自前のプロキシサーバで最適化することで表示を高速化する機能があったことなどから支持を得られたそうです。これはベラルーシのミンスクに住むウェブ開発者Gleb Kanunnikau氏も同じ見解を持っています。

2009年から2010年にかけてベラルーシにもADSLが導入され、毎月の転送量規制がなくなりましたが、それまではインターネットというと速度制限のかけられたものでした。また、費用も非常に高かったため、少しでもネット代を浮かすべく、みんながOperaを使っていたそうです。

これはデスクトップだけではなくモバイルも同様で、「モバイル端末のブラウザといえばOpera Mini」が今でも通用しています。これは、2010年までAndroid端末が輸入されず、iPhoneも2011年まで輸入されなかったことから、いわゆるウェブブラウザの搭載された携帯電話というのがなかったため。Opera Miniは低機能な端末からでもブラウジングができる無料ブラウザで、高度なトラフィック圧縮アルゴリズムを持っていることから、未だに遅くて高価なベラルーシのモバイル通信事情の中では重宝されているそうです。これは、端末がAndroidやiPhoneであっても同じだとのこと。

Chromeに代表されるライバルもじわじわと追い上げてきていますが、暗号化通信のようなセキュリティ面もまた欠かせない要素の1つなので、どんなライバルが現れてもOperaのシェアを脅かすには至らないだろう、とKanunnikau氏は語っています。

「未熟なインフラが効率重視のブラウザを求めさせた」ということで、ベラルーシと同じようにインフラ整備が十分とはいえない東欧諸国やカザフスタン、南アフリカでもOpera人気は高め。しかし、ベラルーシ国内のインフレによってルーブル切り下げが実施され、2009年には45ドル(平均月給が約342ドル)かかっていたネット接続のコストが、今は7ドル(平均月給は約470ドル)になるなど、優位性は縮小しているようです。

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