楽天が電子書籍「kobo」の当初の日本語書籍数を1万冊以上も水増ししていた事実を認め謝罪、現時点では本当は何冊なのか?

By Amelia-Jane

消費者庁から電子書籍の冊数表示について景品表示法上不適切な部分があったとして楽天が指導を受けたことが明らかになりました。

【楽天株式会社】ニュースリリース - 消費者庁からの指導について
http://corp.rakuten.co.jp/newsrelease/2012/1026.html


内容としては、楽天が電子ブックストア「koboイーブックストア」について開始当初には日本語のコンテンツが「約3万冊」と表記していたものの、実際には1万9164冊であったというもの。楽天はリリース中で「当社は、今回の指導を真摯に受け止めるとともに、ご迷惑をお掛けしましたお客様、関係者の皆様に対しまして、お詫び申し上げます」として謝罪しています。

しかし、さらに続けて「なお、現在のコンテンツ数は約6万5千冊(うちWikipedia約500点)と改善しており、今後もお客様に魅力あるデバイスとコンテンツ、さらには電子ブックサービスを提供してまいります」としており、実際にはこの約6万5000冊の中にはWikipediaだけでなく青空文庫も含まれており、さらに公式サイト上では以下のようにして「日本のタイトル6万冊以上」「無料タイトル100万冊以上」と明記しているものの、よく見ると無料タイトル100万冊については「※2:海外コンテンツを含む」としており、非常にまぎらわしい状態が続いています。


ここに至るまでどれぐらいのペースで冊数を増やしてきたかというのは以下のページで確認できます。

ニュースリリース:電子ブック楽天<kobo>
http://kobo.rakuten.co.jp/news/

2012年 10月10日【コンテンツリリース】『ONE PIECE』『ジョジョの奇妙な冒険』など、集英社コミック 890冊を追加。
2012年 9月25日【コンテンツリリース】日本語の書籍数が6万冊を超えました。
2012年 9月25日【コンテンツリリース】幻冬舎の『あなたへ』やメディアファクトリーの『ハンガー・ゲーム』など 559冊を追加。
2012年 9月19日【作家情報の配信開始】ウィキペディアの作家情報の配信を開始しました。
作家や作品の時代背景に関する理解も深めて頂き、より充実した読書をお楽しみください。
2012年 9月07日【コンテンツリリース】文藝春秋『伏 贋作・里見八犬伝』など 1828冊を追加
2012年 9月03日【コンテンツリリース】講談社『主に泣いてます 第7巻』など 687冊を追加
2012年 8月28日【コンテンツリリース】新講社『 「捨てる」「片づける」で人生が楽になる』など 1140冊を追加
2012年 8月22日【コンテンツリリース】商業界『無印良品 世界戦略と経営改革』など 202冊を追加
2012年 8月10日【コンテンツリリース】早川書房『華氏451度』『長いお別れ』など 418冊を追加
2012年 8月09日【コンテンツリリース】文藝春秋『悪の教典』、日本文芸社『ミナミの帝王』など 1620冊を追加
2012年 8月06日【コンテンツリリース】祥伝社『夏雪ランデブー』、ワニブックス『一騎当千』など 825冊を追加
2012年 8月03日【コンテンツリリース】『織田信奈の野望 6』『僕は友達が少ない8』など 552冊を追加
2012年 7月31日【コンテンツリリース】竹書房、フロンティアワークス、オークラ出版など 約2000冊を追加
2012年 7月26日【コンテンツリリース】富士見書房『これはゾンビですか?』など 509冊を追加


こうやって見ると順調に増えているわけですが、その内訳を見ると「写真1枚しかないのに1冊としてカウント」「楽譜を日本語書籍としてカウント」「Wikipediaを日本語書籍としてカウント」「青空文庫も書籍数にカウント」というような感じで、度々問題になっていることが分かります。

◆8月28日
楽天「Koboイーブックストア」の日本語タイトルが3万冊を突破!うち1978冊は写真1枚を日本語書籍としてカウント : 市況かぶ全力2階建
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65705184.html

