カーネル・サンダースをスーツ姿からエプロン姿に変えたKFCの加速する国際戦略


資本主義のグローバル化によって、どこへ行っても同じファストフードを見かけます。進出地域が手堅いマクドルド、大量出店を仕掛けるサブウェイ、それぞれに特徴がありますが、その中でも東南アジアや南部アフリカ、中国など、これからが期待できる地域に切り込むKFCの国際戦略も見逃せません。その為にカーネル・サンダースは白いスーツを着た裕福な資本家から、赤いエプロンで厨房に立つ労働者に生まれ変わりました。ペプシコーラとピザハットの関係も押さえておかないといけません。アメリカではメキシコ料理やハンバーガーのファストフードと一緒の店舗になっています。

こんにちは、自転車世界一周の周藤卓也@チャリダーマンです。旅の中でファストフードは贅沢品だったりします。フライドチキンはご馳走でした。

◆ロゴマーク

マクドナルドのマスコットキャラクターであるドナルド・マクドナルドはピエロです。嬉しくなってついやってしまう「ランランルー」は、人間のキャラクターであるカーネル・サンダースには真似できません。実在の人物だからこそ、イメージは大切です。

白いスーツのカーネル・サンダースと……


赤いエプロン姿のカーネル・サンダース。どちらに親しみを感じますか?


KFCは地域文化を破壊するグローバル化資本主義の象徴としてマクドナルドとともに批判される代表です。お調子者のピエロであるドナルドと違って、白いスーツを着たカーネル・サンダースには裕福な資本家の姿が重なります。白いスーツでは従業員として雇えません。経営者の姿です。だからこそ、親しみやすい赤いエプロンのロゴマークが登場したのではないでしょうか?

カーネル・サンダースの「手づくり」、「おいしさへのこだわり」を表現した新たなロゴマークKFCに新ロゴ誕生!

新たなロゴは、「若さ、エネルギー、現代的、親しみ」をテーマに、笑顔のカーネル・サンダースがエプロンをかけた親しみやすいデザインとなっています。このデザインには、日本KFCの理念であるFHH&H=Fresh(新鮮)、Healthy(安全で健康的)、Handmade(手づくり)、Hospitality(おもてなしの心)の原点ともいえる、カーネルの“本物のおいしさへのこだわり"が表現されています。65才でKFCを設立したカーネルが独特のおいしさの「オリジナルチキン」のレシピを、試行錯誤の末に完成させたのは49才のとき、1939年でした。新ロゴにデザインされたエプロンは、「手づくり」や「安全・安心・新鮮な素材」にこだわって独自の調理法を完成させたカーネルの姿を表現しています。


新しい店舗のロゴマークは赤いエプロンとなって、世界展開を進めています。

カナダでみかけた年季の入ったKFCは古いロゴマーク。


2012年に進出したボツワナのKFCは赤いエプロンのロゴマーク。


アメリカにはハット姿のカーネル・サンダースも居ました。こちらには親しみを感じましたが……。


◆グループ企業

マクドナルドと違ってKFCには親会社があります。ピザの「ピザハット」、タコスの「タコベル」とともに「ヤム・ブランズ」として世界展開がされています。「2in1」の店舗としてKFCと一緒に営業をしていました。カナダやアメリカでよくみかけていた「A&W」というハンバーガーのブランドもあったのですが、売却されて傘下を離れています。ペプシコ社からスピンオフしてできた会社なので、ヤム・ブランズではペプシコーラの提供が一般的です。」

ピザハット。


日本人には馴染みが無いタコベルはタコスやブリトーを扱っています。


ハンバーガーのA&Wは売却されたようですが……


「2in1」としてKFCと同じ店舗に。


KFCとタコベルの一緒の店舗。


中国のジャスコも入るショッピングモールにはKFCとピザハットが一緒にありました。


カナダの店舗におかれているドリンクはペプシコ社のラインナップ。


ドリンクのカップもペプシコーラのロゴマーク。


◆海外展開

東南アジアではシンガポール、マレーシア、タイといった古くからの資本主義国に限らず、マクドナルド未進出のベトナムや旧社会主義国のカンボジアにも店舗を展開しています。経済発展の著しいインドネシアにも積極的で、ネットで確認にしてみるとアンボン島のアンボンや、ニューギニア島のジャヤプラといった離島の都市にも店舗があって、力を入れている様子が分かります。

インドネシアのバリ島で見かけたKFCの店舗。


スパゲッティと鶏肉とポテトとドリンク。


タイのチェンマイ。


オープンしたてだったベトナムのハノイの店舗。


カウンター。


鶏肉とポテトとドリンク。


KFC Operator Plans Expansion In Greater Jakarta, Kalimantan

Last year, the fast-food company opened 25 new outlets, lifting its total number of outlets to 421 units in 95 Indonesian cities.

