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燃えさかる炎をCO2ジェットで素早く消し止める携帯消火器「消棒 RESCUE」&「消棒 miny」実物フォト&ムービーレビュー


平成23年版 消防白書」によれば、平成22年の車両火災出火件数は5326件で56名が死亡(放火自殺者を除く)、275名が負傷しているとのこと。前年の21年にも5326件の車両火災が発生しているそうなので、車に乗っている際に火災に遭うというリスクは決してあなどれません。

というわけで、自動車の中に手軽に使える消火器を備えておけば少しでも被害を減らせるだろう、ということで開発されたのがCO2ジェットを噴射して消火する小型の消火器「消棒RESCUE」です。今回は、その実物を実際に使用している様子を「危機管理産業展」で見ることができたので、写真とムービーに納めてきました。

「消棒」シリーズの展示を行っているワイピーシステムのブースは以下の通り。


消棒RESCUE

車載用の小型消火器として開発された「消棒RESCUE」のパッケージ。


二酸化炭素を噴射して酸素を絶つことで燃焼を食い止める仕組みになっています。また、事故の際に正常に外れなくなったシートベルトを切断して脱出するためのカッターと窓ガラスを割って車外に出るための機能も備えているとのこと。


消す、切る、割るの3つの機能をコンパクトにまとめた点が評価され2009年にグッドデザイン賞を授賞しています。


シートベルトカッターをアップで見るとこんな感じ。刃先にはカバーが掛かっているので、誤って手などを切る心配がありません。


使用方法はベルトに刃先を引っかけて……


スッと引っ張るだけでOK。


実際にシートベルトをスパスパと切断している様子は以下のムービーでチェックしてみてください。

携帯型消火器「消棒RESCUE」のシートベルト切断機能はこんな感じ - YouTube


窓ガラスを割るために付けられた突起は以下の通り。


成人男性の手で握ってみるとこんな感じ。サイズは横60×縦195mmで公称重量は約370グラムとなっており、約8秒のCO2噴射が可能とのことです。


実際にガスを噴射したり窓を割っている様子は以下の公式ムービーでチェックしてみてください。

脱出機能付き小型二酸化炭素消火具 「消棒RESCUE」 ~実践例~ - YouTube


ガスの飛距離はそれほど長く無いので、爆発炎上している車などの消火は無理かもしれませんが、たばこが落ちてシートが燃えていた、という場合やボンネットから煙が上がっている、というような場合には十分対処できそうです。


消棒miny

ベルトカッターなどの機能を省いた自宅やオフィスなどに設置するための小型のCO2ジェット消火器「消棒miny」は以下の通り。


消火をするには上部のボタンを押せばOK。水をかけると感電してしまう危険性のある電化製品などの消火にも有効とのことですが、天ぷら油や石油ストーブの火災に使用すると油をジェットが吹き飛ばし火が広がってしまう危険性があるため注意が必要です。


噴射口は以下の通り。使用可能になると上部のライトが点灯します。


本体サイズは横50×縦200mmで、公称重量は約450グラム。約12秒のCO2噴射ができるそうです。


実際にガスを噴射している様子は以下の通り。


ロックを解除してからガスを噴射をするまでの一連の様子は以下のムービーで見られます。

CO2ジェットで火を消す携帯型消火器「消棒miny」を噴射する様子 - YouTube


実際に燃えさかる炎を消火している様子は公式ムービーでチェックしてみてください。

小型エアゾール式簡易消火具 「消棒miny」 ~実践例~ - YouTube


いずれの製品もAmazonなどから購入可能となっており、価格は以下の通りです。

Amazon.co.jp: 消棒RESCUE 車両専用!緊急脱出&小型二酸化炭素消火具 (税込5250 円)



Amazon.co.jp: 消棒miny 小型エアゾール式簡易消火具(税込6800円 )


なお、この製品は厳密には「消火具」と呼ばれる分類に入る器具で火災の極く初期段階に対して一定の消火効果があるものですが、消火器の代替品ではなく、 補助的な役割を果たすものとして、その効果が期待されるものである点には注意が必要です。

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in レビュー,   取材,   ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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