上記の件について、現時点ではさらに増加しており、2330冊が写真1枚になっています。

◆8月31日
質より量なんでヨロシク、楽天「Koboイーブックストア」がギターコード譜6363冊を日本語タイトルにぶっこみカウント : 市況かぶ全力2階建
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65705602.html

上記の件について現時点ではコレもさらに増加しており、1万4230冊がギターコードの楽譜です。

◆9月20日
楽天“Wiki谷”会長公認で「Koboイーブックストア」Wikipedia人名書籍化を開始するも、勝手にDRMをかけるライセンス違反疑惑が浮上 : 市況かぶ全力2階建
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65709303.html

現時点ではライセンス違反は解消し、約500点がWikipediaの内容となっています。

また、約1万冊が青空文庫であることが楽天kobo公式サイト上で明示されています。


結局のところ、現在の日本語コンテンツ約6万5100冊のうち、写真1枚2330冊+楽譜1万4230冊+Wikipedia約500冊+青空文庫約1万冊=約2万7060冊が「本」と言えるかどうか疑わしいのではないか?というようなものになっており、実に全体の約3分の1近くをリアル書店に並んでいて「本」と言えるかどうかよくわからないものが占めているのが楽天koboの現実、というわけです。

なお、楽天は当初の目標では8月末までに6万冊、12月末までに20万冊を目指していたわけですが、上記のような実情からみて、現時点では約3万8040冊程度が楽天koboの実数と考えるのが妥当であり、ここにAmazonのKindleが登場(日本語書籍が約5万冊でそのうち無料書籍が約1万冊)したワケなので、Kindle登場直前に楽天が打ち出してきた以下のような「楽天カード会員に対して申し込みの意志を明確に示していないにもかかわらずkobo端末を送りつける」という施策も、一見するとめちゃくちゃですが、「とにかくまずは読者を増やそう」という意味では割とアリだと楽天側は考えているはずです。

Amazon「Kindle」の黒船来航、一方国内では楽天カード会員に楽天「Kobo」が勝手に送りつけられる事案が発生 : 市況かぶ全力2階建
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65715653.html


というのも、読者数が増えればそれを圧力として電子書籍の数を増やすように出版社に働きかける事が可能になるためで、実際にAmazonも現在、すべての書籍画像直下に以下のようなボタンが追加され、「Kindle用の電子書籍化を希望するAmazonユーザーがこんなにいる」という材料を集めています。


問題はここからあとで、果たして楽天のkoboはAmazonのKindleに勝てるのか?という点。楽天の方が時期的には先行しているわけですが、koboの展開にあたって楽天が持っていた電子書籍サービス「Raboo」を2013年3月に閉鎖、購入した書籍はそれ以降「再ダウンロード不可能」ということで、koboとは統合されないという事態になっています。対してAmazonは海外のAmazon.comで購入したときのKindleのアカウントと日本でのKindleのアカウントを統合することで、片一方が無効になるというような事態はなんとか回避しており、冊数だけではなく、こういうユーザーの方を向いた利便性についての細かい積み重ねの差が、最終的な勝者を決めるのではないか思われます。

・関連記事
日本の電子書籍の来るべき未来、AmazonのKindle戦略を徹底解説 - GIGAZINE

Amazonや楽天のリアル書籍と電子書籍との差額をすぐに確認できる「電子書籍サーチ」 - GIGAZINE

Amazonのタッチ操作可能な電子書籍リーダー「Kindle Touch」を使ってみた - GIGAZINE

Amazonから新電子書籍リーダー「Kindle Fire HD」登場、8.9インチ液晶搭載 - GIGAZINE

月額定額制で電子書籍読み放題「ブックパス」をauが開始、2013年3月末まで無料 - GIGAZINE

Appleが無料で電子書籍作成が可能なアプリ「iBooks Author」発表 - GIGAZINE

166

in メモ,   コラム, Posted by darkhorse