ベトナムで成功するフランチャイズビジネスの形式とは

まずは、一定期間は直営で店舗を経営した上で、フランチャイズパートナーを探す方法。Pizza Hut、KFC、Lotteria、Pho 24、Trung Nguyen Coffeeなどは、事業を始めるにあたって、まず多数の店舗を展開し、認知度が上がってはじめて、フランチャイジー側を説得できた。KFCはベトナムでの15年の活動で100店舗、Lotteriaも13年の活動で100店舗を持っている。

中国での進出も積極的でファーストフードチェーンとしてトップを走っています。大都市の店舗が多いマクドナルドに対し、中小都市でもKFCは店舗網を広げていました。ウイグル自治区はKFCはあるけど、マクドナルドはありません。

広西チワン族自治区の区都である南寧。


北朝鮮との国境に近い遼寧省の丹東。


チキンバーガーのセット。


えびバーガーまで。


北京の店舗では電動自転車での宅配もやっていました


KFCの中国での店舗数、4000を突破!さらに年500店舗以上の増加目指す―中国メディア

KFCは1987年に北京市で第1号店を開店して以来、その後の17年間で1000店舗にまで数を増やし、さらに6年間で3000店舗にまで店舗数を拡大。そして驚異的な速さで4000店舗を達成した。一方ライバル社であるマクドナルドは現在中国に1400店舗あり、KFCはライバル社に大きく水をあけている。


中国の食欲を巡ってファストフード店が激戦

KFC(ケンタッキー・フライド・チキン)やマクドナルドといった多国籍企業が展開するファストフードチェーンは中国進出が早く、欧米系ファストフードの市場を牛耳るようになった。KFCを所有する米ヤム・ブランズは中国で毎日1店以上のペースで新店舗を開設している。同社によれば、2010年には中国で稼いだ営業利益が初めて米国を抜いた模様だという。


エジプト、モロッコ、南アフリカしか進出していないマクドナルドに比べると、南アフリカを中心としたナミビア、ボツワナ、ザンビア、ケニアとアフリカのKFCは積極的な展開です。以前に調べた際にナイジェリアの店舗に驚いたのですが、ガーナ、モザンビーク、アンゴラにも進出したみたいで、KFCのアフリカ戦略は見逃せません。

ケニアの首都、ナイロビ。


ザンビアの首都、ルサカ。


ナミビアの首都、ウインドフック。


南アフリカでマクドナルドの4倍の店舗数を誇る会社とは?

南アフリカでのファストフード業界は、国内総生産(GDP)が上がり続けるのと、比例するようにマーケットを拡大しつつある。南アフリカで絶大な人気を誇るKFC(ケンタッキーフライドチキン)は、国内において、660店舗を運営しており、世界で人気のマクドナルドの店舗数の4倍にあたるという。

KFC、アフリカに130店舗オープンを計画

KFCアフリカによると、2012年は、新たにアフリカの7つの国、アンゴラ、マラウィ、タンザニア、ウガンダ、ジンバブエ、コンゴ民主共和国、マダガスカで、オープン予定だ。アンゴラ、マラウィでは、すでに建設工事がはじまったという。

KFCは、1970年代にアフリカ南部に進出していたが、ここ2、3年でアフリカ北部へ、店舗数を急速に増やしている。2011年には、ザンビア、ガーナ、ケニアに進出した。

WikipediaでKFCの店舗がある国の地図をみつけました。(http://en.wikipedia.org/wiki/File:KFC_world_map_2.jpg)


こちらはマクドナルドの店舗がある地図。(http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a6/McDonaldsWorldLocations.svg)


比較してみると紹介した東南アジア、中国、アフリカと同様にバングラディッシュやネパールといった南部アジア、シリア、ヨルダン、イエメンといった中東と、これからが期待できる地域でKFCは地盤を固めているのが分かります。

KFCの国別進出年度が分かるリスト(List of countries with KFC franchises

このように途上国を中心に攻勢をかけるKFC、圧倒的なブランドイメージのマクドナルド、大量出店を続けて世界一の店舗数となったサブウェイと、世界中で加速していくファーストフードチェーン店の競争からは目が離せません。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
)

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